1つだけ何でも望んで良いと言われたので、即答で答えました

竹桜

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第十五話 備え

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 痛みと共に私は目を覚ます。

 どうやら、生き残ったようだな。

 周りを確認するとここが病院だと理解する。

 時間を確認すると20時だった。

 日にちも確認すると3日間が経過していた。

 つまり、3日間意識が無かったことになる。

 涙が出てしまう。

 3日も討伐にいけなかったことに。

 そこでやっと気が付く。

 左足の膝から先の感覚が無いことに。

 躊躇うことなく、私は布団をめくる。

 すると、私の左足の膝から先が無くなっていたのだ。

 ただ包帯が巻いてあるだけ。

 そんな状態を理解した私は笑いがこみ上げてくる。

 抑えたい筈なのに漏れ出してしまう。

 ああ、最高だ。

 これで更に憧れに近づけた。

 気分が良くなり、踊り出しそうになってしまう。

 まぁ、今は片足なので踊れないが。

 ベッドの横には私の服や私物が置いてあった。

 一応、制服を確認してみたが、やっぱりズボンは使い物にならない。

 後で変えないとな。

 そんなことを思いながら、制服をたたみ直す。

 さて、そろそろ取り出すか。

 私は携帯用の魔法袋からあるものを取り出す。

 それはシンプルな箱だった。

 迷うことなく、シンプルの箱を開ける。

 すると、そこには鉄製の義足が入っていたのだ。

 やっぱり、準備して置いて良かった。

 フラムメと出会ってから。

 まだ傷口が完璧には治ってないので、包帯は外さずにカバーをつける。

 カバーをつけたら、義足をそのままつけたのだ。

 義足を装着したら、専用の工具で調整していく。

 調整を終えた私はベットから降りて、立ってみる。

 うん、大丈夫そうだな。

 いや、もう少しだけ高さが必要だな。

 足踏みをしながら、調整を続けていく。

 5分後くらいに調整が終わる。

 まだ成長期だから直ぐに調整が必要になると思うが、今はこれでいいか。

 調整を終えた私は病室から抜け出す。

 幸いにも一階だったので、窓を乗り越えるだけだった。

 外には星空が広がっていたのだ。

 そんな夜空の下を歩いていく。

 ある場所に向かって。

 抜け出すのも最高の気分だ。

 これからのことを考えても。

 気分良く歩いていたが、少しだけ体勢を崩してしまう。

 おっと、まだ慣れないな。

 こればっかりは慣れないと。

 まぁ、それは追々だな。

 暫く歩いていると知っている道に出たのだ。

 少し散策したが、そこまで時間は掛かってないな。

 なら、移動時間はそこまで掛からない。

 そんなことを考えながら、目的地に向かう。

 歩いていると到着したのだ。

 フラムメがいる竜小屋に。

 様子が気になり、見に来たのだ。

 まぁ、リリィさんのことだ。

 食事は出しているだろう。

 それでも気になったのだ。

 私は竜小屋に入ったのだが、驚いてしまった。

 何故なら、リリィさんがいたからだ。

 リリィさん達も驚いた表情を浮かべていたが。

 
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