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切望
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それからというもの、毎週末の学園がお休みの日はお兄様の部屋で3人仲良く過ごす事が当たり前のようになっていた。
お兄様は「僕の我儘に付き合ってくれてありがとう。」と言ってくれているが、私は知っている。
お兄様が本当は私を守る為に自室へ招いてくれていることを。
私の部屋よりも、王太子であるお兄様の部屋の警備の方が厳重に決まっている。
そのおかげでお母様もなかなか私に手が出せないようでイライラが溜まっているのかとても不機嫌らしい。( アンソニー情報 )
そして週末、またいつものようにルーカスとお兄様の部屋へ向かうと、お兄様の部屋から出てくるアンソニーと遭遇した。
アンソニーがお兄様の部屋から出てくるなんて…………。
珍しい事もあるものだと首を傾げていると、アンソニーが私達に気付いてこちらに近寄ってくる。
スッと私の前に出てガードしてくれるオーウェン様。
一瞬、眉間に皺を寄せるアンソニーだったが、すぐに笑顔で私を見た。
「やあ、シャーロット。会えて嬉しいよ。最近、君達は週末になるとヘンリー王子に隠されてしまうからね。なかなか会えなくなってしまって寂しいよ。」
「週末以外は会いたくなくても会ってますけど?」
「会いたくないなんて酷いなぁ。僕は毎日でもシャーロットに会いたいのに。」
ずいっと顔を近づけてくるアンソニーを、オーウェン様が手を前に出して制する。
「…………近いです。」
「おやおや~?もしかしてヤキモチ妬いちゃってるのかい?」
「…………」
ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべるアンソニーをオーウェン様がジロリと睨む。
ーーやめて~!!変なこと言わないでよ!!そんなことある訳ないじゃないの!!
「ア、アンソニーは何故お兄様の部屋から出てきたの?」
私がこの変な空気を断ち切ろうとアンソニーに話しかけると、アンソニーはやれやれといった感じに肩を竦めて苦笑した。
「何故って……ヘンリー王子に呼ばれたからだよ。」
「呼ばれたの?お兄様に?」
「うん。」
お兄様がわざわざアンソニーを自室に呼ぶなんて……どうして?
私が眉を顰め首を傾げていると、アンソニーは人差し指を口にあて「秘密。」とニッコリと微笑んだ。
「うげぇ。胡散臭い笑顔~。」
「同感です。」
ルーカスとオーウェン様が、手をヒラヒラと振りながら去って行くアンソニーの後ろ姿に心底嫌そうな表情を浮かべて言う。
ーー貴方達、それアンソニーに聞こえてますよ。まあ、私も同感だけどね。
「それではオーウェン様、ここまで送っていただきありがとうございました。ゆっくり休んでくださいね。」
私は苦笑しつつオーウェン様にペコリと頭を下げてお兄様の部屋へ入ろうとする。……が、オーウェン様に腕を優しく引っ張られそれを阻止された。
「オーウェン様?」
「……言った通りです。」
「え?」
ーー何が?
言葉の意味が分からなくて、眉間の皺を深くしながら私を見るオーウェン様をキョトンとして見上げた。
「先程、アンソニー様が言った通りです。」
「?」
ーーだから何が?
「ヤキモチを妬いているのか、と。確かに私はあの時、シャーロット様に近づこうとするアンソニー様に嫉妬しました。」
「……え。」
「けれど、あの時だけではありません。……私は昔からずっと、シャーロット様に近づく者にはヤキモチを妬いてしまうんです。」
「…………」
ーーえぇー!?何!?何がどうなってるの!?
「ねえねえ!こんな所で突然告白っぽいことするのやめてくれない?聞いててこっちが恥ずかしいんだけど!」
「すみません。私ももう少し時間をかけてシャーロット様にアプローチをしようと思ったのですが、アンソニー様の存在に焦ってしまいました。…………それに……」
ギャンギャン喚いているルーカスにオーウェン様は申し訳なさそうに頭を下げてから私を見つめる。
「シャーロット様は思った以上に色恋沙汰には鈍くていらっしゃるようなので…………私もそろそろ本気を出さないとと思いまして。」
「!?」
獲物を視界に捉えた狩人のような鋭い目で見つめられ、尚且つなかなかお目にかかれないオーウェン様の笑顔を向けられれば、私の心臓はドキドキと煩いくらいに高鳴った。
恐らく今の私の顔は真っ赤になっていることだろう。
これはもしかしなくても、オーウェン様が私を好いてくれているということですよね!?
