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第九章 異議あり!学校法廷
EP 10
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【大団円】最強の学校、法的にも「無敵」になる
カイト分校の屋上。
そこから見下ろす景色は、まさに壮観の一言だった。
外壁は、元・魔人サルバロスが築いた『絶対防御の石垣』。
校舎は、世界樹とダイヤモンドで作られた『神話級要塞』。
グラウンドには、ドワーフ王ガンテツが整備した『対衝撃フィールド』。
そして何より、校門には新しい看板が掲げられていた。
『学校法人 カイト学園(認可済み)』。
その看板の前には、『関係者以外立ち入り禁止(法的措置を取ります)』という、リベラ直筆の恐ろしい警告文が貼られている。
「……完璧ですわ」
屋上で風に吹かれながら、理事長リベラは満足げに頷いた。
「物理的障壁、魔法的防衛力、そして社会的法的保護(コンプライアンス)。これほど完璧な『聖域』は、世界広しといえどここだけですわ」
「ああ、リベラ殿……! 夢のようだ!」
隣に立つ事務長ルーベンスは、完成した「財務諸表」と「運営マニュアル」を抱きしめ、男泣きしていた。
「見てくれ、この美しい帳簿を! 今まで『使途不明金(ルチアナの菓子代)』だらけだったのが、1ゴールド単位で管理されている! これで私の胃薬の量が半分に減るぞ!」
「ふふ、当然ですわ。これからは私たち『事務方』が、この無法者たちをコントロールしていくのですから」
リベラとルーベンスはガッチリと握手を交わした。
最強のタッグ結成である。
◇
校庭では、今日も賑やかな声が響いている。
「そこだアレン! 逃げるな、ブレス(火球)に飛び込め!」
「あははは! 熱いよデュークおじちゃ~ん!」
竜王デュークとアレンが、爆発の中で楽しそうに走り回っている。
教室からは、
「はい、ここテストに出るわよ~。プロミネンス・シュートの詠唱破棄、3秒以内でできないと赤点だからね~」
「先生! 山が燃えてます!」
ルナ(大賢者)による、相変わらず危険すぎる理科の授業が行われている。
だが、もう以前のような混乱はない。
なぜなら、
「こらルナ! 実験は結界の中でやれと言っただろ! 始末書を書かせるぞ!」
「ぶー、ルーベンスさんのケチぃ~」
ちゃんと「管理」が行き届いているからだ。
「……うん、いい学校になったね」
食堂のテラス席で、カイトはコーヒーを啜りながら目を細めた。
テーブルには、龍魔呂が淹れた極上のコーヒーと、リベラが夜なべして焼いた手作りクッキーが並んでいる。
「ああ。騒がしいが、悪くない」
エプロン姿の龍魔呂が、タバコ(Lark)をくゆらせながら同意する。
「ガキどもも、俺の飯を食って順調に育ってる。……まあ、育ちすぎて昨日、魔族のガキが岩盤を素手で砕いていたがな」
「あはは、元気で何よりだよ」
カイトはクッキーを手に取り、サクッと齧った。
バターの香りと、優しい甘さが口いっぱいに広がる。
「美味しい。リベラちゃんのクッキーは、心がホッとする味だね」
「……あら、聞こえてましたの?」
仕事を終えたリベラが、ルーベンスと共にテラスへやってきた。
彼女はカイトの言葉に少し顔を赤らめ、咳払いをした。
「お粗末様ですわ。……さあ、皆さんもどうぞ。今日は『開校記念パーティー』ですもの」
「わーい! リベラちゃんのクッキーだ!」
「我にも寄越せ! 糖分が足りん!」
休憩時間になったアレンや神々、生徒たちがワッと集まってくる。
最強の剣(カイトたち)と、最強の盾(リベラたち)。
そして、命を育む食事(龍魔呂)。
全員が笑顔でクッキーを頬張り、コーヒーで乾杯する。
西日が差し込むその光景は、どこまでも温かく、幸せに満ちていた。
「よし! これで安心して農業と勉強ができるね!」
カイトが立ち上がり、高らかに宣言する。
「世界一楽しくて、世界一強い学校にするぞー!」
「「「おー!!」」」
