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巨塊討伐編 第一章:「天美法具店」店主、未知の世界と遭遇
『天美法具店』の店主の後悔の始まり 7
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『天美法具店』の扉に、自分は異世界から飛ばされてきたと説明したセレナが術をかけた。
自分の世界に戻るための素材を入れ替え、転移できる魔法と細工を施したのだがセレナは何を思ったのか、転移するための手順を踏んだ後、店主を無理矢理引っ張り込んで転移先の世界に連れ込んでしまった。
『天美法具店』の中から見える風景の中に足を踏み入れることになるはずが、なぜか同じような建物の中に足を踏み入れていた。
店主が呆然としている間に、セレナはその建物の中を駆けている。
内部の四隅に何か術をかけていたようだが、店主と会話できるためであることは店主には理解できたが、彼の心境はそれどころではない。
だがそんな彼の思いよりも、セレナは自分の思いの方を優先する。
「テンシュさん! ありがとうございます! ここ、私のお店なんです! 無事に帰ることが出来ました! テンシュさんのおかげです!」
呆気に取られている店主。
「えーと……セレナさん?」
一生かけても戻れないかもしれない故郷に戻ることが出来たようで、うれし涙を流しているセレナに店主は声をかける。
「ありがとうございました。もう帰れないと思ってました……。あ、は、はい……なんでしょう?」
「なんでしょうじゃねぇよ! ちらっと時計見たら八時まであと二十分くらいしかなかったんだよ! 従業員が来ても店主の俺がいなかったら向こうで大騒ぎになるだろうが! 俺を戻せよ! 俺はどうすりゃ戻れるんだ?!」
「あ……あの、少しゆっくりしていかれませんか? お茶でも……」
会話が噛み合わない。
「いいから戻せっつんだ! 飯も食ってねぇし顔も洗ってねぇし髭も剃ってねぇ! 着替えもしてねぇ!」
「あ、あの……私も戻って来たこの世界の時間は、多分爆発直後の時間だと思います……」
「だからなんだ! 今の俺に関係ねぇだろうが!」
「ですから、おそらくテンシュさんが戻ったら、ここに来る直後の時間になるんじゃないでしょうか」
「そんなこと言い切れる根拠がどこにある! 俺にもやらなきゃならんことがいろいろあるんだよ! お前のトラブルは俺には関係ないだろ? なんで無理矢理連れて来る必要があるんだよ!」
店主はこの店の中を見渡す。時計らしきものが、『天美法具店』の時計と同じ位置にあった。
八時二十分前を差している。
「あのアクロアイトも撤去してもらう! 余計な問題押し付けんな!」
「と、とりあえずテンシュさんにはあそこに戻ってもらいますね」
店主の怒りの剣幕に押され、セレナは同じような手順を踏む。
その店内から見える風景は店主が見慣れた風景ではなかった。真っ先に気付いた違いは、道路はアスファルトなどではなく土と砂利が露出した地面。そして電信柱が見当たらず、電線もないこと。別の場所であることは分かったが、別世界かどうかは店主にはまだ不明だった。
「さぁ、扉を抜けてみてください。そちらのお店の中になると思います」
戻ることが出来なかったらば、針千本どころじゃない。代償として何かをしてもらうにも、思い浮かぶすべての事が代償になりはしない。
しかし店主が扉を通り抜けると、いつもの見慣れた『天美法具店』の中。
五分以上は経っていたはず。しかし時刻は八時二十分前。セレナの言う通り、時間は進んでいないようだ。
だが今の店主はセレナの話どころではない。
朝食は時間が余ってたらでいい。洗顔とひげ剃りを済ます。着替えも終わらせて店舗に戻ると、入り口の外では二人ほど従業員が塊の方を見てハトが豆鉄砲を食らっているような顔をしていた。
自分の世界に戻るための素材を入れ替え、転移できる魔法と細工を施したのだがセレナは何を思ったのか、転移するための手順を踏んだ後、店主を無理矢理引っ張り込んで転移先の世界に連れ込んでしまった。
『天美法具店』の中から見える風景の中に足を踏み入れることになるはずが、なぜか同じような建物の中に足を踏み入れていた。
店主が呆然としている間に、セレナはその建物の中を駆けている。
内部の四隅に何か術をかけていたようだが、店主と会話できるためであることは店主には理解できたが、彼の心境はそれどころではない。
だがそんな彼の思いよりも、セレナは自分の思いの方を優先する。
「テンシュさん! ありがとうございます! ここ、私のお店なんです! 無事に帰ることが出来ました! テンシュさんのおかげです!」
呆気に取られている店主。
「えーと……セレナさん?」
一生かけても戻れないかもしれない故郷に戻ることが出来たようで、うれし涙を流しているセレナに店主は声をかける。
「ありがとうございました。もう帰れないと思ってました……。あ、は、はい……なんでしょう?」
「なんでしょうじゃねぇよ! ちらっと時計見たら八時まであと二十分くらいしかなかったんだよ! 従業員が来ても店主の俺がいなかったら向こうで大騒ぎになるだろうが! 俺を戻せよ! 俺はどうすりゃ戻れるんだ?!」
「あ……あの、少しゆっくりしていかれませんか? お茶でも……」
会話が噛み合わない。
「いいから戻せっつんだ! 飯も食ってねぇし顔も洗ってねぇし髭も剃ってねぇ! 着替えもしてねぇ!」
「あ、あの……私も戻って来たこの世界の時間は、多分爆発直後の時間だと思います……」
「だからなんだ! 今の俺に関係ねぇだろうが!」
「ですから、おそらくテンシュさんが戻ったら、ここに来る直後の時間になるんじゃないでしょうか」
「そんなこと言い切れる根拠がどこにある! 俺にもやらなきゃならんことがいろいろあるんだよ! お前のトラブルは俺には関係ないだろ? なんで無理矢理連れて来る必要があるんだよ!」
店主はこの店の中を見渡す。時計らしきものが、『天美法具店』の時計と同じ位置にあった。
八時二十分前を差している。
「あのアクロアイトも撤去してもらう! 余計な問題押し付けんな!」
「と、とりあえずテンシュさんにはあそこに戻ってもらいますね」
店主の怒りの剣幕に押され、セレナは同じような手順を踏む。
その店内から見える風景は店主が見慣れた風景ではなかった。真っ先に気付いた違いは、道路はアスファルトなどではなく土と砂利が露出した地面。そして電信柱が見当たらず、電線もないこと。別の場所であることは分かったが、別世界かどうかは店主にはまだ不明だった。
「さぁ、扉を抜けてみてください。そちらのお店の中になると思います」
戻ることが出来なかったらば、針千本どころじゃない。代償として何かをしてもらうにも、思い浮かぶすべての事が代償になりはしない。
しかし店主が扉を通り抜けると、いつもの見慣れた『天美法具店』の中。
五分以上は経っていたはず。しかし時刻は八時二十分前。セレナの言う通り、時間は進んでいないようだ。
だが今の店主はセレナの話どころではない。
朝食は時間が余ってたらでいい。洗顔とひげ剃りを済ます。着替えも終わらせて店舗に戻ると、入り口の外では二人ほど従業員が塊の方を見てハトが豆鉄砲を食らっているような顔をしていた。
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