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サイラスは有望株
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暫くして、サイラスに抱っこされたまま服屋に着いた。
服屋に着くまでに、だいぶ落ち着きはしたけど、気分の沈んだ状態で店の扉前に立つ。
さすがに抱っこされたまま店の中に入るのは恥ずかしいから店の前で下ろしてもらったので、サイラスと手を繋いで中に入った。
店内に入ると、中には所狭しと服が沢山並べられていた。
服だけじゃなく、帽子や鞄、靴、アクセサリー類等も、店内の脇に種類豊富に取り揃えてあり、なかなかの大型店舗。
キラキラと輝いて見える商品達を前にして、私のテンションが一気に上がった。
服も、赤ちゃん用から大人の女の人、男の人用のモノまで色々置いてある。
「今着れるのと、少し大きめのモノも一着買っておこう。ユーカはどういうのが好き?」
サイラスが私に合うサイズの服を物色して、私の体に服をあてる。
サイラスも今は険しい表情ではなくて、真剣に私の服を選んでくれていて、そのことにも少しホッとした。
「おおきめのふくが、一つあればいいよ。」
「何で?いいよ、2着買おうよ。」
「ううん。いらない。」
頑なに拒否する私を見つめて、サイラスが眉間に皺を寄せる。
「もしかして、俺に遠慮してるの?」
「…………してない。」
「してるじゃん。」
「ほんとに、してない。これだけでいいよ。このふくがきにいったんだもん。」
私は店内の脇に置かれているマネキンを指差して言った。
マネキンは、ロング丈のワンピースを着ていて、サイズも私より少し大きめかな?というくらいだと思う。
ゆったりとした感じのこのワンピースなら、私が多少成長しても長く着られるだろう。
作りはシンプルで可愛いとは言い難いけど、シンプルなデザインの方が大きくなっても着ていて違和感はないはず。
サイラスはマネキンと私を交互に見て何か言いたげだったけど、ハァと、小さく溜息を吐いて、それ以上何も言わなかった。
「分かったよ。服はこれだけにして靴を買おう。」
私の返事を聞く前に、サイラスはスタスタと靴が置いてある一角に移動し、素早く私の足に何足か靴を履かせてサイズを確認していく。
そしてパパッと靴を選んでレジに持って行くと、これまた手早くマネキンが着ていたワンピースを脱がせて、レジで待つ店員さんに手渡した。
お会計の途中、何かに気づいたサイラスが恥ずかしそうにゴニョゴニョ店員さんに話をすると、店員さんはちょっと苦笑しつつ頷いてレジから離れて売り場へと行く。
サイラスの声が小さ過ぎて何を言っていたのか分からなかったけど、店員さんが戻って来て、サイラスが恥ずかしそうだったのに納得した。
店員さんが手に持っていたのは、女の子用の下着だったから。
サイラスってば、よく気づいてくれました。
下着の替えが無いっていうのは、やっぱり不便だったもんね。
夜、サイラスが服と一緒に洗濯してくれていたけど、替えが無いから、夜寝る時はいつもノーパン…………さすがに5歳児でも抵抗があったので…………下着は拒否しないで、有り難く買ってもらうことにしよう。
気遣いも出来て、料理も出来て、優しくて、イケメンで。
サイラスは将来有望だね。
きっと大人になったら、すぐに良いお嫁さんをゲット出来るんだろうなぁ。
…………それまでは、私が側にいてもいいかな。
その時がきたら、ちゃんと側を離れるから。
…………それまでは、側にいさせてね?
顔を赤くしながらお会計をしているサイラスの横顔を見上げて、まだ起きてもいない未来の…………でも、確実に来るであろう未来を思って少し寂しくなってしまったのは、サイラスには内緒。
服屋に着くまでに、だいぶ落ち着きはしたけど、気分の沈んだ状態で店の扉前に立つ。
さすがに抱っこされたまま店の中に入るのは恥ずかしいから店の前で下ろしてもらったので、サイラスと手を繋いで中に入った。
店内に入ると、中には所狭しと服が沢山並べられていた。
服だけじゃなく、帽子や鞄、靴、アクセサリー類等も、店内の脇に種類豊富に取り揃えてあり、なかなかの大型店舗。
キラキラと輝いて見える商品達を前にして、私のテンションが一気に上がった。
服も、赤ちゃん用から大人の女の人、男の人用のモノまで色々置いてある。
「今着れるのと、少し大きめのモノも一着買っておこう。ユーカはどういうのが好き?」
サイラスが私に合うサイズの服を物色して、私の体に服をあてる。
サイラスも今は険しい表情ではなくて、真剣に私の服を選んでくれていて、そのことにも少しホッとした。
「おおきめのふくが、一つあればいいよ。」
「何で?いいよ、2着買おうよ。」
「ううん。いらない。」
頑なに拒否する私を見つめて、サイラスが眉間に皺を寄せる。
「もしかして、俺に遠慮してるの?」
「…………してない。」
「してるじゃん。」
「ほんとに、してない。これだけでいいよ。このふくがきにいったんだもん。」
私は店内の脇に置かれているマネキンを指差して言った。
マネキンは、ロング丈のワンピースを着ていて、サイズも私より少し大きめかな?というくらいだと思う。
ゆったりとした感じのこのワンピースなら、私が多少成長しても長く着られるだろう。
作りはシンプルで可愛いとは言い難いけど、シンプルなデザインの方が大きくなっても着ていて違和感はないはず。
サイラスはマネキンと私を交互に見て何か言いたげだったけど、ハァと、小さく溜息を吐いて、それ以上何も言わなかった。
「分かったよ。服はこれだけにして靴を買おう。」
私の返事を聞く前に、サイラスはスタスタと靴が置いてある一角に移動し、素早く私の足に何足か靴を履かせてサイズを確認していく。
そしてパパッと靴を選んでレジに持って行くと、これまた手早くマネキンが着ていたワンピースを脱がせて、レジで待つ店員さんに手渡した。
お会計の途中、何かに気づいたサイラスが恥ずかしそうにゴニョゴニョ店員さんに話をすると、店員さんはちょっと苦笑しつつ頷いてレジから離れて売り場へと行く。
サイラスの声が小さ過ぎて何を言っていたのか分からなかったけど、店員さんが戻って来て、サイラスが恥ずかしそうだったのに納得した。
店員さんが手に持っていたのは、女の子用の下着だったから。
サイラスってば、よく気づいてくれました。
下着の替えが無いっていうのは、やっぱり不便だったもんね。
夜、サイラスが服と一緒に洗濯してくれていたけど、替えが無いから、夜寝る時はいつもノーパン…………さすがに5歳児でも抵抗があったので…………下着は拒否しないで、有り難く買ってもらうことにしよう。
気遣いも出来て、料理も出来て、優しくて、イケメンで。
サイラスは将来有望だね。
きっと大人になったら、すぐに良いお嫁さんをゲット出来るんだろうなぁ。
…………それまでは、私が側にいてもいいかな。
その時がきたら、ちゃんと側を離れるから。
…………それまでは、側にいさせてね?
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