19 / 100
EP 19
しおりを挟む
正歴史の語り部と、勘違い
スタンピード(という名の大収穫祭)が終わり、カイト農場には静かな夜が訪れていた。
戦いの後の心地よい疲労感と、満腹感。
そして、夜風に乗って漂うのは、屋台『龍神軒』から香る豚骨スープの匂いだ。
「へいお待ち。戦いの後のラーメンは格別だぞ」
ねじり鉢巻姿の竜神デュークが、湯切りをした麺を丼に放り込む。
今日の具材は特別製だ。昼間に倒した「カトブレパスのチャーシュー」と、カイトが育てた「聖なる白ネギ」が山盛りになっている。
「いただきまーす!」
カイト、ラスティア、フレア、フェンリル、ルチアナ、そしてドラグラス。
世界の支配者たちが、屋台の長椅子に肩を並べて座り、ズルズルと麺を啜っている。
「ん~っ! このスープ、深みが違うわね!」
「魔獣の骨髄まで煮込んだからな。コラーゲンたっぷりで肌に良さそうだ」
神々が舌鼓を打つ中、店主のデュークは葉巻をふかし、遠い目をして夜空を見上げた。
「……ふむ。こうして皆で飯を食っていると、昔を思い出すな」
「昔?」
カイトがレンゲを止めて尋ねると、デュークはニヤリと笑った。
「ああ。貴様ら人間が生まれるずっと前、神話の時代の話だ」
デュークは語り始めた。
それは、今の平和な農場からは想像もつかない、血塗られた『正歴史』だった。
「創世の昔、我ら調停者は女神ルチアナと共に、邪神デュアダロスと戦った。まあ、あの時は大変だったが……それ以上に厄介だったのが、その後の『古代大戦』だ」
デュークの視線が、カイトの膝の上で丸くなっているポチ(始祖竜)に向けられる。
「天使、魔族、竜人族が覇権を争っていた時代。竜人族の中に、とんでもない『暴れん坊』が現れてな。そいつは時を操り、万物を消し飛ばすブレスを吐き、世界をあと一歩で征服するところだった」
デュークはポチの鼻先を指で小突いた。
「なぁ? そこのチビ助」
「……え?」
カイトは目を丸くした。
チビ助って、ポチのことか?
「ポチが……世界征服?」
「そうだ。我とフレア、フェンリル、それに当時の天使と魔族が手を組んで、ようやく止めたんだ。いやぁ、あの時のこやつの暴れっぷりは凄まじかったぞ。大陸を二つほど海に沈めおったからな」
デュークは「懐かしい武勇伝」のように笑って話した。
だが、それを聞いたカイトの脳内変換は、全く別の方向へ作動していた。
(なるほど……。ポチにも『やんちゃな時期』があったんだな)
カイトは納得した。
犬や猫にも、家の柱をかじったり、障子を破ったりする時期がある。
体が大きくて力のあるポチの場合、それがちょっと「大陸規模」だっただけなのだろう。
「そっかぁ。ポチ、お前も昔はワルだったんだな」
カイトはポチの頭を優しく撫でた。
「でも、今はこんなに大人しいもんな。きっと、若気の至りってやつだろ?」
「きゅぅ……(昔の話は時効だ)」
ポチはバツが悪そうに顔を背け、カイトの服に顔を埋めた。
その仕草は、昔の悪行をバラされて恥ずかしがる子供そのものだ。
「ははは! 反省してるみたいだし、許してやってよデュークさん」
カイトが笑うと、デュークも肩をすくめた。
「まあな。今は貴様の作ったネギを美味そうに食っておる。牙が抜けた……いや、丸くなったと言うべきか」
和やかな空気が流れる。
かつて殺し合った仇敵同士が、一つの屋台で、同じラーメンを食べて笑い合っている。
その光景を見て、震えている男が一人いた。
竜王ドラグラスである。
「う……うぅ……っ」
彼は丼を抱えたまま、ボロボロと大粒の涙を流していた。
「ど、どうしたのドラグラスさん!? ネギが辛かった!?」
カイトが驚いて背中をさする。
ドラグラスは首を振った。違うのだ。
彼は、竜人族の長として、一族の悲しい歴史を背負ってきた。
