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第二話 転生
しおりを挟むどれだけの時間が経ったかは分からないが、私は意識を取り戻した。
周りを見渡したが、広がっていたのは真っ白な空間だけだったのだ。
ここはどこだ?
そんな疑問を抱いていると光り輝く何かが降りてきたのだ。
何か分からない筈なのに頭が理解する。
目の前にいるのは高位な存在であり、逆立ちしたとしても勝てないと。
警戒していると頭に声が響く。
(貴方の行いを見た)
行い?
最後のことか。
(肯定)
驚いたが、理解する。
思考が理解されていると。
「そうですか。それで、私に何用ですか?」
(我々は決定した。貴方を異世界に転生させると)
異世界に転生?
そんな漫画みたいなことが起きるのか?
(転生する際に何か1つだけ持っていける。何かを選択)
何かを1つだけ。
つまり、それは物でも才能でも何でも良いということか?
(肯定)
どうやら、本当のようだ。
なら、これしかないだろ。
憧れが叶うのだから。
私は即答で答えた。
自身の憧れを。
(了承)
光り輝く何かは消えていく。
それと共に真っ白な空間は崩れていく。
同時に足元が崩れ、何もない空間に落ちていく。
不思議と恐怖は無かった。
何故なら、根拠がないのにこれから転生すると理解出来たからだ。
また意識が途絶え、次に目を覚ますと私は小さくなっていた。
文字通り。
どうやら、赤ん坊に転生したようだな。
冷静に周りを見渡す。
中世ヨーロッパぐらいの文明レベル。
窓から外が見える。
外には西洋式の庭園が広がっているな。
部屋も広いことから、結構裕福な家に転生したようだ。
これは有り難い。
裕福であれば、やれることも広がる。
現状を理解すると入ってきたのだ。
メイド姿の女性が。
ヨーロッパ系の顔を立ちをしている。
そんな女性は私の世話を始める。
どうやら、私のお世話は使用人がしてくれているようだ。
さて、怪しまれないように赤ん坊を演じなければ。
地味に難しそうだな。
何とか赤ん坊を演じていると使用人は外に出掛けたのだ。
部屋の外は廊下だったが、高価そうな美術品が見える。
そんな廊下を散歩していると奥様と呼ばれる者と出会った。
どうやら、母親のようだ。
ならば、私も赤ん坊のように求めなければ。
両手を伸ばすと母親は優しい表情を浮かべて、抱っこしてくれる。
優しい方のようだ。
これには安心出来るな。
いくら裕福でも毒親だったら、目も当てられない。
優しい母親と別れ、私は元々いた部屋も戻る。
少し作業した後、使用人は部屋を後にする。
部屋に1人になった私はこれからのことを考えてしまう。
まだ動けないというのに。
考えていると私は寝てしまったのだ。
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