闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第1446話 手助けを求めて

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祭壇の上で彩鳞たちが石碑に座り続けている蕭炎を見つめながら、彼女たちは眉をひそめていた。

その石碑は外見的には平凡だが、妖瞑のような強者さえも恐れるほどの力を持っている。

彩鳞たちは蕭炎には信頼していたものの、心の奥底では不安が募っていた。

「妖瞑族長、貴方たちの一族の強者がこの石碑に入ると、これほど長い時間かかるのですか?」

待つのが堪らずに彩鳞は眉を顰めた。

妖瞑は一瞬迷ったあと首を横に振った。

「以前我が族の強者が入ったときは、せいぜい半時間程度でした。

しかし蕭炎兄弟は魂の力が非常に強く、問題ないでしょう……」

その言葉に彩鳞の眉はさらに深く寄り、彼女たちはただ黙って待機を続けた。

数十分後、石碑から突然強い光が迸り、そこから一人の魂の影が飛び出し、最終的に座っていた蕭炎の体の中に吸収された。

その瞬間、彩鳞たちの目は驚きに輝いた。

「凍」

閉じていた蕭炎の目が突然開き、顔色が一瞬で蒼白になった。

激しい咳声と共に黄泉天怒の傷跡が現れたのだ。

「萧炎、大丈夫ですか?」

彼女の姿を見て彩鳞たちが同時に尋ねた。

「大丈夫です。

この黄泉妖聖の残念は本当に恐ろしいですね」蕭炎は深呼吸をして手を振った。

「蕭炎兄弟、貴方もその残念に勝てなかったのですか?」

妖瞑は驚きの表情を見せた。

「運良く勝利しましたが、石碑の中の残念はすでに散らばっています」

その言葉が終わる直前、石碑から突然鈍い音が響いた。

彩鳞たちの視界には一瞬で口形が現れた。

妖瞑はまず驚き、すぐに喜びの表情になった。

「黄泉天怒!」

彼は速やかに座り込み魂の力を広げ始めたが、その時突然強烈な魂の衝撃が襲い来た。

妖瞑は血を吐いて転倒し、狼藉になって階段から落ちた。

しばらくしてようやく立ち上がり、蕭炎たちの驚きの目を見つめた。

「凄まじい魂の衝撃ですね……やはり私は黄泉天怒を修練する資格がないようです」

彼は血を拭って嘆いた。



「この黄泉石碑は確かに奇妙だ。

その中に残る妖聖の魂が消滅したにもかかわらず、こんなに強い力を保持しているのは驚異的だ。

昔の妖聖の力量は本当に誰も及ばないものだったな」

蕭炎は納戒から霊魂を癒す丹薬を取り出し口に入れた。

それから言った。

「でも焦らなくていいんだ。

黄泉天怒の修練法は石碑に刻まれている。

いずれその条件を満たせば、修練できるだろう」

「しかし私はすでに二星斗聖後期だ。

この程度の実力では修練できない。

条件を達成するまでには何年もかかるかもしれない。

どうやら私と黄泉天怒は縁が薄いようだ」妖瞑はため息をつき諦めたように見えたが、すぐに手を擦り合わせて笑った。

「蕭炎兄弟、石碑の中の残魂を打ち破ったなら、妖聖の血も得たはずだ。

どうか分けてくれないか?」

「それは当然だ。

この石碑は貴族のものだからね」蕭炎は淡々と言った。

「萧炎兄弟が冗談を言っているとは思わない。

貴方こそ命懸けで手に入れた物だ。

少しでも分け前を得られるなら満足しているさ」妖瞑も頬を赤らめた。

蕭炎が笑い掌を開くと金色の血滴が掌に現れた。

その中に広がる膨大なエネルギーは周囲の空間まで熱狂させた。

「妖瞑族長、見れば分け前があるから彩鳞たちにも三つ分与えるべきだよ。

彼女たちも九星斗尊だ。

彼らが聖域に到達するにはまだ長い道のりだが、黄泉妖聖の血を得られれば修練時間を大幅に短縮できる。

この機会は過去の私にはなかったものさ。

薬老でさえこれほどの奇物を得られるとは思わなかった」

「ふふ、萧炎兄弟の裁量に任せるよ」妖瞑は懐かしそうに笑った。

彼は自分が一滴も分け前を得られなかったことに気づいていた。

蕭炎が指を弾くと掌の中の血滴は四つの金色の光になった。

