45 / 73
先生になりました
しおりを挟む
勉強を始めて暫くすると、最初は緊張していた子供達もだんだんと私達に打ち解けてきた。
「フローラ先生ー!これはあってる?」
「リュート先生~!これはなんて読むの?」
「チビ先生!ここ難しいよ!」
おいっ!なんで私だけ名前じゃない?
……まあいいか。
「はいはーい、どこですかー?」
子供達が楽しそうに字の勉強をしているのは、とても良い光景ではないですか!
私がウンウンと満足げに頷いていると、
「だからお前も子供だろ」って龍斗さんに頭へチョップされた。
いいんだもん!今日の私は先生(の補佐 )なんだからね!
そんなこんなで初日の勉強時間は無事に終わり、今は子供達と仲良くなる為に教会の中庭で遊んでいる。
「ねえ、これどうやって折るの?」
「これはねえ、ここをこうやって折るんだよ。」
「わあ!すごーい!」
私の周りには紙が散らばっている。
文字の練習をした後の紙を正方形に切って折り紙として再利用してるんだ。
だってこの国、折り紙が無いんだもん。無い物は作るしかないよね?
私はせっせと鶴を折ったり、手裏剣を折ったりして子供達にプレゼントしたり、折り方を教えてあげたりしている。
昔、幼稚園でひたすら折って遊んでた時期があったんだよね。折り方覚えていて良かった。エライぞ、私!!
ふと、視線を感じて顔を上げると、中庭の端の方で例の双子がこっちを見ていた。
女の子の方は興味津々といったように、男の子の方は見るというよりメッチャ睨んでるけどね。
さっきの勉強時間中も双子が部屋に戻って来る事は無くて、どこにいっちゃったのかと思ってたら中庭にいたんだ。
「おーい。一緒にやらない?」
私は正方形に切った紙をヒラヒラさせながら双子に声をかけた。
「え、い、いいの?」
「もちろんだよ~!」
目を輝かせる女の子に私は笑顔で答える。
女の子は嫌がる男の子を半ば強引に引き摺ってこっちに近付いて来た。
地面に直に座り込んでいる私の横まで来ると、紙を受け取って私と向かい合わせに座った。
渋々ながらも女の子の言う通りにしてあげている男の子に苦笑していると、何か言いたそうにしている女の子に気付く。
「どうしたの?」
「い、いいえ、あの、高そうな服でこんな地面に直接座ってたら、汚れちゃうと思って……。」
私の服を指差して恐る恐る言う女の子に私は首を傾げる。
「え?これくらい洗えば落ちるから大丈夫だよ。それに、汚れるのを気にしてたら楽しく遊べないじゃん。」
私がそう言うと、女の子だけじゃなくて男の子まで目を丸くして私を見た。
えー?なんで?
「彩菜ー。それは普通、貴族のご令嬢がする事じゃねえからな。」
少し離れた所で男の子達に紙飛行機を折ってあげている龍斗さんが可笑しそうに笑って言った。
そうか、ヤバイ!
私がお母様の様子をチラッと伺うと、お母様は木陰で神父様とこちらを見て微笑んでいた。
良かった。許してくれてるみたい。
「いつも洗ってくれている人達に感謝しなくてはいけませんよ。」
「はーい。」
本当にそうだよね。帰ったら、家で働いてくれている人達にきちんとお礼を言わないと!
「と、いう訳で大丈夫だったから一緒に遊ぼう。」
仕切り直して2人を見れば、2人はそんな私を見て同時に吹き出して笑った。
おお、さすが双子!……じゃなくて、なんで笑うのさ。男の子なんて、さっきまで私のこと睨んでいたじゃないか。
「お前、面白いな。全然貴族のお嬢様っぽくないじゃん。」
「お前じゃないよ。彩菜だよ。」
私は話しながらせっせと手を動かす。
「アヤナちゃん?」
「ちゃんとかもいらないよ。私の方が年下なんだし。」
「ハハハッ!お前……アヤナは本当に変な奴だな。……俺はテックだ。その……さっきは部屋に行かなくて悪かったな。」
テックは再び笑うと、ちょっと気まずそうに、それでもちゃんと私を見て謝ってくれた。
「私はパルラ!あの、私もごめんなさい!今度からしっかり勉強するから……だからアヤナと一緒に遊んでいい?」
パルラも必死に謝ってくれる。
なんだなんだ、2人ともとっても素直で良い子たちではないか。
私はニッコリ笑って折った鶴を2人の前に差し出した。
「はい、あげる。友達の印だよ。テック、パルラ、これからよろしくね!一緒に遊ぼう!」
鶴を受け取ってくれた2人の顔は真っ赤になって照れていて、私より年上だけどとっても可愛い。
私もお友達が出来て嬉しいよ!!
