闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第1166話 0005色丹雷!

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「空の雷雲が変わってきた!」

信じられないような驚きの声が、その場に響き渡った。

瞬く間に無数の視線が蕭炎(しょうえん)の頭上にある雷雲へと注がれる。

すると確かに、雷雲がうねりながら、既に形を成していた丹雷(たんらい)が再び変化し始めた。

この奇跡的な光景を見つめる人々の顔は次々と喜色で固まった。

「すごい!本当に成功したんだ!」

と叫ぶ声が響く。

多くの人が呆然と見入っている中、やっと回復した者たちが「凄いことだぜ!」

「今日初めて見たよ」と大騒ぎする。

遠方の石台では曹颖提(そういんてい)が胸を撫で下ろす。

「彼は本当に成功させたんだ……」と微笑みながら、豊かな胸元をなでる。

その表情は妖艶な笑みに満ちていた。

高台に立つ玄空子(げんくうし)も目を見開いていた。

石台の若者を見る眼には羨望が滲んでいた。

「本当に藥塵(やくじん)老先生は幸運だったわね」と、優しい声で囁く。

「局面はまた変わってきた……次に見せるのは、蕭炎がどの程度まで進むかだ。

今年の丹会(たんかい)では彼が主役になるだろう」「そうだね、かつての老先生と同じようにね」美婦人が頷きながら微笑んだ。

周囲の者たちも同意し、皆で天を仰ぐ。

既に決まったと思っていた局面が蕭炎によって変えられたのだ。

しかし最終的な結果は雷雲の変化次第だ。

「どうして?!」

一方、慕骨老人(ぼくこおやじ)の顔は急に曇り始めた。

「まさかこの若造が……」と心の中で呟きながら、殺意を込めた目で蕭炎を見つめる。

彼の未来は魂殿(こんてん)の大敵となるだろう。

深呼吸をして殺意を抑え、慕骨老人は陰冷な視線を向けた。

「この手の術は意外だったが、必ずしも老夫を超えるとは限らない。

まだ早いよ」

石台に立つ蕭炎は人海を見下ろす。

次いで慕骨老人の方へと目をやると、白い顔に冷笑が浮かぶ。

唇から血を拭うと、空を見上げる。

広大な天空は雷雲で裂け、色とりどりの電光が渦巻いている。

その圧力は人々の肌に寒さを感じさせるほどだ。

もし乱れ落ちたら、無数の人々が粉砕されてしまうだろう。



その雷雲は空を分けるように広がり、特に二つの巨大な塊が目立っていた。

一つは慕骨老人の四色雷雲であり、もう一つは先ほど蕭炎が丹薬の霊気を注ぎ込んだことで変化した三色雷雲だった。

無数の視線が注がれる中、三色雷雲の渦巻きはますます激しくなり、ある瞬間、金色の光が突然現れた。

「第四色が現れた!」

その輝くばかりの金光は一瞬で多くの人々に気付かせ、驚天動地の歓声が響き渡った。

石台の上で慕骨老人は胸を重くし、袖の中の拳を強く握り締めた。

金色の輝きは人々の熱い視線を受けながらさらに鮮やかさを増し、ついに慕骨老人の四色雷雲とその濃度が互角になった。

しかし人々はその光消滅したと思った瞬間に、雷雲の動きが止まらないことに気づいた。

「この…」

過去の経験から場にいる者は空上の雷雲の状態を理解しており、それが丹雷のエネルギーが未だ安定していないことを知っていた。

云の揺らぎの中には何かが生まれようとしているのだ。

雷雲が渦巻き続ける中、観客席は異様な静寂に包まれた。

全員が息を詰めて天を見上げ、その目は雷雲から離れなかった。

もし今この雷雲に新たな色が現れれば、今回の丹会の優勝者は慕骨老人ではなく蕭廷になるかもしれない。

「gulp」人々は喉を鳴らし、唾を飲み込む音が聞こえた。

緊張感が会場全体を包み込み、曹颖たちさえも手を握り胸の鼓動が速まるのがわかった。

石台では慕骨老人が空を見つめ続けたまま、徐々に顔が引き攣った。

彼は視線を遠くの蕭炎へ向けたが、後者は余裕の態度で背後に手を回していた。

その姿を見て慕骨老人の心臓は一拍子跳ね上がった。

突然天の果てから恐ろしい雷光が現れ、空全体に広がり始めた。

「まずかった!」

雷雲が動きを止めた直後、雲間から紫の光が滲み出てきた。

それは蒼穹を貫く神々の輝きのように云を染め、淡い紫色の雷雲となった。

五色目立ち始めた!

その瞬間会場は沸騰した。

人々の歓声が天に響き渡り、聖丹城全体がその騒動で震えた。

五色の天雷!

伝説に近い奇異な存在が、ついに彼らの目の前に現れた。

その光景は胸を躍らせ、彼らを奮い立たせる。

この丹会の勝利は既定路線とされていたが、二十代前半の青年によって逆転を起こすのだ。

今日から、蕭炎(しょうえん)という名は中州全域に轟くだろう。

灼熱の日光が天際の石台に映える痩せた影を見つめるように、空と地の間には無数の視線が注がれている。

誰もが予想外の展開に驚愕する。

この勝利を手に入れたはずだった慕骨老人(ぼくこおじょう)は、今やその栄冠を失ったのだ。

五色雷雲が形成された瞬間、蕭炎の緊張が解けた。

しかし魂魄への消耗は想像を超えていた。

“嘎吱”という音と共に、彼の意識は朦朧と崩れ始めた。

慕骨老人の顔は蒼白になり、震える手で拳を握りしめる。

勝利が目前に迫っていたはずなのに、その全てを奪われたのだ。

五色雷雲が現れた瞬間から、老人の心臓は激しく鳴動する。

“呼●呼”と荒い息が鼻から漏れる。

玄空子(げんくうし)の冷たい視線が慕骨老人に向けられると、その殺意は一気に消えた。

彼は自分が何をしたか後悔する。

今や、蕭炎への復讐は不可能だった。

“小子、お前が老夫の手に落ちた日には…(中略)”と陰険な笑みを浮かべる。

その怨念の声を聞いた瞬間、蕭炎の眉が僅かに動いた。

慕骨老人を見つめる彼の顔は穏やかだが、指先で軽く下げる動作には侮蔑の色があった。

“我早说过,你还没有!$格让老师出手。

”と淡々と言い放ちながら、唇を歪めて笑う。

その冷たい視線と軽蔑的な言葉が慕骨老人に直撃する。

彼は激昂し、胸の中で沸騰する怒りを抑えようとする。

“プチ!”と血の気色が失われた瞬間、殷紅の血が石台に飛び散った。

その光景は観客たちを驚愕させた。



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