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出発・別離・帰宅・番(つがい)編 別離
巨塊調査の現場にて 調査継続
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調査員達の、巨塊との遭遇の予想は当たった。
「ちょっと、これ、見てくださいよ」
掘削作業員の一人が調査員達を呼ぶ声が響く。
太陽の光が届かない、深くなった洞窟の奥。しかし魔術による照明がコンスタントに設置され、暗闇による死角はない。
そんな中で一人の作業員が見つけた不審点。
日の光が当たらないその奥は、それでも地熱が下から伝わるほどではないため温度が低い。
洞窟内部の表面は湿り気が十分あることは一目ですぐにわかる。
そんな湿り気が見られる中、その質が周囲と違う箇所がある。
「ぬめりがありますね。光の反射が見られます。今までのような速いペースで掘り進むのは危険かと思われます」
作業員達も、ただ掘削と瓦礫の運搬だけすればいいというものではない。
地質の変化にも注意深く、巨塊に対する知識も叩き込んでなければこの作業を順調に進めることは難しい。
そしてそのぬめりは、セレナには見覚えがある。
「巨塊が動いた跡、よね」
「しかし、ということはこれも結晶化して宝石に変わるんじゃ……」
「宝石に変わるのは巨塊の体の一部。あくまでもこれは足跡、移動の痕跡よ。もし巨塊の知能が高かったら待ち伏せしてる可能性もあるわね」
調査員同士の会話に作業員が入る。
「今日の作業の予定もそろそろ終わります。休憩は十分とは言え、疲労すべて解消されているわけじゃない。巨塊の急襲があれば被害は出ます。ここは……」
「うん。今日の作業はここまでにした方がいいんじゃないかと思う」
セレナの提案にその場にいる調査団の全員が同意する。
洞窟の入り口で待機していたウルヴェスに一部始終を報告。
「良い判断だったな。良く全員無事に戻ってきてくれた」
「もしやと思い、天井の方も見ましたが、同様のぬめりはありませんでした。何より気配がありません。魔力を感知しようと思ったのですが、魔力を失いながらも生存している可能性がありますので、魔力の存在を感知しないからそこには巨塊はいないという思い込みを避けたかったので……」
調査員の一人がセレナに続いて報告をする。
「力場針でも調査しましたが、昨日と同様、全く感知しません。しかしぬめりによる光の反射はありましたので、重力に逆らえず下に潜ってからそんなに時間はたってないものと思います」
「うむ、全員いい判断をしてくれた。掘削作業員はその提案通り、進行速度を速めず、周囲に十分注意すること。それと明日からは作業前に、急襲されても抵抗できる魔力防御を妾が直にかける。慌てずに行動すれば怪我なく生還できるはずだ。調査員も感知範囲を広めること。セレナ、いろいろと負担をかけるが全員の警護も同時に頼むぞ」
自分の命を大事にするなら、この時点で作業撤収するのも悪くはない。
しかし人材よりも国と国民を憂う心を優先し実行した法王ウルヴェス。
その心意気に感動し、勇気づけられた者も少なくはない。
オルデン王国、そして天流法国の歴史上最悪の事態を招いた元凶に止めを刺し、国民全員の平穏な日々を取り戻すための計画からここで降りようとする者はいなかった。
それはセレナも同様であり、何かしらの調査結果を得るまでは、今回の件も仮に襲撃を受けたとしてもただ逃げ帰るつもりはなかった。
この日の朝もそうだったが、この時間も『法具店アマミ』のカウンターには、突然の手紙が現れる。
「今日も特に異常はないんだそうだ。ただ巨塊の存在の痕跡は見つかったんだと」
「無事に戻ってきたら、またいつもの毎日ですよね。あ、そしたらこの件の後は、この『法具店アマミ』の三人目の正式なスタッフになるための……」
「お前はまだまだ力不足だな」
希望に満ちた目をするシエラを店主は一蹴。シエラにとって、多少何事もないとは言えない『法具店アマミ』の一日は終わった。
「ちょっと、これ、見てくださいよ」
掘削作業員の一人が調査員達を呼ぶ声が響く。
太陽の光が届かない、深くなった洞窟の奥。しかし魔術による照明がコンスタントに設置され、暗闇による死角はない。
そんな中で一人の作業員が見つけた不審点。
日の光が当たらないその奥は、それでも地熱が下から伝わるほどではないため温度が低い。
洞窟内部の表面は湿り気が十分あることは一目ですぐにわかる。
そんな湿り気が見られる中、その質が周囲と違う箇所がある。
「ぬめりがありますね。光の反射が見られます。今までのような速いペースで掘り進むのは危険かと思われます」
作業員達も、ただ掘削と瓦礫の運搬だけすればいいというものではない。
地質の変化にも注意深く、巨塊に対する知識も叩き込んでなければこの作業を順調に進めることは難しい。
そしてそのぬめりは、セレナには見覚えがある。
「巨塊が動いた跡、よね」
「しかし、ということはこれも結晶化して宝石に変わるんじゃ……」
「宝石に変わるのは巨塊の体の一部。あくまでもこれは足跡、移動の痕跡よ。もし巨塊の知能が高かったら待ち伏せしてる可能性もあるわね」
調査員同士の会話に作業員が入る。
「今日の作業の予定もそろそろ終わります。休憩は十分とは言え、疲労すべて解消されているわけじゃない。巨塊の急襲があれば被害は出ます。ここは……」
「うん。今日の作業はここまでにした方がいいんじゃないかと思う」
セレナの提案にその場にいる調査団の全員が同意する。
洞窟の入り口で待機していたウルヴェスに一部始終を報告。
「良い判断だったな。良く全員無事に戻ってきてくれた」
「もしやと思い、天井の方も見ましたが、同様のぬめりはありませんでした。何より気配がありません。魔力を感知しようと思ったのですが、魔力を失いながらも生存している可能性がありますので、魔力の存在を感知しないからそこには巨塊はいないという思い込みを避けたかったので……」
調査員の一人がセレナに続いて報告をする。
「力場針でも調査しましたが、昨日と同様、全く感知しません。しかしぬめりによる光の反射はありましたので、重力に逆らえず下に潜ってからそんなに時間はたってないものと思います」
「うむ、全員いい判断をしてくれた。掘削作業員はその提案通り、進行速度を速めず、周囲に十分注意すること。それと明日からは作業前に、急襲されても抵抗できる魔力防御を妾が直にかける。慌てずに行動すれば怪我なく生還できるはずだ。調査員も感知範囲を広めること。セレナ、いろいろと負担をかけるが全員の警護も同時に頼むぞ」
自分の命を大事にするなら、この時点で作業撤収するのも悪くはない。
しかし人材よりも国と国民を憂う心を優先し実行した法王ウルヴェス。
その心意気に感動し、勇気づけられた者も少なくはない。
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それはセレナも同様であり、何かしらの調査結果を得るまでは、今回の件も仮に襲撃を受けたとしてもただ逃げ帰るつもりはなかった。
この日の朝もそうだったが、この時間も『法具店アマミ』のカウンターには、突然の手紙が現れる。
「今日も特に異常はないんだそうだ。ただ巨塊の存在の痕跡は見つかったんだと」
「無事に戻ってきたら、またいつもの毎日ですよね。あ、そしたらこの件の後は、この『法具店アマミ』の三人目の正式なスタッフになるための……」
「お前はまだまだ力不足だな」
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