少し離れた場所でシスターと話している龍斗さんと目が合う。
「ふふっ。アヤナさんは人の心を掴むのがお上手ですね。」
「あ~、彩菜は天然人たらしですから……。」
何話してるのか分からないけど、龍斗さんもシスターと仲良くなったのかな?
ブンブンと大きく手を振ると、龍斗さんは苦笑しながらも手をヒラヒラと振り返してくれた。
私は教会で、双子のお友達をゲットしました。
「フローラ先生ー!これはあってる?」
「リュート先生~!これはなんて読むの?」
「チビ先生!ここ難しいよ!」
おいっ!なんで私だけ名前じゃない?
……まあいいか。
「はいはーい、どこですかー?」
子供達が楽しそうに字の勉強をしているのは、とても良い光景ではないですか!
私がウンウンと満足げに頷いていると、
「だからお前も子供だろ」って龍斗さんに頭へチョップされた。
いいんだもん!今日の私は先生(の補佐 )なんだからね!
そんなこんなで初日の勉強時間は無事に終わり、今は子供達と仲良くなる為に教会の中庭で遊んでいる。
「ねえ、これどうやって折るの?」
「これはねえ、ここをこうやって折るんだよ。」
「わあ!すごーい!」
私の周りには紙が散らばっている。
文字の練習をした後の紙を正方形に切って折り紙として再利用してるんだ。
だってこの国、折り紙が無いんだもん。無い物は作るしかないよね?
私はせっせと鶴を折ったり、手裏剣を折ったりして子供達にプレゼントしたり、折り方を教えてあげたりしている。
昔、幼稚園でひたすら折って遊んでた時期があったんだよね。折り方覚えていて良かった。エライぞ、私!!
ふと、視線を感じて顔を上げると、中庭の端の方で例の双子がこっちを見ていた。
女の子の方は興味津々といったように、男の子の方は見るというよりメッチャ睨んでるけどね。
さっきの勉強時間中も双子が部屋に戻って来る事は無くて、どこにいっちゃったのかと思ってたら中庭にいたんだ。
「おーい。一緒にやらない?」
私は正方形に切った紙をヒラヒラさせながら双子に声をかけた。
「え、い、いいの?」
「もちろんだよ~!」
目を輝かせる女の子に私は笑顔で答える。
女の子は嫌がる男の子を半ば強引に引き摺ってこっちに近付いて来た。
地面に直に座り込んでいる私の横まで来ると、紙を受け取って私と向かい合わせに座った。
渋々ながらも女の子の言う通りにしてあげている男の子に苦笑していると、何か言いたそうにしている女の子に気付く。
「どうしたの?」
「い、いいえ、あの、高そうな服でこんな地面に直接座ってたら、汚れちゃうと思って……。」
私の服を指差して恐る恐る言う女の子に私は首を傾げる。
「え?これくらい洗えば落ちるから大丈夫だよ。それに、汚れるのを気にしてたら楽しく遊べないじゃん。」
私がそう言うと、女の子だけじゃなくて男の子まで目を丸くして私を見た。
えー?なんで?
「彩菜ー。それは普通、貴族のご令嬢がする事じゃねえからな。」
少し離れた所で男の子達に紙飛行機を折ってあげている龍斗さんが可笑しそうに笑って言った。
そうか、ヤバイ!
私がお母様の様子をチラッと伺うと、お母様は木陰で神父様とこちらを見て微笑んでいた。
良かった。許してくれてるみたい。
「いつも洗ってくれている人達に感謝しなくてはいけませんよ。」
「はーい。」
本当にそうだよね。帰ったら、家で働いてくれている人達にきちんとお礼を言わないと!
