闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第0603話 殺戮の宴

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突然現れた援軍が、范痨の顔色を白くさせた。

特に蕭炎の険しい表情を見た瞬間、その顔は霜に塗られたように蒼白になった。

蕭炎が二種類の異火を見せつけた時、范痨は悟った。

正面から戦うなら四人でさえも彼を退けられず、この戦いが始まったばかりなのに既に一人の斗王級を失わせてしまった。

戦闘力が低下した今、勝算は急速に減少している。

そこで彼は、蕭厲を生贄にして蕭炎の注意を引きつけることに賭けた。

しかし林焱と紫研が現れた瞬間、その計画は完全に崩壊した。

次に迎えられたのは、蕭炎の殺意に満ちた怒りだった。

「山賊全員を抹殺せよ!」

顔色が蒼白になった時、范痨は何かを思い出し突然叫んだ。

この状況では確かに魚死泥枯れの戦いになるつもりだ。

山賊の外側に待機していた数百人の「黒盟」の部隊がその命令に応じて驚異的な連携で動き出した。

たちまち無数の人影が森林から押し寄せて、山寨へと攻撃を開始した。

その光景を見た蕭炎は眉根を寄せた。

これらの山賊は二哥の部下だ。

彼らに重大な損害を与えるのはあまり好ましくない。

「三弟、この老犬を片付けてくれ。

外側の攻撃は私が率いて迎え撃つ」

蕭炎が思考を巡らせた直後、蕭厲が突然高台から飛び降りて叫んだ。

その瞬間、山寨の影に百名以上の黒影が一斉に出動し、空虚だった通りを埋め尽くした。

「全員で行け!」

蕭厲の重い声が響き渡ると同時に、彼は先頭に立って山賊の門へと駆け出した。

その後ろから無数の黒影が躊躇なく続いた。

苦境の中でも彼らの動きは乱れることなく、蕭厲の命令通りに山寨各所で配置された。

その光景を見た蕭炎の目に驚きが一瞬だけ浮かんだ。

すぐに心配しなくなったのは、現在の二哥には傷があるものの、この大勢の中に斗王級はもう一人もいないからだ。

視線を再び范痨に戻すと、蕭炎は笑みを浮かべた。

白い歯が寒気に侵されていた。

「老狗よ、二年前に逃げ延ばしたのは運だったな。

今日はその幸運があるかどうか分からない」

蕭炎の冷たい声は氷のように骨髄まで染み渡る。

范痨の顔はさらに険しくなり、彼もまた現在の蕭炎が以前とは比べ物にならないほど強くなったことを悟った。



「炎上、我等の因縁は貴方から始まった。

貴方が我が子を殺さなければ、このような因縁もなかったはずだ」

範老が目を瞬かせながら周囲を見回し、牙を剥いて叫んだ。

「この黒角域という狂乱の地で、貴方の息子が誰に殺されたなど問題外。

死んだ人次は私よりも数十倍多いだろう」

炎上は冷笑いを浮かべて重尺をゆっくりと持ち上げた。

範老を見据えながら淡々と言い放つ。

「この地獄のような場所で、貴方の息子が誰に殺されたなど問題外。

死んだ人次は私よりも数十倍多いだろう」

「狂気の小鬼!私は範老だぞ!お前なんかに怯むわけがない!」

顔を歪めてから範老が叫び声を上げた。

血色の斗気を全身に纏い、三四丈にも及ぶ血海を形成する。

その中で彼の姿は完全に隠された。

「二年ぶりだな、この手口は変わらないね。

これらは私には効かない」

炎上は血海を見やると、掌に青火と無形の炎が合わさり碧緑の炎となる。

その炎を投げた瞬間、わずか数秒で頭大から三メートルにも膨れ上がる。

指先で巨大な炎を押さえながら炎上は笑みを浮かべる。

「終わりだ」