歓声が空高く吸い込まれていく。
カイト農場の「学校建設編」、これにて一件落着――。
◇
「よし! これで安心して農業と勉強ができるね!」
カイトが立ち上がり、高らかに宣言する。
「世界一楽しくて、世界一強い学校にするぞー!」
「「「おー!!」」」
歓声が空高く吸い込まれていく。
カイト農場の「学校建設編」、これにて一件落着――。
◇
――その頃。
カイト農場から遠く離れた、大陸の夜を支配する眠らない街、『天魔窟(てんまくつ)』。
極彩色のネオンが輝く最上階のVIPスイート。
シャンデリアの下、フカフカのクッションに寝そべりながら、宙に浮く映像(モニター)を眺めている少女がいた。
背中には小さな黒い翼。
クルクルと巻かれたツインテール。
フリルたっぷりのゴシックドレスに身を包んだその姿は、誰もが振り返る愛くるしい美少女だ。
「……ふふっ。随分と楽しそうじゃない、カイトお兄さん♡」
彼女の手には、葉巻……ではなく、カラフルなペロペロキャンディが握られている。
キャンディを舐めながら、彼女は妖艶に、かつ無邪気に微笑んだ。
この街の支配者にして、大陸全土の富を吸い上げる『CR 異世界転生』の生みの親。
賭博王・キュルリン。
「リベラちゃんまであっちに付いちゃうなんて、誤算だゾ☆ あの堅物メガネ、私のカジノで破産させてあげようと思ってたのにぃ」
キュルリンはプクッと頬を膨らませた。その仕草はアイドルのように可愛らしいが、彼女の周囲には、屈強なオークの用心棒たちが直立不動で震え上がっている。
彼女の機嫌一つで、この街の金(ゴールド)の流れが止まるからだ。
「まあ、いいや♪ 学校なんて『退屈』なもの、私がもっとドキドキする場所に変えてあげる」
彼女はモニターの中のカイトを指先でなぞった。
「待っててね、カイトお兄さん。……その農場、ぜーんぶ私の『カジノ・リゾート』にしちゃうから♡」
キュルリンは立ち上がり、ウィンクを決めた。
「さあ、パーティー(賭け)の始まりだヨ! 私の愛(欲望)で、骨の髄までしゃぶり尽くしてあげる!」
最強の学校の次は、最カワ&最凶のギャンブル女王が動き出す。
カイト農場の明日は、どっちだ!?
(第10章・完 / 次章『天魔窟の小悪魔編』へ続く!)
カイト分校の屋上。
そこから見下ろす景色は、まさに壮観の一言だった。
外壁は、元・魔人サルバロスが築いた『絶対防御の石垣』。
校舎は、世界樹とダイヤモンドで作られた『神話級要塞』。
グラウンドには、ドワーフ王ガンテツが整備した『対衝撃フィールド』。
そして何より、校門には新しい看板が掲げられていた。
『学校法人 カイト学園(認可済み)』。
その看板の前には、『関係者以外立ち入り禁止(法的措置を取ります)』という、リベラ直筆の恐ろしい警告文が貼られている。
「……完璧ですわ」
屋上で風に吹かれながら、理事長リベラは満足げに頷いた。
「物理的障壁、魔法的防衛力、そして社会的法的保護(コンプライアンス)。これほど完璧な『聖域』は、世界広しといえどここだけですわ」
「ああ、リベラ殿……! 夢のようだ!」
隣に立つ事務長ルーベンスは、完成した「財務諸表」と「運営マニュアル」を抱きしめ、男泣きしていた。
「見てくれ、この美しい帳簿を! 今まで『使途不明金(ルチアナの菓子代)』だらけだったのが、1ゴールド単位で管理されている! これで私の胃薬の量が半分に減るぞ!」
「ふふ、当然ですわ。これからは私たち『事務方』が、この無法者たちをコントロールしていくのですから」
リベラとルーベンスはガッチリと握手を交わした。
最強のタッグ結成である。
◇
校庭では、今日も賑やかな声が響いている。
「そこだアレン! 逃げるな、ブレス(火球)に飛び込め!」
「あははは! 熱いよデュークおじちゃ~ん!」
竜王デュークとアレンが、爆発の中で楽しそうに走り回っている。
教室からは、
「はい、ここテストに出るわよ~。プロミネンス・シュートの詠唱破棄、3秒以内でできないと赤点だからね~」
「先生! 山が燃えてます!」
