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「ギュスターヴ様の重大な秘密を共有できる相手だと、私をそう思って下さるのならお話くださいますか?」
これは初めての夫婦の危機、いいえ試練かもしれない。
結婚生活は最初が肝心だと母と姉達も言っていた。
だからここで私が物わかりのいい振りなんてするのは悪手、しっかり追及しなくてはならない。
私は絶対に引かないと決心を固め、姉達の指導の通りに庇護欲をそそる様目を潤ませながらちらりと顔を上げてギュスターヴ様を見つめると、彼の視線は私の目元に向けられているようだった。
泣いてばかりの女に魅力なんてひとつもないけれどね、普段笑顔を絶やさない者が自分にだけ見せる涙には殿方というものは弱いの。自分が守らなければと、そう思わせたら勝ちなのよ。
姉様が教えてくれた時は、そんなことあるだろうかと疑っていたけれどそれは真実なのかもしれないと、身を持って今知った。
「君を泣かせるつもりじゃなかったんだよ、シュテフイーナ」
私に向けられる声も視線も、優しい。
それだけじゃない、どこかその瞳は嬉し気にも見える。
「泣いておりません……わ。私弱くありませんもの、私は……」
一度ギュスターヴ様をじぃっと見てからすぐに視線をそらして、ポロリと涙をこぼしてからまた可愛らしくスンと鼻を鳴らす。
涙を効果的に見せる方法を教えてくれた時、声を上げず大袈裟に泣いたりしないのが良いのだとも教えてくれたのは公爵家の嫡男に強く望まれ嫁いでいった一番上の姉だ。
私は兄が一人姉が二人いるが、姉はどちらも美の女神が戯れに人の振りをしていると言われる程の美女だ。
春の日差しの様に常にほんわかとした印象を与える長女、日頃はキリリと凛々しいけれど笑うとその印象ががらりと変わり庇護欲をそそる次女、二人があまりに社交界で有名過ぎて私は常に女神二人のおまけ扱いだった。
兄と姉達は美女と名高い母似の綺麗系の顔立ちで、私はどちらかと言うと父に似た童顔、おまけに私だけ背が低く華奢すぎる位に細いし胸も小さい。
細いけれど背が高く豊かな旨と細い腰を持った姉二人の後ろを、ちょこちょことひよこの様について歩くのが私だった。
理想を言えば姉達の様に綺麗な顔でメリハリのある体に生まれたかった、母も姉も美女と言われ女神の様な扱いをされているのだから一人だけ仲間外れは辛かった。
顔は変えようがないけれど、体は努力である程度なんとかなるかもしれない。女性らしい魅力的な体になれたら、顔の造作なんて些細なことと笑えるようになるかもしれない。気持ちを切り替え努力したけれど、悲しいかな胸はずっと小さなまま、いくら食べても背は伸びず華奢過ぎると心配され、最後には子栗鼠の様に愛らしいのだからと慰めれる始末。
私はずっと姉達の可愛いおまけ扱いで、麗しの女神の側にいる愛玩動物だった。
童顔と体の小ささも相まっての愛玩動物、私に向けられる可愛いという言葉は小動物に向けて言うのに近い意味の可愛いだと嫌になるほど自覚している。
どうせ姉様達みたいにはなれないと分かりながら努力し続けるのは辛かった、意地で自分をおまけだなんて思っていない風を装いながら、その実私の心の中は姉達への羨望と妬みだらけだった。
私は外見だけでなく、中身も酷かったのだ。だけどそんな私が変わる切っ掛けがあった、それは貴族学校の入学初日に同じ組になったギュスターヴ様に一目惚れしたことだった。
「私、心からギュスターヴ様をお慕いしています。妻になれて幸せです」
それは私の本心だ。
私はそのために努力した、それこそ死に物狂いで努力し続けた。
一目惚れしたあの日から、三年間もの長い間私は彼を思い続けていたのだ。
どうしても彼に選ばれたかった、片思いで終わらせたくない、絶対彼と結婚したいという野心を掲げ母と姉に指導を受け、誰もが見惚れる立ち居振る舞いと共に、男性を虜にする手練手管を習得した。
必死に学んだのは、彼に女性として意識して好きになって欲しいという一心からだ。
姉達には勝てない、どうせ自分はおまけでしかない。そんな風に拗ねている暇すら無かった。
「ギュスターヴ様、大好きです。こんな風に気持ちを何度も伝えてしまう私を疎ましいと思わないで」
一人で寂しく、たった一晩過ごしただけで私の心は千々に乱れている。
今までの努力はすべて無駄だったのかと、泣き喚きたい気持ちを堪えて一晩一人で過ごしたのだ。
ずっと愛し続けると求婚されたのは夢だったのか、それとも偽りだったのかとぐるぐると考えながら過ごした時間を思えば、「猫に変わる」ってなんなんだと声を上げたくなる。
