異世界で至った男は帰還したがファンタジーに巻き込まれていく

竹桜

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第四十九話 紅葉狩り

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 夏休みが終わり、学校が始まる。

 始まった学校ではファンタジー的な出来事に巻き込まれることはなく、季節は秋に移り変わっている。

 秋になったある日の休日に私、いや、私達はあるビルの上にいたのだ。

 ラナとリーヴはおめかししている。

 おめかししているラナとリーヴは片手でスカートを押さえている。

 私達の前にはヘリがある。

 そして、そのヘリは既にプロペラを回転させ、いつでも離陸出来るように準備しているのだ。

 私達はそのヘリに乗り込む。

 私達がヘリに乗り込むとプロペラの回転数を上げ、ヘリポートから離陸する。

 私達がヘリに乗っているのは詩花に招待されたのだ。

 紅葉狩りに。

 本当は新幹線で行こうとしたが、一緒に過ごせる時間を少しでも増やすためにヘリで移動している。

 と言っても移動時間はあまり変わらないが。

 ヘリなら直接行けるからという理由で乗っている。

 それに詩花は京都に住んでいるから、気軽に会えないからな。

 まぁ、その代わり夜はビデオ通話をしている。

 それから、2時間半ぐらいで到着する。

 到着したのは綺麗に紅葉した木々が広がっている場所だ。

 その木々の下には着物に身を包んだ詩花が待っている。

 「お待ちしていました。ラナ様、リーヴ様、樹様」

 詩花との挨拶を終えた後、私達は詩花に案内され、1番綺麗だと思われる場所に到着される。

 その場所の真ん中には畳が敷いてあって、その上には様々な和菓子が置かれていたのだ。

 どうやら、既に準備をしていてくれたようだ。

 私達は靴を脱ぎ、畳の上に乗る。

 私と詩花は正座で畳に座ったが、日本人ではないラナとリーヴは正座は出来ないので女の子座りで座っている。

 全員が座ってから紅葉狩りを始まる。

 ラナとリーヴは日本の綺麗な紅葉に見惚れながら、和菓子を食べている。

 詩花は綺麗な紅葉よりもそんな様子のラナとリーヴの方を向きながら、嬉しそうな表情を浮かべて、両手で和菓子を可愛らしく食べていたのだ。

 私は可愛らしい婚約者達の方を向きながら、和菓子を食べている。

 少し意味合いは違うが、花よりも団子よりも可愛い婚約者だな。

 そう言えば、こんな綺麗な紅葉なのに周りに殆ど人がいないな。

 「詩花。周りに人がいないみたいだが、ここは穴場なのか?」

 「いえ、ここはわたくしの屋敷の1つの庭なので、一般な方はいらしゃいません」

 突然の詩花の発言は私達は驚く。

 綺麗な紅葉に見惚れていたラナとリーヴの視線も詩花に集まっているのだ。

 「え、えっと、どういうことだ?」

 「わたくしの屋敷はこの山の全てなので、四季折々を楽しむことが出来ます」

 ほ、本当にお嬢様だな。

 詩花は。

 「皆様。どうかなさいましたか?」

 詩花はこてんっと可愛らしく小首を傾げている。

 将来、私は稼がないとな。

 3人を養えるぐらいには。

 その後、私達は和菓子を食べながら、綺麗な紅葉の下で楽しく過したのだ。
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