どうしよう!?こんな展開、全く予想していなかった。
まさか私なんかに好意を寄せてくれる人がいるなんて…………な、何か言わないと!でも何て!?
「あ、あ、あの……」
「ダメダメダメダメ~!!!」
私がオーウェン様に向かって話そうとしたのを、ルーカスが手をバタバタと振り回して遮ってしまった。
ルーカスは両手を広げて私とオーウェン様を引き離す。
「まだお姉様は僕とお兄様のだからダメだよ!!誰かのモノになるなんて、まだまだ絶対ダメー!!」
頬をぷっくりと膨らませて怒るルーカスが私の手を引っ張ってお兄様の部屋へ強引に連れ込もうとする。
途中、チラッとオーウェン様を見ると目が合い、ウットリするような笑顔を向けられた私はまたドクンと大きく心臓が高鳴った。
ーーか、かっこいい。
「やあ、待ってたよ……ってあれ?ロッティーどうかしたの?やけに顔が赤い気がするけれど。」
「………………ナンデモナイデス。」
部屋の中へ入っても、暫く私の心臓はドキドキと煩いままだった。
恋愛に関して全くもって経験値がゼロの私の顔は、出迎えてくれたお兄様に首を傾げられる程に真っ赤だったらしい。
内心パニックな私はカタコトのような口調でお兄様に返事をするのがやっとだった。
その後、すぐにルーカスがお兄様にオーウェン様のことをバラしてしまう。
ルーカスは寝るまで…………いや、翌日に起きてからもずっとご機嫌斜めだったし、お兄様はお兄様で「……へえ、あのオーウェンがねぇ……」と呟きながら不敵にニヤリと笑った。
私の背中がゾクリとして部屋に冷気が漂っているのを感じる。
「オーウェンが昔からロッティーを好きなのは知っていたからね。僕としても妹と親友がくっついてくれたなら、こんなに嬉しいことはないよ。」
お兄様は微笑んだまま私に近寄り私の頭を撫でると、その手をスルリと頬に落として手のひらで頬を包み込んだ。
そしてそのままクイッと私の顔を上に向かせると、お兄様の綺麗な瞳が私をジッと見つめ、目を細める。
「でも、まだ早いかなぁ。」
そう呟いたお兄様は蕩けるような笑顔で私の頬にチュッとキスを落とした。
「まだまだロッティーには、僕のモノでいて欲しいからね。…………まだ誰にもあげないよ?」
お兄様は「僕の我儘に付き合ってくれてありがとう。」と言ってくれているが、私は知っている。
お兄様が本当は私を守る為に自室へ招いてくれていることを。
私の部屋よりも、王太子であるお兄様の部屋の警備の方が厳重に決まっている。
そのおかげでお母様もなかなか私に手が出せないようでイライラが溜まっているのかとても不機嫌らしい。( アンソニー情報 )
そして週末、またいつものようにルーカスとお兄様の部屋へ向かうと、お兄様の部屋から出てくるアンソニーと遭遇した。
アンソニーがお兄様の部屋から出てくるなんて…………。
珍しい事もあるものだと首を傾げていると、アンソニーが私達に気付いてこちらに近寄ってくる。
スッと私の前に出てガードしてくれるオーウェン様。
一瞬、眉間に皺を寄せるアンソニーだったが、すぐに笑顔で私を見た。
「やあ、シャーロット。会えて嬉しいよ。最近、君達は週末になるとヘンリー王子に隠されてしまうからね。なかなか会えなくなってしまって寂しいよ。」
「週末以外は会いたくなくても会ってますけど?」
「会いたくないなんて酷いなぁ。僕は毎日でもシャーロットに会いたいのに。」
ずいっと顔を近づけてくるアンソニーを、オーウェン様が手を前に出して制する。
「…………近いです。」
「おやおや~?もしかしてヤキモチ妬いちゃってるのかい?」
「…………」
ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべるアンソニーをオーウェン様がジロリと睨む。
ーーやめて~!!変なこと言わないでよ!!そんなことある訳ないじゃないの!!
「ア、アンソニーは何故お兄様の部屋から出てきたの?」
私がこの変な空気を断ち切ろうとアンソニーに話しかけると、アンソニーはやれやれといった感じに肩を竦めて苦笑した。
「何故って……ヘンリー王子に呼ばれたからだよ。」
「呼ばれたの?お兄様に?」
「うん。」
お兄様がわざわざアンソニーを自室に呼ぶなんて……どうして?