「と、いう訳で大丈夫だったから一緒に遊ぼう。」
仕切り直して2人を見れば、2人はそんな私を見て同時に吹き出して笑った。
おお、さすが双子!……じゃなくて、なんで笑うのさ。男の子なんて、さっきまで私のこと睨んでいたじゃないか。
「お前、面白いな。全然貴族のお嬢様っぽくないじゃん。」
「お前じゃないよ。彩菜だよ。」
私は話しながらせっせと手を動かす。
「アヤナちゃん?」
「ちゃんとかもいらないよ。私の方が年下なんだし。」
「ハハハッ!お前……アヤナは本当に変な奴だな。……俺はテックだ。その……さっきは部屋に行かなくて悪かったな。」
テックは再び笑うと、ちょっと気まずそうに、それでもちゃんと私を見て謝ってくれた。
「私はパルラ!あの、私もごめんなさい!今度からしっかり勉強するから……だからアヤナと一緒に遊んでいい?」
パルラも必死に謝ってくれる。
なんだなんだ、2人ともとっても素直で良い子たちではないか。
私はニッコリ笑って折った鶴を2人の前に差し出した。
「はい、あげる。友達の印だよ。テック、パルラ、これからよろしくね!一緒に遊ぼう!」
鶴を受け取ってくれた2人の顔は真っ赤になって照れていて、私より年上だけどとっても可愛い。
私もお友達が出来て嬉しいよ!!
少し離れた場所でシスターと話している龍斗さんと目が合う。
「ふふっ。アヤナさんは人の心を掴むのがお上手ですね。」
「あ~、彩菜は天然人たらしですから……。」
何話してるのか分からないけど、龍斗さんもシスターと仲良くなったのかな?
ブンブンと大きく手を振ると、龍斗さんは苦笑しながらも手をヒラヒラと振り返してくれた。
私は教会で、双子のお友達をゲットしました。
126
あなたにおすすめの小説
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします
タマ マコト
ファンタジー
革命前夜の王国で、公爵令嬢レティシアは盛大な舞踏会の場で王太子アルマンから一方的に婚約を破棄され、社交界の嘲笑の的になる。その瞬間、彼女は“日本の歴史オタク女子大生”だった前世の記憶を思い出し、この国が数年後に血塗れの革命で滅びる未来を知ってしまう。
悪役令嬢として嫌われ、切り捨てられた自分の立場と、公爵家の権力・財力を「運命改変の武器」にすると決めたレティシアは、貧民街への支援や貴族の不正調査をひそかに始める。その過程で、冷静で改革派の第二王子シャルルと出会い、互いに利害と興味を抱きながら、“歴史に逆らう悪役令嬢”として静かな反撃をスタートさせていく。
【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした
きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。
全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。
その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。
失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。
【完結90万pt感謝】大募集! 王太子妃候補! 貴女が未来の国母かもしれないっ!
宇水涼麻
ファンタジー
ゼルアナート王国の王都にある貴族学園の玄関前には朝から人集りができていた。
女子生徒たちが色めき立って、男子生徒たちが興味津々に見ている掲示物は、求人広告だ。
なんと求人されているのは『王太子妃候補者』
見目麗しい王太子の婚約者になれるかもしれないというのだ。
だが、王太子には眉目秀麗才色兼備の婚約者がいることは誰もが知っている。
学園全体が浮足立った状態のまま昼休みになった。
王太子であるレンエールが婚約者に詰め寄った。
求人広告の真意は?広告主は?
中世ヨーロッパ風の婚約破棄ものです。
お陰様で完結いたしました。
外伝は書いていくつもりでおります。
これからもよろしくお願いします。
表紙を変えました。お友達に描いていただいたラビオナ嬢です。
彼女が涙したシーンを思い浮かべ萌えてますwww
契約結婚のはずが、気づけば王族すら跪いていました
言諮 アイ
ファンタジー
――名ばかりの妻のはずだった。
貧乏貴族の娘であるリリアは、家の借金を返すため、冷酷と名高い辺境伯アレクシスと契約結婚を結ぶことに。
「ただの形式だけの結婚だ。お互い干渉せず、適当にやってくれ」
それが彼の第一声だった。愛の欠片もない契約。そう、リリアはただの「飾り」のはずだった。
だが、彼女には誰もが知らぬ “ある力” があった。
それは、神代より伝わる失われた魔法【王威の審判】。
それは“本来、王にのみ宿る力”であり、王族すら彼女の前に跪く絶対的な力――。
気づけばリリアは貴族社会を塗り替え、辺境伯すら翻弄し、王すら頭を垂れる存在へ。
「これは……一体どういうことだ?」
「さあ? ただの契約結婚のはずでしたけど?」
いつしか契約は意味を失い、冷酷な辺境伯は彼女を「真の妻」として求め始める。
――これは、一人の少女が世界を変え、気づけばすべてを手に入れていた物語。
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
【コミカライズ決定】愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
【コミカライズ決定の情報が解禁されました】
※レーベル名、漫画家様はのちほどお知らせいたします。
※配信後は引き下げとなりますので、ご注意くださいませ。
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる