ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里

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心も体も成長しました!

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…………最近、服がきつく感じる。

ここ何日か、朝起きていつもの服に着替えると、少し違和感を覚えた。

……ちょっと窮屈になってる?


前は、夜ご飯を作ってもらえず食べていなかったけど、今は毎日三食、サイラスがきちんと用意してくれている。

お陰で体重も増えたと思う。

サイラスがこの頃よく「プニプニしてきたね」と、私の頬を嬉しそうに突っつくし。

こんな感じで体重が増えれば、そりゃ着ていた服もきつくなるよね。

それに、きっと身長も伸びてるだろうし、当たり前と言えば当たり前なんだけど。


…………ちょっときつくても、まだ着られるし、いいや。


そう思って、いつものように着てサイラスと一緒に鳥の卵を拾いに行く。

鳥小屋の扉を開けて中に入ると、沢山の卵が産み落とされていた。


「きょうも、たいりょうだねー!」

「そうだね。あ、そこにも卵があるから気をつけて。」

「はーい。」


指差された場所には、卵が2個落ちていた。

サイラスに返事をし、しゃがんで卵に両手を伸ばす。


ビリッ!!


手を伸ばしたと同時に、スゴイ音が鳥小屋に響いた。


…………あ~、なんかヤバイかも…………。


「何!?何の音!?」


サイラスが驚いて辺りをキョロキョロ見渡している。

そんなサイラスを、動けない私は冷や汗をかきながら横目に見た。


「ユーカ?」


手を伸ばした状態で動かない私を不審に思ったのか、サイラスが屈んで私を覗き込む。

サイラスと目が合ってしまった私は、仕方なく、顔を引き攣らせながらエヘヘと、笑って見せた。

その途端、私の様子がおかしいのに気付いたサイラスが、私の体をヒョイッと持ち上げて起立させる。


「どうしたのユーカ?さっきのアレは何の音?」

「…………さ、さあ?」


屈み込んで私と目線を合わせようとするサイラスに、私は視線を逸らし続けて曖昧な返事をする。


「ユーカ、クルッと回ってみて。」


何かを察したサイラスに回れと言われ、その場でゆっくりと一回転して見せた。

ジッと私を見ていたサイラスが、また口を開く。


「じゃあ、今度はバンザイしてみて。」

「…………」

「ユーカ?」


サイラスに促されても、私は直立不動のまま、ピクリとも動かなかった。

そんな私の態度に、見る見るうちにサイラスの表情が険しくなる。


「…………ユーカ。」


ーーあ、これ駄目なヤツだ。


いつもより低いサイラスの声に、私は瞬時に危機を悟った。


「バンザイ。」

「はいっ!!」


凍えそうなほど冷たいサイラスの声に、私は震え上がって両手をバッと上げた。

そして、サイラスに見つかってしまった。

さっきの、音の原因を。


「ユーカ……もしかして、服がもう小さくなってた?」

「ち、ちがうのっ!あ、ちがわなくて、たしかにちいさいんだけど、まだまだきれるし、わたしも、ちいさいとかきにならなかったし!」

「…………ごめん。俺…………全然気付けなかった。」


上げられた手の脇は、両方ともビリビリに破れ、肌がバッチリ見えてしまうほどだった。

たちまち眉尻を下げ、シュンとするサイラス。

ああ、違うのに!!

サイラスのせいとかじゃ全然無いのに、そんなに落ち込まないでよ~!!


ショックを受けているサイラスにどうしていいかオロオロしていると、ガシッと力強く腕をサイラスに掴まれた。


「…………今すぐ買いに行こう。」

「え?」

「ユーカの新しい服、今すぐ買いに行こう。」

「え?え?」


急展開にプチパニックな私を、サイラスがズルズルと引き摺って鳥小屋から家に戻る。

あっという間に出掛ける準備を終えたサイラスは、私にフード付きのマントを被せるとサッと部屋を出て行き、すぐに狼の姿になって戻ってきた。


「さあ、出掛けよう。ユーカは俺の背中に乗って。」

「え?……え?」


急展開に思考回路がフリーズしてしまった私をヒョイッと背中に乗せ、サイラスが家の扉を開ける。



「出発。しっかり掴まっとけよ。」


茫然とする私を乗せて、サイラスは勢いよく走り出した。





ーーーーえ?…………え~~~!?




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