それらは妖瞑や彩鳞たちに向かって飛んだ。

彼らは緊張しながらそれを掴み取った。

この物は外に出れば斗聖級の強者が群がるだろう。

四つに分けた後、蕭炎の掌には拇指大の一滴だけ残っていた。

その中に含まれるエネルギーは依然として凄まじいものだった。

その一滴を見ながら蕭炎は笑った。

彼の納戒にはもう一滴妖聖の血が残っている。

それは薬老のために用意したものだ。

現在の薬老は上級半聖で、必要なエネルギーを得れば一星斗聖への昇進は困難ではない。

この一滴があれば最適な契機となる。

今回の収穫は予想を遥かに超えていた。

「ははっ、この一滴があれば三年以内に三星斗聖を目指せる自信があるぞ」

妖瞑が喜々しく血滴を受け取りながら言った。



「えー、炎さんも笑うのかな」炎さんが軽く笑いながら、一瞬ためらったあとに妖瞑族長に向かってこう言った。

「妖瞑族長、この度の九幽地冥蟒は最適です。

族……実はもう一つお願いしたいことが」

「おー、炎さんには何でも構わんよ」君は私の命を救ってくれたし、妖聖精血も得てやったんだからな。

一つかえてもいいぜ、副族長になってくれたら九幽地冥蟒族の副族長にでもなってやる」

妖瞑が手を振りながら大笑いした。

「ふーん、副族長は結構だよ」炎さんが笑みを浮かべたあと、顔色を真剣に変えつつ太虚古龍一族のことについて簡単に説明し始めた。

「太虚古龍一族の内輪揉め?それは予想通りだぜ。

俺も昔からこの日が来ると思っていたんだよ」炎さんの話に対して妖瞑は驚きはしたものの、それほど大げさな反応ではなかった。

「三龍島に十分な報酬を出せば、妖天啸の性格なら九幽地冥蟒族を手伝わせるだろう。

けど今は族長が変わったから結果も変わるはずだよ炎さん安心して俺は約束するぜ、九幽地冥蟒族は三龍島には協力しない」

妖瞑が胸を叩きながら断言した。

妖天啸は利己的だけど彼はその先を見ていた。

この戦いに三龍島が勝ったとしてもまだいいけど負けると太虚古龍一族の性格から九幽地冥蟒族まで巻き込まれるだろう。

三大種族同士とはいえ九幽地冥蟒族は太虚古龍一族の相手にはならないと妖瞑は知っていた。

現在の太虚古龍一族は膠着状態だけど東龍島には伝説の龍凰血脈を持つ存在がいるんだぜ、その進化の可能性は誰にも読めない。

だから炎さんの願いに対して妖瞑は何も迷わず答えた。

「でも九幽地冥蟒族が関わらなくても天妖凰族は強者を動かして三龍島に手伝うだろうよ」

妖瞑が炎さんを見つめて言った。

炎さんは頷いた。

彼が九幽地冥蟒族の問題を解決できたのは運のせいだったけど天妖凰族については彼らが袖をまくってくれるなんて期待はしていない。

「彼らがどうしても関わろうとするなら別の手を使うしかないさ」炎さんが静かに言った。

「紫研と私は仲良くしているから三龍島に負けさせるわけにはいかないんだ」

「ふーん、準備したのかな?」

妖瞑の顔が少し震えたように見えた。

「もし彼らが強者を動かすなら俺は途中でその人間たちを殺しに行くさ」炎さんが笑みを浮かべて妖瞑を見た。

「けどこの件は妖瞑族長に頼む必要があるぜ」

妖瞑の顔に沈思黙考の色が現れた。

これを受け入れれば天妖凰族と対立することになる。

「そのことが本当に解決するなら俺は命を賭けて約束するぜ、その後太虚古龍一族と九幽地冥蟒族は鉄のような同盟になるし天妖凰族……三大種族から洗い落とされるはずさ」

炎さんが静かに言った。

太虚古龍一族の強大さは疑問符なしで、今分裂していてもその一方の力は彼ら全体よりも強い。

もし統一できればさらに恐ろしい存在になるだろう。

この高慢な連中と同盟を結べば九幽地冥蟒族の地位は揺るぎないものになる。

暫く黙っていた妖瞑がようやく炎さんを見つめながら重々しく言った。

「もし炎さんの約束が効果的なら俺妖瞑も一発賭けて君たちと狂ったことをやってみようぜ」

その言葉を聞いた炎さんの目から軽い笑みが浮かんだ。



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