覇権争いに敗れ、世界中から憎まれ、辺境に追いやられた竜人族。
「いつか復讐を」「覇権を取り戻せ」と叫ぶ保守派の声に、ずっと心を痛めてきた。
だが今、目の前にあるのは何か。
かつて一族を倒した宿敵(調停者デューク)と、一族が崇めた始祖(ポチ)が、憎しみを乗り越えて並んでいる。
そこには、復讐も差別もない。あるのは、美味いラーメンと、カイトという青年の屈託のない笑顔だけだ。
「……長かった……。本当に、長かった……」
ドラグラスは男泣きした。
この一杯のラーメンが、数千年の怨恨を溶かしていく気がした。
「こんな日が来るとは……。竜人族の未来は、ここにあったのだな……」
「ドラグラスさん……?」
カイトは困惑した。
やっぱり仕事(中間管理職)が辛いんだろうか。酔って昔を思い出して泣き上戸になるおじさんは、日本にもよくいた。
「よし、分かった。ドラグラスさん、これ持って帰んな」
カイトはタッパーに、余ったチャーシューと煮玉子をたっぷり詰めて渡した。
「家に帰って、息子さんたちと一緒に食べるといいよ。美味いもん食えば、悩みなんて吹っ飛ぶからさ」
「カイト殿……!」
ドラグラスはタッパーを聖杯のように掲げ持った。
これだ。これを里の若者たちに食わせよう。
「世界征服」などという虚しい夢よりも、もっと素晴らしい「幸せ」がここにあると教えるために。
「ありがとう……! いただきますッ!!」
ドラグラスはスープまで飲み干し、深々と頭を下げた。
その夜。
竜人族の里では、族長が持ち帰った「伝説のチャーシュー」を巡り、保守派も若者も一緒になって舌鼓を打ち、「人間界にはこんなに凄い宝があるのか!」と大騒ぎになったという。
カイトは知らない。
自分の作った煮玉子が、大陸最強の戦闘種族を「親人間派(ラーメン派)」に転向させ、新たな世界平和の礎となったことを。
スタンピード(という名の大収穫祭)が終わり、カイト農場には静かな夜が訪れていた。
戦いの後の心地よい疲労感と、満腹感。
そして、夜風に乗って漂うのは、屋台『龍神軒』から香る豚骨スープの匂いだ。
「へいお待ち。戦いの後のラーメンは格別だぞ」
ねじり鉢巻姿の竜神デュークが、湯切りをした麺を丼に放り込む。
今日の具材は特別製だ。昼間に倒した「カトブレパスのチャーシュー」と、カイトが育てた「聖なる白ネギ」が山盛りになっている。
「いただきまーす!」
カイト、ラスティア、フレア、フェンリル、ルチアナ、そしてドラグラス。
世界の支配者たちが、屋台の長椅子に肩を並べて座り、ズルズルと麺を啜っている。
「ん~っ! このスープ、深みが違うわね!」
「魔獣の骨髄まで煮込んだからな。コラーゲンたっぷりで肌に良さそうだ」
神々が舌鼓を打つ中、店主のデュークは葉巻をふかし、遠い目をして夜空を見上げた。
「……ふむ。こうして皆で飯を食っていると、昔を思い出すな」
「昔?」
カイトがレンゲを止めて尋ねると、デュークはニヤリと笑った。
「ああ。貴様ら人間が生まれるずっと前、神話の時代の話だ」
デュークは語り始めた。
それは、今の平和な農場からは想像もつかない、血塗られた『正歴史』だった。
「創世の昔、我ら調停者は女神ルチアナと共に、邪神デュアダロスと戦った。まあ、あの時は大変だったが……それ以上に厄介だったのが、その後の『古代大戦』だ」
デュークの視線が、カイトの膝の上で丸くなっているポチ(始祖竜)に向けられる。
「天使、魔族、竜人族が覇権を争っていた時代。竜人族の中に、とんでもない『暴れん坊』が現れてな。そいつは時を操り、万物を消し飛ばすブレスを吐き、世界をあと一歩で征服するところだった」
デュークはポチの鼻先を指で小突いた。
「なぁ? そこのチビ助」
「……え?」
カイトは目を丸くした。
チビ助って、ポチのことか?