ルナ(大賢者)による、相変わらず危険すぎる理科の授業が行われている。
だが、もう以前のような混乱はない。
なぜなら、
「こらルナ! 実験は結界の中でやれと言っただろ! 始末書を書かせるぞ!」
「ぶー、ルーベンスさんのケチぃ~」
ちゃんと「管理」が行き届いているからだ。
「……うん、いい学校になったね」
食堂のテラス席で、カイトはコーヒーを啜りながら目を細めた。
テーブルには、龍魔呂が淹れた極上のコーヒーと、リベラが夜なべして焼いた手作りクッキーが並んでいる。
「ああ。騒がしいが、悪くない」
エプロン姿の龍魔呂が、タバコ(Lark)をくゆらせながら同意する。
「ガキどもも、俺の飯を食って順調に育ってる。……まあ、育ちすぎて昨日、魔族のガキが岩盤を素手で砕いていたがな」
「あはは、元気で何よりだよ」
カイトはクッキーを手に取り、サクッと齧った。
バターの香りと、優しい甘さが口いっぱいに広がる。
「美味しい。リベラちゃんのクッキーは、心がホッとする味だね」
「……あら、聞こえてましたの?」
仕事を終えたリベラが、ルーベンスと共にテラスへやってきた。
彼女はカイトの言葉に少し顔を赤らめ、咳払いをした。
「お粗末様ですわ。……さあ、皆さんもどうぞ。今日は『開校記念パーティー』ですもの」
「わーい! リベラちゃんのクッキーだ!」
「我にも寄越せ! 糖分が足りん!」
休憩時間になったアレンや神々、生徒たちがワッと集まってくる。
最強の剣(カイトたち)と、最強の盾(リベラたち)。
そして、命を育む食事(龍魔呂)。
全員が笑顔でクッキーを頬張り、コーヒーで乾杯する。
西日が差し込むその光景は、どこまでも温かく、幸せに満ちていた。
「よし! これで安心して農業と勉強ができるね!」
カイトが立ち上がり、高らかに宣言する。
「世界一楽しくて、世界一強い学校にするぞー!」
「「「おー!!」」」
歓声が空高く吸い込まれていく。
カイト農場の「学校建設編」、これにて一件落着――。
◇
「よし! これで安心して農業と勉強ができるね!」
カイトが立ち上がり、高らかに宣言する。
「世界一楽しくて、世界一強い学校にするぞー!」
「「「おー!!」」」
歓声が空高く吸い込まれていく。
カイト農場の「学校建設編」、これにて一件落着――。
◇
――その頃。
カイト農場から遠く離れた、大陸の夜を支配する眠らない街、『天魔窟(てんまくつ)』。
極彩色のネオンが輝く最上階のVIPスイート。
シャンデリアの下、フカフカのクッションに寝そべりながら、宙に浮く映像(モニター)を眺めている少女がいた。
背中には小さな黒い翼。
クルクルと巻かれたツインテール。
フリルたっぷりのゴシックドレスに身を包んだその姿は、誰もが振り返る愛くるしい美少女だ。
「……ふふっ。随分と楽しそうじゃない、カイトお兄さん♡」
彼女の手には、葉巻……ではなく、カラフルなペロペロキャンディが握られている。
キャンディを舐めながら、彼女は妖艶に、かつ無邪気に微笑んだ。
この街の支配者にして、大陸全土の富を吸い上げる『CR 異世界転生』の生みの親。
賭博王・キュルリン。
「リベラちゃんまであっちに付いちゃうなんて、誤算だゾ☆ あの堅物メガネ、私のカジノで破産させてあげようと思ってたのにぃ」
キュルリンはプクッと頬を膨らませた。その仕草はアイドルのように可愛らしいが、彼女の周囲には、屈強なオークの用心棒たちが直立不動で震え上がっている。
彼女の機嫌一つで、この街の金(ゴールド)の流れが止まるからだ。
「まあ、いいや♪ 学校なんて『退屈』なもの、私がもっとドキドキする場所に変えてあげる」
彼女はモニターの中のカイトを指先でなぞった。
「待っててね、カイトお兄さん。……その農場、ぜーんぶ私の『カジノ・リゾート』にしちゃうから♡」
キュルリンは立ち上がり、ウィンクを決めた。
「さあ、パーティー(賭け)の始まりだヨ! 私の愛(欲望)で、骨の髄までしゃぶり尽くしてあげる!」
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