私が眉を顰め首を傾げていると、アンソニーは人差し指を口にあて「秘密。」とニッコリと微笑んだ。
「うげぇ。胡散臭い笑顔~。」
「同感です。」
ルーカスとオーウェン様が、手をヒラヒラと振りながら去って行くアンソニーの後ろ姿に心底嫌そうな表情を浮かべて言う。
ーー貴方達、それアンソニーに聞こえてますよ。まあ、私も同感だけどね。
「それではオーウェン様、ここまで送っていただきありがとうございました。ゆっくり休んでくださいね。」
私は苦笑しつつオーウェン様にペコリと頭を下げてお兄様の部屋へ入ろうとする。……が、オーウェン様に腕を優しく引っ張られそれを阻止された。
「オーウェン様?」
「……言った通りです。」
「え?」
ーー何が?
言葉の意味が分からなくて、眉間の皺を深くしながら私を見るオーウェン様をキョトンとして見上げた。
「先程、アンソニー様が言った通りです。」
「?」
ーーだから何が?
「ヤキモチを妬いているのか、と。確かに私はあの時、シャーロット様に近づこうとするアンソニー様に嫉妬しました。」
「……え。」
「けれど、あの時だけではありません。……私は昔からずっと、シャーロット様に近づく者にはヤキモチを妬いてしまうんです。」
「…………」
ーーえぇー!?何!?何がどうなってるの!?
「ねえねえ!こんな所で突然告白っぽいことするのやめてくれない?聞いててこっちが恥ずかしいんだけど!」
「すみません。私ももう少し時間をかけてシャーロット様にアプローチをしようと思ったのですが、アンソニー様の存在に焦ってしまいました。…………それに……」
ギャンギャン喚いているルーカスにオーウェン様は申し訳なさそうに頭を下げてから私を見つめる。
「シャーロット様は思った以上に色恋沙汰には鈍くていらっしゃるようなので…………私もそろそろ本気を出さないとと思いまして。」
「!?」
獲物を視界に捉えた狩人のような鋭い目で見つめられ、尚且つなかなかお目にかかれないオーウェン様の笑顔を向けられれば、私の心臓はドキドキと煩いくらいに高鳴った。
恐らく今の私の顔は真っ赤になっていることだろう。
これはもしかしなくても、オーウェン様が私を好いてくれているということですよね!?
どうしよう!?こんな展開、全く予想していなかった。
まさか私なんかに好意を寄せてくれる人がいるなんて…………な、何か言わないと!でも何て!?
「あ、あ、あの……」
「ダメダメダメダメ~!!!」
私がオーウェン様に向かって話そうとしたのを、ルーカスが手をバタバタと振り回して遮ってしまった。
ルーカスは両手を広げて私とオーウェン様を引き離す。
「まだお姉様は僕とお兄様のだからダメだよ!!誰かのモノになるなんて、まだまだ絶対ダメー!!」
頬をぷっくりと膨らませて怒るルーカスが私の手を引っ張ってお兄様の部屋へ強引に連れ込もうとする。
途中、チラッとオーウェン様を見ると目が合い、ウットリするような笑顔を向けられた私はまたドクンと大きく心臓が高鳴った。
ーーか、かっこいい。
「やあ、待ってたよ……ってあれ?ロッティーどうかしたの?やけに顔が赤い気がするけれど。」
「………………ナンデモナイデス。」
部屋の中へ入っても、暫く私の心臓はドキドキと煩いままだった。
恋愛に関して全くもって経験値がゼロの私の顔は、出迎えてくれたお兄様に首を傾げられる程に真っ赤だったらしい。
内心パニックな私はカタコトのような口調でお兄様に返事をするのがやっとだった。
その後、すぐにルーカスがお兄様にオーウェン様のことをバラしてしまう。
ルーカスは寝るまで…………いや、翌日に起きてからもずっとご機嫌斜めだったし、お兄様はお兄様で「……へえ、あのオーウェンがねぇ……」と呟きながら不敵にニヤリと笑った。
私の背中がゾクリとして部屋に冷気が漂っているのを感じる。
「オーウェンが昔からロッティーを好きなのは知っていたからね。僕としても妹と親友がくっついてくれたなら、こんなに嬉しいことはないよ。」
お兄様は微笑んだまま私に近寄り私の頭を撫でると、その手をスルリと頬に落として手のひらで頬を包み込んだ。
そしてそのままクイッと私の顔を上に向かせると、お兄様の綺麗な瞳が私をジッと見つめ、目を細める。
「でも、まだ早いかなぁ。」
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