「ポチが……世界征服?」
「そうだ。我とフレア、フェンリル、それに当時の天使と魔族が手を組んで、ようやく止めたんだ。いやぁ、あの時のこやつの暴れっぷりは凄まじかったぞ。大陸を二つほど海に沈めおったからな」
デュークは「懐かしい武勇伝」のように笑って話した。
だが、それを聞いたカイトの脳内変換は、全く別の方向へ作動していた。
(なるほど……。ポチにも『やんちゃな時期』があったんだな)
カイトは納得した。
犬や猫にも、家の柱をかじったり、障子を破ったりする時期がある。
体が大きくて力のあるポチの場合、それがちょっと「大陸規模」だっただけなのだろう。
「そっかぁ。ポチ、お前も昔はワルだったんだな」
カイトはポチの頭を優しく撫でた。
「でも、今はこんなに大人しいもんな。きっと、若気の至りってやつだろ?」
「きゅぅ……(昔の話は時効だ)」
ポチはバツが悪そうに顔を背け、カイトの服に顔を埋めた。
その仕草は、昔の悪行をバラされて恥ずかしがる子供そのものだ。
「ははは! 反省してるみたいだし、許してやってよデュークさん」
カイトが笑うと、デュークも肩をすくめた。
「まあな。今は貴様の作ったネギを美味そうに食っておる。牙が抜けた……いや、丸くなったと言うべきか」
和やかな空気が流れる。
かつて殺し合った仇敵同士が、一つの屋台で、同じラーメンを食べて笑い合っている。
その光景を見て、震えている男が一人いた。
竜王ドラグラスである。
「う……うぅ……っ」
彼は丼を抱えたまま、ボロボロと大粒の涙を流していた。
「ど、どうしたのドラグラスさん!? ネギが辛かった!?」
カイトが驚いて背中をさする。
ドラグラスは首を振った。違うのだ。
彼は、竜人族の長として、一族の悲しい歴史を背負ってきた。
覇権争いに敗れ、世界中から憎まれ、辺境に追いやられた竜人族。
「いつか復讐を」「覇権を取り戻せ」と叫ぶ保守派の声に、ずっと心を痛めてきた。
だが今、目の前にあるのは何か。
かつて一族を倒した宿敵(調停者デューク)と、一族が崇めた始祖(ポチ)が、憎しみを乗り越えて並んでいる。
そこには、復讐も差別もない。あるのは、美味いラーメンと、カイトという青年の屈託のない笑顔だけだ。
「……長かった……。本当に、長かった……」
ドラグラスは男泣きした。
この一杯のラーメンが、数千年の怨恨を溶かしていく気がした。
「こんな日が来るとは……。竜人族の未来は、ここにあったのだな……」
「ドラグラスさん……?」
カイトは困惑した。
やっぱり仕事(中間管理職)が辛いんだろうか。酔って昔を思い出して泣き上戸になるおじさんは、日本にもよくいた。
「よし、分かった。ドラグラスさん、これ持って帰んな」
カイトはタッパーに、余ったチャーシューと煮玉子をたっぷり詰めて渡した。
「家に帰って、息子さんたちと一緒に食べるといいよ。美味いもん食えば、悩みなんて吹っ飛ぶからさ」
「カイト殿……!」
ドラグラスはタッパーを聖杯のように掲げ持った。
これだ。これを里の若者たちに食わせよう。
「世界征服」などという虚しい夢よりも、もっと素晴らしい「幸せ」がここにあると教えるために。
「ありがとう……! いただきますッ!!」
ドラグラスはスープまで飲み干し、深々と頭を下げた。
その夜。
竜人族の里では、族長が持ち帰った「伝説のチャーシュー」を巡り、保守派も若者も一緒になって舌鼓を打ち、「人間界にはこんなに凄い宝があるのか!」と大騒ぎになったという。
カイトは知らない。
自分の作った煮玉子が、大陸最強の戦闘種族を「親人間派(ラーメン派)」に転向させ、新たな世界平和の礎となったことを。
135
あなたにおすすめの小説
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
『しろくま通りのピノ屋さん 〜転生モブは今日もお菓子を焼く〜』
miigumi
ファンタジー
前世では病弱で、病室の窓から空を見上げることしかできなかった私。
そんな私が転生したのは、魔法と剣があるファンタジーの世界。
……とはいえ、勇者でも聖女でもなく、物語に出てこない“モブキャラ”でした。
貴族の家に生まれるも馴染めず、破門されて放り出された私は、街の片隅――
「しろくま通り」で、小さなお菓子屋さんを開くことにしました。
相棒は、拾ったまんまるのペンギンの魔物“ピノ”。
季節の果物を使って、前世の記憶を頼りに焼いたお菓子は、
気づけばちょっぴり評判に。
できれば平和に暮らしたいのに、
なぜか最近よく現れるやさしげな騎士さん――
……って、もしかして勇者パーティーの人なんじゃ?!
