ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里

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衝撃の事実!?

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「今日から暫くの間、こちらの二人をウチで預かる事になった」


国王様からそう告げられると、忽ちサイラスの眉間に皺が寄った。

あからさまなそのサイラスの態度に客人の二人も困ったように苦笑している。


「……何故そうなったのか、事の成り行きを聞いても?」


眉間に皺を寄せたままサイラスがいつもより低い声で国王に尋ねる。

…………うん、明らかに不機嫌だね、サイラス……。


サイラスとずっと繋いだままだった手にギュッと力を込めた。
私が心配そうに見上げれば、サイラスはフッと目を細め表情を和らげる。

大丈夫だよ、と優しく微笑んでから私の頬をスリスリと撫でたサイラスは、国王に目を向けた後に客人二人へ目を移した。


「俺はユーカの側に俺が信用できる者しかおきたくないんです。この二人を城に滞在させるというからには、俺が納得できる理由があって、身元も確かな方達なんでしょうね?」


サイラスが牽制するように二人を交互に鋭くジッと見つめる。

美少女に"イナム"と呼ばれた中年男性が、そんなサイラスの態度にオロオロとしだし、国王が苦笑しつつ片手を上げてそれを制した。


「この者達の身元は確かだ。先日、外交でビオルスク国を訪れた際、ビオルスク国王と皇太子から直々にお願いされ、獣人国で保護する事になったのだよ」

「保護?」


私が首を傾げると、国王様はチラッと美少女達に目を向けた後、話しを続ける。


「ここにいる第二王子が度々ビオルスク国内で命を狙われていてね。ビオルスク国内が落ち着くまで第二王子の身の安全を確保する為に我が国へお連れしたのだよ。防御力、武力で我が獣人国に勝る国はないからね。ウチを敵に回す奴は余程の馬鹿者だけだ」


へぇ~、獣人国ってそんなに強かったんだね。

…………って、ん?第二王子?


「ウチで保護する期間はどのくらいですか?」

「ビオルスク国王と皇太子が色々と手を尽くしている最中らしいから、それほど時間はかからないと思うが……」


…………いやいや、サイラス?

今、びっくりワードが出てきたのにサラッと聞き流さないで?

…………"第二王子"って言ったよね?

でも、私達の目の前に座っているジルは、水色の少しタイトな大人っぽいを着た女の子なんですけど?


ビックリして目を丸くする私と目が合ったジルは、見惚れるくらい綺麗な微笑みを浮かべた。


ーーーーか、可愛い!!!

この可愛さで王子とか……男の子とか、嘘だよね?私が聞き間違えちゃったのかな?そう…………きっとそうだよ!


プチパニック中の私は身を乗り出してサイラスと国王様の話しを遮り、さっきの「第二王子」発言が私の聞き間違えだったんだと自分に言い聞かせるように国王様に尋ねる。


「あ、あの!さっき第二王子って聞こえたような気がしたんですけど、ですよね?わ、私、なんかとんでもない聞き間違いをしちゃったみたいで……」

「うん?ああ、聞き間違いじゃないよ。ジル殿は正真正銘、ビオルスク国のだ」

「え……」


だって……だって、ドレス着てるじゃん…………凄く似合っているけども。


あんぐりと口を開けている私を見て、ジルがクスクスと笑い薄らと頬を赤く染めた。


「ユーカは呆けている顔も可愛いなぁ。ごめんね?こんな格好をしているけど、一応男の子なんだよね、僕」


…………いやいや、可愛いのはジルの方だよ。男の子なのに、女の私より可愛いって…………私なんかより何倍も可愛いんですけど……。


口をあんぐりと開けたままのブサイクであろう私を、更に頬を赤く染めたジルがうっとりと見つめる。




「これからよろしくね、ユーカ」

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