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あとは父が良しなにされることでしょう。
お庭でお茶を飲んでいるとふたりの弟が駆け寄ってきました。
わが弟達ながら可愛い。
ふたり揃うと天使のよう。
思わず顔を緩めてふたりを迎えます。
「姉上、婚約解消は本当ですか?」
「ええ、そうよ」
「お姉さま、ならずっと家にいてくれる?」
「いずれまた誰かと婚約します。レイズ、あなたもそろそろ私を姉上と呼びなさい。ラスを見習って」
「はい、姉上」
椅子の肘掛けの両側をふたりに挟まれて、両方からなついてきてます。
ああ、天使。
金の巻き毛とはしばみ色のレイズ。
さらさらの銀髪と青い瞳のラス。
ふたりとも伸ばした髪をひとつに結んで、ふさふさの尻尾みたい。
なんて可愛らしい。
「それで、お姉さ、いえ。姉上の婚約はなくなったからしばらくは家にいてくれるんでしょう?」
「家にいる期間が延びたのはそうね。」
私はふたりの弟にとても慕われてます。
3人めを産んだ母はしばらくお体が回復せず、長く臥せってました。
その間、ふたりの面倒を見たのは私。
寂しがって泣くのを乳母と共に添い寝したり抱き締めたりと小さな母親として頑張って育てました。
そしてダドリー様と上手くいかない原因のひとつ。
だってこんなに可愛い天使に慕われて愛されてるんですもの。
情も尊敬もないダドリー様を慕う気になんかなれません。
崖にこの三人がぶら下がって誰から助けるかと聞かれたらこのふたりです。
ダドリー様は立派な殿方なのだから自力で登ればよろしいのです。
蹴落とされないだけ感謝してほしいくらい。
そのくらい愛情に差があります。
「ダドリー様と上手くいかない原因はあなた達だわ」
ポツリと呟きました。
「え、どうして、わかるの?」
「レイズ!しっ!」
「は?何?」
ふたりの様子に何のことか分からず目を丸くしました。
確かにこの子達は天使です。
でもそれは見掛けの話。
中身は私と変わらないしたたかさを持っています。
逃げ出そうとするのをガシッと掴んで二人を引きずって父のもとへ連れていくことにしました。
「お父様の前でお話を聞きます」
「姉上!ご、ごめんなさい!」
「お姉さま!許して!」
「お仕置きは反省次第ですわね」
「「ごめんなさいぃ!!」」
お庭でお茶を飲んでいるとふたりの弟が駆け寄ってきました。
わが弟達ながら可愛い。
ふたり揃うと天使のよう。
思わず顔を緩めてふたりを迎えます。
「姉上、婚約解消は本当ですか?」
「ええ、そうよ」
「お姉さま、ならずっと家にいてくれる?」
「いずれまた誰かと婚約します。レイズ、あなたもそろそろ私を姉上と呼びなさい。ラスを見習って」
「はい、姉上」
椅子の肘掛けの両側をふたりに挟まれて、両方からなついてきてます。
ああ、天使。
金の巻き毛とはしばみ色のレイズ。
さらさらの銀髪と青い瞳のラス。
ふたりとも伸ばした髪をひとつに結んで、ふさふさの尻尾みたい。
なんて可愛らしい。
「それで、お姉さ、いえ。姉上の婚約はなくなったからしばらくは家にいてくれるんでしょう?」
「家にいる期間が延びたのはそうね。」
私はふたりの弟にとても慕われてます。
3人めを産んだ母はしばらくお体が回復せず、長く臥せってました。
その間、ふたりの面倒を見たのは私。
寂しがって泣くのを乳母と共に添い寝したり抱き締めたりと小さな母親として頑張って育てました。
そしてダドリー様と上手くいかない原因のひとつ。
だってこんなに可愛い天使に慕われて愛されてるんですもの。
情も尊敬もないダドリー様を慕う気になんかなれません。
崖にこの三人がぶら下がって誰から助けるかと聞かれたらこのふたりです。
ダドリー様は立派な殿方なのだから自力で登ればよろしいのです。
蹴落とされないだけ感謝してほしいくらい。
そのくらい愛情に差があります。
「ダドリー様と上手くいかない原因はあなた達だわ」
ポツリと呟きました。
「え、どうして、わかるの?」
「レイズ!しっ!」
「は?何?」
ふたりの様子に何のことか分からず目を丸くしました。
確かにこの子達は天使です。
でもそれは見掛けの話。
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逃げ出そうとするのをガシッと掴んで二人を引きずって父のもとへ連れていくことにしました。
「お父様の前でお話を聞きます」
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「お仕置きは反省次第ですわね」
「「ごめんなさいぃ!!」」
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