静かに暮らしたい元病弱転生モブと、
彼女の焼き菓子に癒される人々の、ちょっと甘くて、ほんのり騒がしい日々の物語。
聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?
魔の森に捨てられた伯爵令嬢は、幸福になって復讐を果たす
三谷朱花
恋愛
ルーナ・メソフィスは、あの冷たく悲しい日のことを忘れはしない。
ルーナの信じてきた世界そのものが否定された日。
伯爵令嬢としての身分も、温かい我が家も奪われた。そして信じていた人たちも、それが幻想だったのだと知った。
そして、告げられた両親の死の真相。
家督を継ぐために父の異母弟である叔父が、両親の死に関わっていた。そして、メソフィス家の財産を独占するために、ルーナの存在を不要とした。
絶望しかなかった。
涙すら出なかった。人間は本当の絶望の前では涙がでないのだとルーナは初めて知った。
雪が積もる冷たい森の中で、この命が果ててしまった方がよほど幸福だとすら感じていた。
そもそも魔の森と呼ばれ恐れられている森だ。誰の助けも期待はできないし、ここに放置した人間たちは、見たこともない魔獣にルーナが食い殺されるのを期待していた。
ルーナは死を待つしか他になかった。
途切れそうになる意識の中で、ルーナは温かい温もりに包まれた夢を見ていた。
そして、ルーナがその温もりを感じた日。
ルーナ・メソフィス伯爵令嬢は亡くなったと公式に発表された。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
限界勇者のスローライフ〜田舎でのんびり暮らそうと思ったら、元魔王を拾ってしまった件〜
みなかみしょう
ファンタジー
現代日本から転生し、魔王を倒した勇者クウト。
なんとか平和な世界を取り戻したはずが、彼だけは戦い続けていた。
その期間、120年。しかも年中無休、24時間営業である。
「さすがにこれは、ちょっとおかしくないか?」
戦いに疲れ果て、クウトはようやくそのことに気づいた。
自分を道具としてしか見ていない、かつての仲間の子孫にも飽き飽きだった。
会議の場で引退を宣言し、勇者の証も放棄。清々しく立場を強引に捨てることに成功。
遂に手に入れた自由な日々。
そんなクウトの前に、転生にも関わった女神が現れる。
想像よりも酷い状況を見て、女神は新たな力を授け言う。
「とりあえず、スローライフでもしてなさい」
そんな言葉と共に送り出された元勇者は、田舎でのんびり暮らすべく新生活を開始した。
しかし、そんな彼の前に現れたのは別世界に行ったはずの二代目魔王。
似たような事情を抱えた彼女の話を聞き、クウトは同居生活を提案する。
こうして、元勇者と元魔王の田舎暮らしが始まった。
無理のない範囲での畑仕事。
冒険者としての活動。
町の人々との触れ合い。
慣れない普通の生活に苦戦しつつも、二人は穏やかな日々を少しずつ手に入れていく。
たまに起きるトラブルは、その有り余るパワーで粉砕しながら……。
最強陛下の育児論〜5歳児の娘に振り回されているが、でもやっぱり可愛くて許してしまうのはどうしたらいいものか〜
楠ノ木雫
ファンタジー
孤児院で暮らしていた女の子リンティの元へ、とある男達が訪ねてきた。その者達が所持していたものには、この国の紋章が刻まれていた。そう、この国の皇城から来た者達だった。その者達は、この国の皇女を捜しに来ていたようで、リンティを見た瞬間間違いなく彼女が皇女だと言い出した。
言い合いになってしまったが、リンティは皇城に行く事に。だが、この国の皇帝の二つ名が〝冷血の最強皇帝〟。そして、タイミング悪く首を撥ねている瞬間を目の当たりに。
こんな無慈悲の皇帝が自分の父。そんな事実が信じられないリンティ。だけど、あれ? 皇帝が、ぬいぐるみをプレゼントしてくれた?
リンティがこの城に来てから、どんどん皇帝がおかしくなっていく姿を目の当たりにする周りの者達も困惑。一体どうなっているのだろうか?
※他の投稿サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる