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巨塊討伐編 第四章:遅れてきた者
非力な力を結集させて 4
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ミールが思わず店主に問いただした。
「……っていうか、この店、俺は辞めるつもりだったが? って言うか、いつでも辞めたがってたんだが?」
店主の答えはウィーナも驚かした。
「な……いや、だっていつも仕事は真剣にやってたじゃない。辞めたがる素振り、フリだったんでしょ? ホントに辞めたかったの?」
「あたしたちの事……遊びだったのねーっ!」
「ミールちゃん、それは流石にふざけすぎ。……テンシュさん、私達をこんな風にして用が済んだらポイってわけ?」
「ヒューラーもふざけないでよ……。強ち間違っちゃいないけど」
「フォローになってねぇよ、キューリア。事情知らない全員がドン引きしてるぞ」
そう言う、事情を知っているブレイドはその三人にドン引き。
「……ばぁか言ってねぇで、三人が運ばれて来たら安静にさせる場所キープしてんだろうな?」
救出計画実行中、セレナとプライベートでも親交があるキューリアをはじめとする他の冒険者チームのメンバー達で、彼女のベッドと他二人分の寝具を『法具店アマミ』の二階の彼女の住まいに用意済み。
「あとは快復できる道具とかがあればいいんだろうがよぉ……」
「ねぇよ」
思案するエンビーに、仰向けのまま店主があっさりと否定する。
体力回復を諦めろとでも言うつもりか。
彼女達三人の回復を願う者達から正気を疑うような視線を浴びる店主。だが目を閉じたままの店主はそれに気付かない。
「栄養剤とかで十分じゃねぇのか? あと睡眠か。俺が思った通り、魔力がスッカラカンだったから魔力回復がまず先だろうな。そんな都合の良い道具はねぇよ。あるなら道具じゃなくて薬だろ。そっちについては俺は知らん。専門家に任せりゃいいさ」
依頼人の体に合わせてオーダーメイドで道具や装備を作る店主。ならばどんな体調でも店主なら即座に治してくれると思い込んでいた者達は考えを改める。
「そ、そう言やそうだな。テンシュさんなら何でもできると思い込んでた。済まない」
「好かれようが嫌われようが、俺は別に何とも思わねぇよ。出来ることはする。出来なきゃやらん。それだけだ」
ゆっくりと上半身を起こす店主。
「俺も体調は戻っちゃいねぇが、そろそろ三人の到着する頃か? で、その薬みたいなモンとかは用意してるのか? 運び出すときにうなされてたっぽかったからとか手遅れじゃねぇとは思うが、打てる手は打っといた方がいいと思うぜ?」
出入り口のドアは曇りガラスのように、ドアの向こうは明確には見えない。店主がいつでも自分の世界に戻れるように、常にドアは締められているが、今は被害者が店に到着次第すぐに安静にさせるために今は開け放たれている。
療養所や魔術所に連れていく方がいいのではないかという意見もあったが、彼らの専門知識に症状を合わせて診断され、診立て違いになった時に手遅れになる可能性がある。対処療法も必要だが原因療法の処置の必要があることを考えると、片寄った診断をするわけにはいかない。その両者はどちらかというと対立関係になっているため、原因不明である限りは即座にどちらかに運び込む判断は避けるべき。
国から派遣されてきた役人のその判断が決め手となり、一旦『法具店アマミ』に運び込むことになった。
店の外がざわめきだす。
間もなく動物車が到着し、店内外にいる者達の連携で被害者の三人は二階に運び込まれた。
役人もその後についていき、三人の様子を見る。
「役人さんもお医者さん出来るの?」
ミールは頼もしそうな目つきで彼を見る。
「素人だけど大体の診断は出来るよ。三人ともこのまま休ませるだけで十分なようだ。けど余所様の住まいに職員を休ませるのは心苦しいな。かといって移動させるのも……」
「いいんじゃないですか? セレナはそこまで器量狭くないですよ」
キューリアの言葉で、張り詰めた空気がようやく緩む。
「なら風呂場を借りたらどうだ? ニードル。テンシュさんの鼻水、ついたままだろう?」
スウォードの言葉に笑いが起こる。
「あれ? そう言えばテンシュさんは? 下で大の字から起き上がったと思ったけど。スピード出し過ぎたこと謝んなくちゃ」
ニードルが一階に向かって声をかける。下にいる者達が店主を探す。
「あれ? いないよ?」
「外かな?」
「店外には出ないって言ってたよ?」
「出るとこも見とらん。中にいるんじゃないかの?」
店の出入り口付近でちょっとした騒ぎが起きる。
その張本人は……
「すまん、みんな。ちょっと遅れた」
「問題ないですよ、社長。でもなんか服が乱れてません?」
「あぁ、まぁ、な。んじゃいつものように仕事してるから何かあったら作業場に呼びに来て。じゃ、よろしく」
体の調子を何とか戻し、何食わぬ顔ですでに『天美法具店』に戻っていた。
「……っていうか、この店、俺は辞めるつもりだったが? って言うか、いつでも辞めたがってたんだが?」
店主の答えはウィーナも驚かした。
「な……いや、だっていつも仕事は真剣にやってたじゃない。辞めたがる素振り、フリだったんでしょ? ホントに辞めたかったの?」
「あたしたちの事……遊びだったのねーっ!」
「ミールちゃん、それは流石にふざけすぎ。……テンシュさん、私達をこんな風にして用が済んだらポイってわけ?」
「ヒューラーもふざけないでよ……。強ち間違っちゃいないけど」
「フォローになってねぇよ、キューリア。事情知らない全員がドン引きしてるぞ」
そう言う、事情を知っているブレイドはその三人にドン引き。
「……ばぁか言ってねぇで、三人が運ばれて来たら安静にさせる場所キープしてんだろうな?」
救出計画実行中、セレナとプライベートでも親交があるキューリアをはじめとする他の冒険者チームのメンバー達で、彼女のベッドと他二人分の寝具を『法具店アマミ』の二階の彼女の住まいに用意済み。
「あとは快復できる道具とかがあればいいんだろうがよぉ……」
「ねぇよ」
思案するエンビーに、仰向けのまま店主があっさりと否定する。
体力回復を諦めろとでも言うつもりか。
彼女達三人の回復を願う者達から正気を疑うような視線を浴びる店主。だが目を閉じたままの店主はそれに気付かない。
「栄養剤とかで十分じゃねぇのか? あと睡眠か。俺が思った通り、魔力がスッカラカンだったから魔力回復がまず先だろうな。そんな都合の良い道具はねぇよ。あるなら道具じゃなくて薬だろ。そっちについては俺は知らん。専門家に任せりゃいいさ」
依頼人の体に合わせてオーダーメイドで道具や装備を作る店主。ならばどんな体調でも店主なら即座に治してくれると思い込んでいた者達は考えを改める。
「そ、そう言やそうだな。テンシュさんなら何でもできると思い込んでた。済まない」
「好かれようが嫌われようが、俺は別に何とも思わねぇよ。出来ることはする。出来なきゃやらん。それだけだ」
ゆっくりと上半身を起こす店主。
「俺も体調は戻っちゃいねぇが、そろそろ三人の到着する頃か? で、その薬みたいなモンとかは用意してるのか? 運び出すときにうなされてたっぽかったからとか手遅れじゃねぇとは思うが、打てる手は打っといた方がいいと思うぜ?」
出入り口のドアは曇りガラスのように、ドアの向こうは明確には見えない。店主がいつでも自分の世界に戻れるように、常にドアは締められているが、今は被害者が店に到着次第すぐに安静にさせるために今は開け放たれている。
療養所や魔術所に連れていく方がいいのではないかという意見もあったが、彼らの専門知識に症状を合わせて診断され、診立て違いになった時に手遅れになる可能性がある。対処療法も必要だが原因療法の処置の必要があることを考えると、片寄った診断をするわけにはいかない。その両者はどちらかというと対立関係になっているため、原因不明である限りは即座にどちらかに運び込む判断は避けるべき。
国から派遣されてきた役人のその判断が決め手となり、一旦『法具店アマミ』に運び込むことになった。
店の外がざわめきだす。
間もなく動物車が到着し、店内外にいる者達の連携で被害者の三人は二階に運び込まれた。
役人もその後についていき、三人の様子を見る。
「役人さんもお医者さん出来るの?」
ミールは頼もしそうな目つきで彼を見る。
「素人だけど大体の診断は出来るよ。三人ともこのまま休ませるだけで十分なようだ。けど余所様の住まいに職員を休ませるのは心苦しいな。かといって移動させるのも……」
「いいんじゃないですか? セレナはそこまで器量狭くないですよ」
キューリアの言葉で、張り詰めた空気がようやく緩む。
「なら風呂場を借りたらどうだ? ニードル。テンシュさんの鼻水、ついたままだろう?」
スウォードの言葉に笑いが起こる。
「あれ? そう言えばテンシュさんは? 下で大の字から起き上がったと思ったけど。スピード出し過ぎたこと謝んなくちゃ」
ニードルが一階に向かって声をかける。下にいる者達が店主を探す。
「あれ? いないよ?」
「外かな?」
「店外には出ないって言ってたよ?」
「出るとこも見とらん。中にいるんじゃないかの?」
店の出入り口付近でちょっとした騒ぎが起きる。
その張本人は……
「すまん、みんな。ちょっと遅れた」
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