炎上の指が弾むと碧緑の炎は嵐のように四方八方に広がり、血海を包み込んだ。

その瞬間、血海から腐臭が消え、濃厚な血色が薄まり始めた。

さらに範老の絶叫が聞こえてくる。

この範老もまた運命に翻弄された男だ。

彼の血海は黒角域で横行する看板技だが、異火を持つ炎上にはまるでネズミを見る猫のように無力だった。

範老は確かに斗皇級だが、炎上の前に戦闘力を発揮できるのは普通の斗王程度だ。

まさに一物剋一物と言える。

「シュッ!」

血海がさらに薄くなるにつれ範老が我慢できず半丈にも及ぶ血槍を放ち、空間を震わせた。

その槍は周囲に鋭い風を生み、山寨全体がその音を聞き取った。

炎上は笑って首を横に振ると指先から一筋の碧緑の炎を放ち、血槍と衝突させた。

巨響と共に両者は同時に消滅した。



「还真是负隅顽抗啊」雄大なる緑の炎が蕭炎の体内から爆発的に湧き上がり、彼を完全に包み込んだ。

足音を響かせながら地面を蹴りつけたその身は、ますます希薄になっていく血海へと直線的に突入した。

蕭炎が無遠慮にも血海に飛び込むや否や、その海域はたちまち狂暴的な動きを見せ、金鉄相交わすような清脆な音を立てながら激しく渦巻き始めた。

エネルギーの波紋が広がるにつれ、一瞬で全ての血海が散り散りとなった。

血海が消滅すると同時に、その中から二つの影がゆっくりと浮かび上がってきた。

蕭炎は息を荒らすものの他に何の障害もなく、一方の範痨は衣装が破れ、手のひらから血が滴り落ちていた。

明らかに先ほどの交戦では彼が劣勢だったことが窺えた。

山賊たちの殺伐な叫び声が空を震わせながら、範痨は毒蛇のように鋭い目つきで蕭炎を見据え、悔恨の念を込めてこう呟いた。

「萧炎、お得意にならない。

『黒盟』に敵対したことを後悔する日が来るぞ」

「ふふ、艾宗主様のご心配は無用です。

二日後に自動的に『黒盟』と韓楓の因縁を清算しますよ」蕭炎は笑みを浮かべながら答えた。

「ただし今回は範宗主の方が韓楓より先に旅立つかもしれません」

「くっ、蕭炎!今では確かに勝てないが、お前が殺すのも簡単ではないぞ!」

範痨の顔に不敵な笑みが広がり、印結を変えると同時に口から血を噴き出した。

その血滴が散らばる中、範痨の姿は突然消えた。

蕭炎がその場所を見つめながら首を横に振った。

「やはり同じ手だてか」

音もなく、蕭炎の足元に銀色の光が浮かび上がり、低く轟く雷鳴と共に彼の姿も瞬時に消えた。

百メートル上空で空間がゆらりと揺れた時、血の影が現れ範痨が顔を出した。

彼は惨憺たる表情で下方の山容を見下ろし、「小僧め!仲間を集めたら必ず復讐に来よう。

その時はお前を粉々に砕いてやる!」

と叫んだ。

その言葉が消えた直後、背後の笑い声が響き、範痨の全身の毛穴が引き締まった。

「ふふ、範宗主様、帰れないかもね」

首をゆっくりと回すと、穏やかな笑みと共に碧色の炎の球体が目に飛び込んできた。

「終わりだよ範宗主」

蕭炎は笑いながらも、その手の炎の球体を高速で回転させ始めた。

回転するうち周囲の空気まで引き寄せ、最終的に凄まじい熱量を湛えたそれを範痨の背中に叩きつけた。

その瞬間、凶暴な風圧が爆発した。

この狂暴的な攻撃にさらわれた範痨は防御すらできず、顔色を変えながら内臓と血を噴き出した。

碧緑の炎はその風圧と共に勢いよく広がり、重傷を負った範痨を包み込んだ。

遠くまで響き渡る悲鳴が次第に消え去り、炎もまた約半分で鎮まった時、灰燼となった影だけが風に乗って散らばったのであった。



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