【完結済み】乙男な僕はモブらしく生きる

木嶋うめ香

文字の大きさ
69 / 119
本編

嫌味を言われる理由は?

しおりを挟む
「更衣室は確かに違うが、俺は何も知らなかったのか」

 不機嫌そうな声がして、思わず体を震わせてしまう。
もしかして、僕なにか悪いこと言ったのかな。

「千晴様、まさか山城様に何もお話しされていなかってのですか?」
「え、あの。駄目だったのかな」

 大林君に言われて狼狽える。
 だってあの頃はちゃんと友達ですらなかったし、それで他の人から嫌味言われてるって告げ口するのはどうなんだろうと思うんだけど。

「ハル」
「はい」
「ハルの状況を知らなかった俺が、今更何を言っても遅いんだが言わせてくれ」
「えーと、はい」

 僕の気持ちを悟ったのか雅に低い声でそう言われ、真剣に話を聞きますとばかりに、僕は姿勢を正して雅の方を向く。

「供を付けるが、ハルが立場を理解してくれないのは困る。今後はどんな些細な事でも教えてくれ。誰かに何か嫌味を言われたでも何でもいいから、悪意を感じる様な出来事は全部だ」
「告げ口みたいで嫌だけど、言わないと駄目かな」

 そんなのいちいち話してたらキリがないよ。
 昔よりは減ったけど、舞と一緒だと更に凄いことになるし。

「以前から不思議でしたが、千晴様はあまり気になさらないのですね」
「気にならないわけじゃないけれど、事実だったりするから言われても仕方ないかなあって思ってたかな?」

 雅が僕に優しくしてたのが気に入らなかったんだろう、雅の目が届かない場所で僕は嫌味を言われていた時がある。
 今もたまにあるけど、昔ほどじゃない。
たけど、あの人達は木村君みたいに露骨に僕に何かしてくるわけじゃなく。
 ただ、貧相な顔立ちだとか、山城様の隣にいるには地味だとか正しいこと言ってるから、そうだよねと納得しているところはある。

「事実とは?」

 頭痛を堪える様に額に手を当てながら、大林君が聞いてくる。

「ええと、地味顔とか貧相な体型とか?」
「そんな酷いことを言われていたのか」
「え、でも。僕地味顔だし、痩せすぎなのは健康診断でも指摘されてたし。大林君は綺麗系な美人さんだから羨ましいよ」

 髪や肌の手入れを怠ったりはしてないけれど、元々がイベント要員のモブなんだから、それなりの顔でしかないのは確かなんだよね。
 同じモブ的立場なのに、あの人達綺麗系とか可愛い系なんだよねえ。僕ももうちょっとマシな顔になりたかったよ。

「千晴様、それは勘違いされずぎです」
「勘違い?」
「千晴様は可愛らしいお顔立ちをされていらっしゃいますし、貧相等でもありませんよ」
「可愛いっていうのは、木村君みたいな人を言うんじゃないかな。まああの人も今はあちこちから嫌味言われてるみたいだけど」

 木村君は僕の比じゃないくらい嫌味を言われているけれど、あの人の場合は自分からそうしてる雰囲気あるし、僕に色々絡んでくるしで、庇う気にはなれないけど。

「ハルは自己評価が低すぎる」

 雅まで大林君と同じ格好で、二人して額に手を当て首を横に振ったのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

私の庇護欲を掻き立てるのです

まめ
BL
ぼんやりとした受けが、よく分からないうちに攻めに囲われていく話。

平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。

しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。 基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。 一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。 それでも宜しければどうぞ。

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。 名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。 そんな彼には「推し」がいる。 それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。 実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。 終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。 本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。 (番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)

最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。 2023.04.03 閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m お待たせしています。 お待ちくださると幸いです。 2023.04.15 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m 更新頻度が遅く、申し訳ないです。 今月中には完結できたらと思っています。 2023.04.17 完結しました。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます! すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。

無能の騎士~退職させられたいので典型的な無能で最低最悪な騎士を演じます~

紫鶴
BL
早く退職させられたい!! 俺は労働が嫌いだ。玉の輿で稼ぎの良い婚約者をゲットできたのに、家族に俺には勿体なさ過ぎる!というので騎士団に入団させられて働いている。くそう、ヴィがいるから楽できると思ったのになんでだよ!!でも家族の圧力が怖いから自主退職できない! はっ!そうだ!退職させた方が良いと思わせればいいんだ!! なので俺は無能で最悪最低な悪徳貴族(騎士)を演じることにした。 「ベルちゃん、大好き」 「まっ!準備してないから!!ちょっとヴィ!服脱がせないでよ!!」 でろでろに主人公を溺愛している婚約者と早く退職させられたい主人公のらぶあまな話。 ーーー ムーンライトノベルズでも連載中。

処理中です...