だけど、ギュスターヴ様を好きだという気持ちは変わっていない。変わらず好きだ、恨めしい気持ちはあってもそれは変わらない。
だって私は、ギュスターヴ様に恋してからそれまで以上に努力した。
肌を綺麗にするため野菜を食べ、大好きなお菓子を食べるのを減らし、美しく歩ける様に訓練し、姿勢良く礼が出来る様に特訓を繰り返した。どんな難しい曲も臆せず踊れる為の練習を繰り返し、見た目が良いだけの馬鹿と言われない様に勉強も頑張った。
どんなに苦しくても努力し続けたのは、ギュスターヴ様に私を選んで欲しかったからだ。
姉様達みたいな美女になれなくても、ギュスターヴ様ただ一人に私が好きだと思って貰えるならいい。それだけが望みで願いだった。
涙ぐましい努力の日々のお陰でギュスターヴ様は私に興味を持ってくださるようになり、とうとう求婚してくれたし、彼は婚約後たった三ヶ月で結婚したいと望んでくださった。
これはもう奇跡としか言いようがない幸運だと、私は思っている。
だからこんなところで躓いて、夫になったギュスターヴ様との間に溝をつくるわけにはいかないし、どんな困った出来事も私達の仲を深める切っ掛けに変えなくてはいけない。
私は、ギュスターヴ様から求婚された時に、彼に興味と愛情を生涯私に向けてもらえるようにすると決めたのだから。
「私、ギュスターブ様に我儘言ったりしませんわ。でもあなたが大好きだからあなたのことはどんな些細なことでも知りたいと思ってしまいますの」
ハンカチも扇も無いから、両手を口元に当てながらちらりと上目遣いに視線を動かす。
「慎ましさの欠片もないと、呆れないでくださいませね、ギュスターヴ様」
ギュスターヴ様は、分かりやすくオロオロとしながら両手を開いたり閉じたりしながら「……可愛すぎるだろ」と呟く。
その呟きに、よし勝ちは見えたとほくそ笑む。
「ギュスターヴ様」
「失敗を知られるのは恥ずかしいけれど聞いてくれるかな?」
「はい、教えてくださいませ」
恐る恐るという雰囲気を漂わせながらギュスターヴ様が私の右手を取り、彼の大きな両手で私の手を包み込む。
夜会でダンスは何度もしているし、エスコートだって何度も何度もして頂いているけれど、寝室のベッドに座ってのこれは、なんというか心臓に良くない。
今、一瞬息が止まりかけた。
そして、多分今の私耳まで赤くなった気がする。だってどうしようもなく、顔が熱いもの!!
これは初めての夫婦の危機、いいえ試練かもしれない。
結婚生活は最初が肝心だと母と姉達も言っていた。
だからここで私が物わかりのいい振りなんてするのは悪手、しっかり追及しなくてはならない。
私は絶対に引かないと決心を固め、姉達の指導の通りに庇護欲をそそる様目を潤ませながらちらりと顔を上げてギュスターヴ様を見つめると、彼の視線は私の目元に向けられているようだった。
泣いてばかりの女に魅力なんてひとつもないけれどね、普段笑顔を絶やさない者が自分にだけ見せる涙には殿方というものは弱いの。自分が守らなければと、そう思わせたら勝ちなのよ。
姉様が教えてくれた時は、そんなことあるだろうかと疑っていたけれどそれは真実なのかもしれないと、身を持って今知った。
「君を泣かせるつもりじゃなかったんだよ、シュテフイーナ」
私に向けられる声も視線も、優しい。
それだけじゃない、どこかその瞳は嬉し気にも見える。
「泣いておりません……わ。私弱くありませんもの、私は……」
一度ギュスターヴ様をじぃっと見てからすぐに視線をそらして、ポロリと涙をこぼしてからまた可愛らしくスンと鼻を鳴らす。
涙を効果的に見せる方法を教えてくれた時、声を上げず大袈裟に泣いたりしないのが良いのだとも教えてくれたのは公爵家の嫡男に強く望まれ嫁いでいった一番上の姉だ。
私は兄が一人姉が二人いるが、姉はどちらも美の女神が戯れに人の振りをしていると言われる程の美女だ。
春の日差しの様に常にほんわかとした印象を与える長女、日頃はキリリと凛々しいけれど笑うとその印象ががらりと変わり庇護欲をそそる次女、二人があまりに社交界で有名過ぎて私は常に女神二人のおまけ扱いだった。
兄と姉達は美女と名高い母似の綺麗系の顔立ちで、私はどちらかと言うと父に似た童顔、おまけに私だけ背が低く華奢すぎる位に細いし胸も小さい。
細いけれど背が高く豊かな旨と細い腰を持った姉二人の後ろを、ちょこちょことひよこの様について歩くのが私だった。
理想を言えば姉達の様に綺麗な顔でメリハリのある体に生まれたかった、母も姉も美女と言われ女神の様な扱いをされているのだから一人だけ仲間外れは辛かった。
