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友達は大切なんです
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人の姿も港も見えなくなり、目の前には陽の光がキラキラと反射して輝く水面が広がるだけになってしまった。
それでも、私は動く事が出来ずにいた。
風に吹かれてボ~ッと海を眺めていると、隣で船の手摺りに肘を突きながら、私と同じく海に目を向けている龍斗さんが深く息を吐く。
「彩菜」
不意に名前を呼ばれて、私は顔だけ龍斗さんの方へ向ける。
龍斗さんは、いつになく真剣な表情で私を見ていた。
『これからは、何かあったら俺を頼れよ。イヤ、何か無くても、不安に思ったり心配事があれば、どんな些細なことでも俺に言えよ?勝手に1人で悩みを抱え込むんじゃねえぞ。』
『ふふっ。龍斗さん、お父さんみたいだね。』
『おうよ。コトネオールにいる間、俺は彩菜の親代わりだからな。父親にも、母親にでもなってやるよ。』
風に靡いて乱れる私の髪を、龍斗さんが優しく梳かして目を細める。
『……取り敢えず、あのルイスって宰相は気を付けろよ。いつも飄々とした態度で、何考えてるのか全く読めねえ。テックの為なら何でもやりそうだしな。』
『そう?王太子が発見されたから、嬉しくて大切にしてあげたいだけなんじゃないの?あんなに綺麗な王子様とお姫様が現れたら、私だって嬉しいし、優しくしてあげたいもんね!』
龍斗さんが眉尻を下げて、残念な子を見るような目で私を見つめる。
ーー何でよ!?
『皆が皆、彩菜みたいな考えの奴ばっかりだったら、この世界は平和なんだろうなぁ。』
『……馬鹿にしてるでしょ。』
『してないしてない。』
私がプクッと頬を膨らませると、龍斗さんはクックッと笑って膨れた頬を楽しそうに突く。
『まあ、用心するに越した事はねえから、これから2人で話す時は日本語で話そうと思うんだけど、いいか?』
『うん、龍斗さんがそう思うなら、私もそれがいいと思う。』
何に用心するのか私にはよく分からないけど、龍斗さんがそう言うのなら、多分それが正解だと思うから。
ニッコリ笑って即答する私を見て、龍斗さんが目を瞠り『俺に対する信頼感ハンパねえ。』と、破顔する。
『……彩菜は本当に出会った頃から変わらねえなあ。彩菜の目には、俺はどんだけ良い人間に映ってるんだよ。俺のこと好き過ぎるだろ。』
『えー?好きに決まってるじゃん。龍斗さんはもう、私の家族なんだから。信頼しない方がおかしいよ。』
当たり前でしょー?って首を傾げると、龍斗さんは嬉しそうに笑って私の頭をガシガシと撫でた。
「とっても楽しそうだね。」
後ろから声がして龍斗さんと同時に振り返る。後ろの通路を、テックとパルラが並んでこっちに来ていた。
「思いのほか、アヤナが元気で安心したよ。ずっとここに居ては冷えるから、そろそろ中に入らない?」
私に向かって差し出されるテックの手を、龍斗さんがヤンワリ押し退けて私の肩を抱く。
「そうだな。そろそろ部屋に入るか。俺と彩菜の部屋は一緒なんだよな?」
「もちろん。来る前に出された条件通りにしてあるよ。」
「じゃあ行くか~。」
龍斗さんが私の肩を抱いたまま、手をヒラヒラさせて部屋に向かう。
「リュートさん。」
後ろから、再びテックに呼び止められた。
後ろを振り向いて見たテックの顔は、辛そうに歪んでいる。
「怒ってる?俺が強引にアヤナを連れて行こうとしてるから……。俺達、どうしても心細くて……悪いと思ってるけど、力を貸して欲しいんだ。」
「怒ってねえよ。」
「本当に?俺はリュートさんも好きだから、アヤナと一緒に来てくれて嬉しいんだ。だから、リュートさんに嫌われると悲しい……。」
「だからっ!怒ってねえし、嫌ってもいねえよ。ある意味、お前達も被害者だからな。」
龍斗さんはテックのおでこに手を伸ばして軽くデコピンをした。
テックはおでこを摩りながらホッとした表情を見せる。
「まあ、お前達のお国事情にアヤナを巻き込んだのは気に食わねえけど。行くからにはテックとパルラがコトネオールに早く馴染めるように精一杯協力させてもらうさ。お前達も、王族なんて大変だと思うが、頑張れよ!」
「「うん!!」」
ニッと笑って2人の頭をガシガシ撫でる龍斗さんに、2人は安堵の表情を見せると、嬉しそうに微笑んだ。
2人とも、龍斗さんが大好きだもんね。
ずっと緊張したような2人の硬い表情が和らいでよかったよ。
私もニッコリ微笑む。
「何が出来るか分からないけど、2人の力になれるように、私も頑張るからね。みんなで一緒に頑張ろう!!」
私が拳を突き上げ、オーッ!って気合いを入れたら、みんなに笑われた。
何さっ!私は真剣だぞっ!!
プンプンと怒って今度は両手を突き上げれば、またみんなに笑われる。
船には、暫く私達の笑い声が響いていた。
これから、どんな事があるか想像もつかない。考えれば考えるほど大きな不安が押し寄せてくる。
ーーでも、笑う事でみんなが少しでも元気になれるのなら、私は笑っていよう。
ここまで来たからには、お友達が笑顔でいられる未来の為に、一生懸命頑張るぞー!!
それでも、私は動く事が出来ずにいた。
風に吹かれてボ~ッと海を眺めていると、隣で船の手摺りに肘を突きながら、私と同じく海に目を向けている龍斗さんが深く息を吐く。
「彩菜」
不意に名前を呼ばれて、私は顔だけ龍斗さんの方へ向ける。
龍斗さんは、いつになく真剣な表情で私を見ていた。
『これからは、何かあったら俺を頼れよ。イヤ、何か無くても、不安に思ったり心配事があれば、どんな些細なことでも俺に言えよ?勝手に1人で悩みを抱え込むんじゃねえぞ。』
『ふふっ。龍斗さん、お父さんみたいだね。』
『おうよ。コトネオールにいる間、俺は彩菜の親代わりだからな。父親にも、母親にでもなってやるよ。』
風に靡いて乱れる私の髪を、龍斗さんが優しく梳かして目を細める。
『……取り敢えず、あのルイスって宰相は気を付けろよ。いつも飄々とした態度で、何考えてるのか全く読めねえ。テックの為なら何でもやりそうだしな。』
『そう?王太子が発見されたから、嬉しくて大切にしてあげたいだけなんじゃないの?あんなに綺麗な王子様とお姫様が現れたら、私だって嬉しいし、優しくしてあげたいもんね!』
龍斗さんが眉尻を下げて、残念な子を見るような目で私を見つめる。
ーー何でよ!?
『皆が皆、彩菜みたいな考えの奴ばっかりだったら、この世界は平和なんだろうなぁ。』
『……馬鹿にしてるでしょ。』
『してないしてない。』
私がプクッと頬を膨らませると、龍斗さんはクックッと笑って膨れた頬を楽しそうに突く。
『まあ、用心するに越した事はねえから、これから2人で話す時は日本語で話そうと思うんだけど、いいか?』
『うん、龍斗さんがそう思うなら、私もそれがいいと思う。』
何に用心するのか私にはよく分からないけど、龍斗さんがそう言うのなら、多分それが正解だと思うから。
ニッコリ笑って即答する私を見て、龍斗さんが目を瞠り『俺に対する信頼感ハンパねえ。』と、破顔する。
『……彩菜は本当に出会った頃から変わらねえなあ。彩菜の目には、俺はどんだけ良い人間に映ってるんだよ。俺のこと好き過ぎるだろ。』
『えー?好きに決まってるじゃん。龍斗さんはもう、私の家族なんだから。信頼しない方がおかしいよ。』
当たり前でしょー?って首を傾げると、龍斗さんは嬉しそうに笑って私の頭をガシガシと撫でた。
「とっても楽しそうだね。」
後ろから声がして龍斗さんと同時に振り返る。後ろの通路を、テックとパルラが並んでこっちに来ていた。
「思いのほか、アヤナが元気で安心したよ。ずっとここに居ては冷えるから、そろそろ中に入らない?」
私に向かって差し出されるテックの手を、龍斗さんがヤンワリ押し退けて私の肩を抱く。
「そうだな。そろそろ部屋に入るか。俺と彩菜の部屋は一緒なんだよな?」
「もちろん。来る前に出された条件通りにしてあるよ。」
「じゃあ行くか~。」
龍斗さんが私の肩を抱いたまま、手をヒラヒラさせて部屋に向かう。
「リュートさん。」
後ろから、再びテックに呼び止められた。
後ろを振り向いて見たテックの顔は、辛そうに歪んでいる。
「怒ってる?俺が強引にアヤナを連れて行こうとしてるから……。俺達、どうしても心細くて……悪いと思ってるけど、力を貸して欲しいんだ。」
「怒ってねえよ。」
「本当に?俺はリュートさんも好きだから、アヤナと一緒に来てくれて嬉しいんだ。だから、リュートさんに嫌われると悲しい……。」
「だからっ!怒ってねえし、嫌ってもいねえよ。ある意味、お前達も被害者だからな。」
龍斗さんはテックのおでこに手を伸ばして軽くデコピンをした。
テックはおでこを摩りながらホッとした表情を見せる。
「まあ、お前達のお国事情にアヤナを巻き込んだのは気に食わねえけど。行くからにはテックとパルラがコトネオールに早く馴染めるように精一杯協力させてもらうさ。お前達も、王族なんて大変だと思うが、頑張れよ!」
「「うん!!」」
ニッと笑って2人の頭をガシガシ撫でる龍斗さんに、2人は安堵の表情を見せると、嬉しそうに微笑んだ。
2人とも、龍斗さんが大好きだもんね。
ずっと緊張したような2人の硬い表情が和らいでよかったよ。
私もニッコリ微笑む。
「何が出来るか分からないけど、2人の力になれるように、私も頑張るからね。みんなで一緒に頑張ろう!!」
私が拳を突き上げ、オーッ!って気合いを入れたら、みんなに笑われた。
何さっ!私は真剣だぞっ!!
プンプンと怒って今度は両手を突き上げれば、またみんなに笑われる。
船には、暫く私達の笑い声が響いていた。
これから、どんな事があるか想像もつかない。考えれば考えるほど大きな不安が押し寄せてくる。
ーーでも、笑う事でみんなが少しでも元気になれるのなら、私は笑っていよう。
ここまで来たからには、お友達が笑顔でいられる未来の為に、一生懸命頑張るぞー!!
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