しがない電気屋のおっさん、異世界で家電召喚ライフしてたら民から神格化され魔王から狙われる

長月 鳥

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おっさん身体検査す

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 「おぬし、逃亡者の身じゃろ? 顔見知りの前に出てきてええんか?」
 「構わんさ。こいつは私が王女を攫ったことも、ゴーレムを暴走させたことも知らない。まぁ知ったとて、魔王城からはもう二度と出られん。そうだろ?」
 「悪い女じゃ、まぁそうでなくては我らもおぬしを助け出さなかったがな」
 「感謝しているよ、ほとぼりが冷めるまで、助力しよう」

 ライオネットとドルガスが、コソコソとなにか話しているが、よく聞こえない……どう見ても悪い顔をしているから注意しないといけない気がする……ステラの保護者とはいえ、悪い噂は多いしな。

 「なんだよ、おっさん、あいつと知り合いなのか?」
 シービーが不思議そうに俺の顔を見上げた。
 「ああ、通ってた学校の先生だ」
 「先生……あんなサイコパスでも先生になれるんだな」
 「どういうことだよ」
 「種族問わずに孤児を拾って、自分の思うように洗脳し、実験体として使い捨てるって噂だぜ」
 「……笑えない冗談だぜ」
 「あくまでも噂だからな。だけど、あたいの直感が、あいつはサイコパスだって言っている」
 確かに、初めて会ったときから普通の人とは違うなって感じだったけど……学園でも色々な噂があったしな、火のない所に煙は立たぬ、か……なんだか、ステラのことが心配になってきた。

 「なぁライオネット先生。ステラは元気か?」
 俺はいてもたってもいられずに聞いた。

 「ステラ……私を売った裏切り者の名は忘れたよ」
 「裏切り者? どういうことだよ……まさかステラになんかしたんじゃないだろうな」
 「それよりも、お前は自分の心配をしたほうがいいんじゃないのか? 自分がここでなにをされるか……考えないわけじゃないだろう?」
 「そ、それは……」
 シービーが、あまりにもとっつきやすい奴だったから、だいぶ気が緩んでいたのは確かだ。ここは皆が恐れ、書物にも非道な行いが記されている魔王城……警戒すべきか。
 俺は空間に手を伸ばし、スタンガンを握りしめる。

 「なんてな、怖がらせて悪かった。そのメイドから聞いているんだろ? 今はルクス様の助けになってくれればそれでいい。誰もお前に危害は加えんさ」
 そう言って、白衣を翻し、ライオネットはどこかへ行ってしまった。
 なんだか、ものすごくはぐらかされた気がする。
 今度会ったら、ちゃんとステラのことを聞かないと。

 「ほれほれ、世間話はここまでじゃ。おぬしにはまず身体検査をしてもらう。服を着替えて診察所へ来なされ」
 ドルガスが、柔らかな口調でそう言うと、助手っぽい女性が病衣のような服を渡してきた。
 
 「身体検査……大丈夫なのかソレ」
 俺は思わずシービーを見下ろして尋ねた。
 「なんだよ、おっさんのくせに注射が怖いのか?」
 シービーが揶揄う様に言った。
 「そういうことじゃなくてだな」
 「ビビんなって、ただの身体検査だよ。変な病気とか持ってて感染が広がったらヤバイだろ?」
 「そ、そうだけど……」
 一理あるが……さすがに、警戒しすぎか。

 その後、身長体重、視力、聴力、血液検査などの本当にごく一般的な健康診断を受けた。
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