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四章 平和を願って【ミシュリーヌ】
第22話 旅路【オーギュスト】
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オーギュストは街の入口でブノワたちに合流すると、馬に飛び乗って魔獣の潜む街道を進んだ。他の領地に比べると時間はかかったが、それでも、数日すると領都を囲む塀が見えてくる。
「今日はこの辺りで野営にする。領都に入るのは、明日の朝だな」
「このまま進めば、今日中に領都に着きませんか?」
「ああ。可能だろうな。だが、公爵家の人間は私の顔を知っている。宿に入るところを目撃されたら面倒だ」
ブノワはオーギュストの返答に納得したように頷いた。相手の警戒具合は分からないから用心するに越したことはない。それに、領都に入る前に報告を受ける必要もある。
オーギュストは結界だけを張り、後は二人に任せて野営用の建物に入る。窓から様子を見てみると、二人は疲れも見せずにテキパキと野営の準備をしていた。
オーギュストはそれに安心して、ミシュリーヌたちの様子を確認することにする。ここ何日かの日課だ。安定した椅子に座り、魔法を発動して使役獣の視線に入り込む。
【今日も問題なく治療を終えました。明日の朝には、この街を離れる予定です】
使役獣の視界の先で、ミシュリーヌがニコニコとメモを見せてくる。オーギュストが入り込んだことにすぐ気がついたようだ。顔に疲れは見えないが、無理はしていないだろうか?
オーギュストはミシュリーヌを労いながら、クリストフを探す。オーギュストが使役獣に入る時間には、なるべく皆でいるようにと言ってある。
クリストフはミシュリーヌの後方で椅子に座り、面倒くさそうにこちらを見ていた。王弟に向けて良い視線ではないが、使役獣が相手なので許容すべきだろうか。過保護だと指摘されているような気がして居心地が悪い。
マリエルを探すと、【問題なし】というメモだけ見せられた。
ミシュリーヌの膝に乗せられて、他の者たちがぞろぞろと部屋を出ていくのを見送る。あちらは報告すべきこともなく、順調に進んでいるようだ。あとは二人で過ごせということだろう。のんびりとした空気が伝わってくる。
【あすにはりょうとにはいる】
オーギュストは文字がすべて書かれた紙を指さして、こちらの状況を手短に伝えた。あとはミシュリーヌと他愛のない言葉を交わす。食事をきちんと摂ったのか毎回確認されるので、別れの夜の心配は本心だったのだろう。
ミシュリーヌにリボンを三つ見せられて、選んだ一つを首元に飾られたところで時間切れとなった。
オーギュストが使役獣から抜け出すと、すぐにポールが呼びに来た。野営にも慣れたようで、食事の準備も早くなっている。
オーギュストは暮れかけた空の下で、二人と焚き火を囲んだ。ポールに渡されたスープには、よく煮込まれた魔獣肉が入っており、スプーンで崩すことができるほど柔らかい。一口すくって飲むと、魔獣の出汁が利いた優しい味がした。三人の旅を思い出すとしたら、毎日楽しみにしていたこの味だと思う。
「このスープも今日で最後だな」
「いつでも作りに行きますよ」
スープを作ったポールが嬉しそうに笑う。隣のブノワは二人の会話には加わらず、周囲を警戒しているようだ。
スープは数日分を一度に作って鍋ごとマジックバックに入れている。明日には街に着くのに、オーギュストはいつも通り数日分を作るようにと命令していた。ブノワはその言葉の裏まで読み取ったのだろう。
「今日はこの辺りで野営にする。領都に入るのは、明日の朝だな」
「このまま進めば、今日中に領都に着きませんか?」
「ああ。可能だろうな。だが、公爵家の人間は私の顔を知っている。宿に入るところを目撃されたら面倒だ」
ブノワはオーギュストの返答に納得したように頷いた。相手の警戒具合は分からないから用心するに越したことはない。それに、領都に入る前に報告を受ける必要もある。
オーギュストは結界だけを張り、後は二人に任せて野営用の建物に入る。窓から様子を見てみると、二人は疲れも見せずにテキパキと野営の準備をしていた。
オーギュストはそれに安心して、ミシュリーヌたちの様子を確認することにする。ここ何日かの日課だ。安定した椅子に座り、魔法を発動して使役獣の視線に入り込む。
【今日も問題なく治療を終えました。明日の朝には、この街を離れる予定です】
使役獣の視界の先で、ミシュリーヌがニコニコとメモを見せてくる。オーギュストが入り込んだことにすぐ気がついたようだ。顔に疲れは見えないが、無理はしていないだろうか?
オーギュストはミシュリーヌを労いながら、クリストフを探す。オーギュストが使役獣に入る時間には、なるべく皆でいるようにと言ってある。
クリストフはミシュリーヌの後方で椅子に座り、面倒くさそうにこちらを見ていた。王弟に向けて良い視線ではないが、使役獣が相手なので許容すべきだろうか。過保護だと指摘されているような気がして居心地が悪い。
マリエルを探すと、【問題なし】というメモだけ見せられた。
ミシュリーヌの膝に乗せられて、他の者たちがぞろぞろと部屋を出ていくのを見送る。あちらは報告すべきこともなく、順調に進んでいるようだ。あとは二人で過ごせということだろう。のんびりとした空気が伝わってくる。
【あすにはりょうとにはいる】
オーギュストは文字がすべて書かれた紙を指さして、こちらの状況を手短に伝えた。あとはミシュリーヌと他愛のない言葉を交わす。食事をきちんと摂ったのか毎回確認されるので、別れの夜の心配は本心だったのだろう。
ミシュリーヌにリボンを三つ見せられて、選んだ一つを首元に飾られたところで時間切れとなった。
オーギュストが使役獣から抜け出すと、すぐにポールが呼びに来た。野営にも慣れたようで、食事の準備も早くなっている。
オーギュストは暮れかけた空の下で、二人と焚き火を囲んだ。ポールに渡されたスープには、よく煮込まれた魔獣肉が入っており、スプーンで崩すことができるほど柔らかい。一口すくって飲むと、魔獣の出汁が利いた優しい味がした。三人の旅を思い出すとしたら、毎日楽しみにしていたこの味だと思う。
「このスープも今日で最後だな」
「いつでも作りに行きますよ」
スープを作ったポールが嬉しそうに笑う。隣のブノワは二人の会話には加わらず、周囲を警戒しているようだ。
スープは数日分を一度に作って鍋ごとマジックバックに入れている。明日には街に着くのに、オーギュストはいつも通り数日分を作るようにと命令していた。ブノワはその言葉の裏まで読み取ったのだろう。
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