顔は変えようがないけれど、体は努力である程度なんとかなるかもしれない。女性らしい魅力的な体になれたら、顔の造作なんて些細なことと笑えるようになるかもしれない。気持ちを切り替え努力したけれど、悲しいかな胸はずっと小さなまま、いくら食べても背は伸びず華奢過ぎると心配され、最後には子栗鼠の様に愛らしいのだからと慰めれる始末。
私はずっと姉達の可愛いおまけ扱いで、麗しの女神の側にいる愛玩動物だった。
童顔と体の小ささも相まっての愛玩動物、私に向けられる可愛いという言葉は小動物に向けて言うのに近い意味の可愛いだと嫌になるほど自覚している。
どうせ姉様達みたいにはなれないと分かりながら努力し続けるのは辛かった、意地で自分をおまけだなんて思っていない風を装いながら、その実私の心の中は姉達への羨望と妬みだらけだった。
私は外見だけでなく、中身も酷かったのだ。だけどそんな私が変わる切っ掛けがあった、それは貴族学校の入学初日に同じ組になったギュスターヴ様に一目惚れしたことだった。
「私、心からギュスターヴ様をお慕いしています。妻になれて幸せです」
それは私の本心だ。
私はそのために努力した、それこそ死に物狂いで努力し続けた。
一目惚れしたあの日から、三年間もの長い間私は彼を思い続けていたのだ。
どうしても彼に選ばれたかった、片思いで終わらせたくない、絶対彼と結婚したいという野心を掲げ母と姉に指導を受け、誰もが見惚れる立ち居振る舞いと共に、男性を虜にする手練手管を習得した。
必死に学んだのは、彼に女性として意識して好きになって欲しいという一心からだ。
姉達には勝てない、どうせ自分はおまけでしかない。そんな風に拗ねている暇すら無かった。
「ギュスターヴ様、大好きです。こんな風に気持ちを何度も伝えてしまう私を疎ましいと思わないで」
一人で寂しく、たった一晩過ごしただけで私の心は千々に乱れている。
今までの努力はすべて無駄だったのかと、泣き喚きたい気持ちを堪えて一晩一人で過ごしたのだ。
ずっと愛し続けると求婚されたのは夢だったのか、それとも偽りだったのかとぐるぐると考えながら過ごした時間を思えば、「猫に変わる」ってなんなんだと声を上げたくなる。
だけど、ギュスターヴ様を好きだという気持ちは変わっていない。変わらず好きだ、恨めしい気持ちはあってもそれは変わらない。
だって私は、ギュスターヴ様に恋してからそれまで以上に努力した。
肌を綺麗にするため野菜を食べ、大好きなお菓子を食べるのを減らし、美しく歩ける様に訓練し、姿勢良く礼が出来る様に特訓を繰り返した。どんな難しい曲も臆せず踊れる為の練習を繰り返し、見た目が良いだけの馬鹿と言われない様に勉強も頑張った。
どんなに苦しくても努力し続けたのは、ギュスターヴ様に私を選んで欲しかったからだ。
姉様達みたいな美女になれなくても、ギュスターヴ様ただ一人に私が好きだと思って貰えるならいい。それだけが望みで願いだった。
涙ぐましい努力の日々のお陰でギュスターヴ様は私に興味を持ってくださるようになり、とうとう求婚してくれたし、彼は婚約後たった三ヶ月で結婚したいと望んでくださった。
これはもう奇跡としか言いようがない幸運だと、私は思っている。
だからこんなところで躓いて、夫になったギュスターヴ様との間に溝をつくるわけにはいかないし、どんな困った出来事も私達の仲を深める切っ掛けに変えなくてはいけない。
私は、ギュスターヴ様から求婚された時に、彼に興味と愛情を生涯私に向けてもらえるようにすると決めたのだから。
「私、ギュスターブ様に我儘言ったりしませんわ。でもあなたが大好きだからあなたのことはどんな些細なことでも知りたいと思ってしまいますの」
ハンカチも扇も無いから、両手を口元に当てながらちらりと上目遣いに視線を動かす。
「慎ましさの欠片もないと、呆れないでくださいませね、ギュスターヴ様」
ギュスターヴ様は、分かりやすくオロオロとしながら両手を開いたり閉じたりしながら「……可愛すぎるだろ」と呟く。
その呟きに、よし勝ちは見えたとほくそ笑む。
「ギュスターヴ様」
「失敗を知られるのは恥ずかしいけれど聞いてくれるかな?」
「はい、教えてくださいませ」
恐る恐るという雰囲気を漂わせながらギュスターヴ様が私の右手を取り、彼の大きな両手で私の手を包み込む。
夜会でダンスは何度もしているし、エスコートだって何度も何度もして頂いているけれど、寝室のベッドに座ってのこれは、なんというか心臓に良くない。
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