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法王依頼編 第六章:異世界にも日本文化の対戦競技があるらしい
依頼・素材探しの壁 1
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セレナはウルヴェスを一人部屋に残すことを気に掛ける。
しかし気に留めてる暇はない。素材があるかどうかがまず問題である。
動物で客車をけん引する動物車をセレナが手配し、二人でかつて巨塊へたどる道であるトンネルへ向かう。
しかし店主にはそこで見つかる予感はしない。
それでもわずかでも可能性があるならそこへ向かうしかない。
なぜなら、他に心当たりがある場所はないのだから。
『天美法具店』の前に置き去りにされたくらいの大きな宝石の塊。
その性質は単独で混じり気なしの物。
力の中身までは詳しく見てはいない。しかし純正の物ならば、他の種類でも同じような性質の石はたくさんあるはず。
しかし見つかる可能性はおそらく低い。
巨塊の活動が大人しくなったからだ。巨塊の体の一部だった物だから、希望通りの石が採掘されるまで活発に活動させるのは、あまりにデメリットが多すぎる。
現場を見るまでの店主に出来ることは、とにかく頭を働かせることだけ。
そして一刻も早く現場に到着することを願った。
セレナ達の救出計画の時には静まり返っていた坑道四本の現場に到着した。
それが、おそらくは宝石を採り出して一山当てようという冒険者達で賑わっている。
もう突然の意識不明に陥る心配がなくなったから当然とはいえ、店主がのない坑道に到着する。
とは比べ物にならないほど、幅、高さが拡大されている。
「力の判別が出来なくても、質の良い宝石が採れると分かったんだな……」
「欲ってすごい力を発揮するものなのね……」
四本ある坑道のうち、真ん中の二本の間の壁がかなり狭まっている。
一日かければ二本分以上の幅のトンネルが出来上がるだろう。
仕切られている壁の幅は店主の身長分くらいしかない。
恐らくその壁はずっと残るのだろう。壁を切り崩す理由がないからである。
「……ここ以外に採れるアテはない。奥に進んでみるか……」
店主がこの世界に腰を落ち着けてから二十年。
冒険者の間でかなり顔を知られるようになったが、この現場では店主を見てもその人と気付かれることはほとんどない。
セレナは随分顔が広いようだ。方々から声をかけられるが、そのついでとしても店主は声をかけられることはない。
「あれ? テンシュさんじゃね? どしたの、こんなところまで? あ、店の仕入れか」
「……お前らの名前が何だったかは覚える気はない。だが『風刃隊』ってのは覚えてる。お前らこそ何しに来てんだ。もう斡旋所から薦められる依頼は数多くあるだろうに」
「名前忘れたって……バイトしに来た人の名前くらいは覚えようよ……」
声をかけてきたのはギース。続いて爬虫類獣人族の双子姉妹が顔を見せる。
「ウィーナちゃん、ミールちゃんも一緒なのね。今日はここに三人?」
「奥の方に他の二人もいるよ。セレナさんとテンシュ、どうしたの? ここに何か用事?」
「あぁ……物作りの依頼をちょっとな……」
店主は行動の奥を見ている。
普通なら日の射す所ではないのだが、魔力による光の術のせいか、奥の奥まで光が届いている。
坑道の壁、天井、そして地面まで掘り起こす冒険者達。
「何なんだよこいつら。どこから湧いてきた」
「俺らもそうなんだけどさ。斡旋所の依頼って、それなりに危険もあるわけよ」
店主の独り言にギースが答える。
土木作業の恰好をしているが、その下には普段の装備をしているようだ。
双子姉妹も似たような服装。三人とも頭には兜の類ではなく、ヘルメットをかぶっている。
普段手にしている剣や杖が、ツルハシやシャベルになり、まるでこっちが本職のように見える。
「私達に来る依頼って、大なり小なり命の危険ってのが必ずあるのよ。私達にとって容易い依頼はあるけど、そんな依頼は私達よりも力が劣るチームに譲るってこともあるのね」
ウィーナの説明にうんざりする店主。
「前に聞いたな、そんな話。すると今では新人たちに依頼が殺到か。新人冒険者達にけが人続出だぞ、それ」
「あ、テンシュさん、どうしたんです? あぁ、品物作りの材料集めですか?」
声をかけてきたのはミュール。やはり似たような服装をしている。
しかし手にしているのは一輪の手押し車。宝石の塊を乗せて運んでいる。
「おぅ……。お前、それ……」
店主はミュールに近寄る。実際にはミュールではなく、運ばれている物に近寄っていく。
「奥で採れた宝石です。お眼鏡に適います? あとでテンシュさんのところに持っていくこともあるかもです。……テンシュさん、どうしました?」
ミュールは店主の顔が青ざめていくのを見た。
しかし気に留めてる暇はない。素材があるかどうかがまず問題である。
動物で客車をけん引する動物車をセレナが手配し、二人でかつて巨塊へたどる道であるトンネルへ向かう。
しかし店主にはそこで見つかる予感はしない。
それでもわずかでも可能性があるならそこへ向かうしかない。
なぜなら、他に心当たりがある場所はないのだから。
『天美法具店』の前に置き去りにされたくらいの大きな宝石の塊。
その性質は単独で混じり気なしの物。
力の中身までは詳しく見てはいない。しかし純正の物ならば、他の種類でも同じような性質の石はたくさんあるはず。
しかし見つかる可能性はおそらく低い。
巨塊の活動が大人しくなったからだ。巨塊の体の一部だった物だから、希望通りの石が採掘されるまで活発に活動させるのは、あまりにデメリットが多すぎる。
現場を見るまでの店主に出来ることは、とにかく頭を働かせることだけ。
そして一刻も早く現場に到着することを願った。
セレナ達の救出計画の時には静まり返っていた坑道四本の現場に到着した。
それが、おそらくは宝石を採り出して一山当てようという冒険者達で賑わっている。
もう突然の意識不明に陥る心配がなくなったから当然とはいえ、店主がのない坑道に到着する。
とは比べ物にならないほど、幅、高さが拡大されている。
「力の判別が出来なくても、質の良い宝石が採れると分かったんだな……」
「欲ってすごい力を発揮するものなのね……」
四本ある坑道のうち、真ん中の二本の間の壁がかなり狭まっている。
一日かければ二本分以上の幅のトンネルが出来上がるだろう。
仕切られている壁の幅は店主の身長分くらいしかない。
恐らくその壁はずっと残るのだろう。壁を切り崩す理由がないからである。
「……ここ以外に採れるアテはない。奥に進んでみるか……」
店主がこの世界に腰を落ち着けてから二十年。
冒険者の間でかなり顔を知られるようになったが、この現場では店主を見てもその人と気付かれることはほとんどない。
セレナは随分顔が広いようだ。方々から声をかけられるが、そのついでとしても店主は声をかけられることはない。
「あれ? テンシュさんじゃね? どしたの、こんなところまで? あ、店の仕入れか」
「……お前らの名前が何だったかは覚える気はない。だが『風刃隊』ってのは覚えてる。お前らこそ何しに来てんだ。もう斡旋所から薦められる依頼は数多くあるだろうに」
「名前忘れたって……バイトしに来た人の名前くらいは覚えようよ……」
声をかけてきたのはギース。続いて爬虫類獣人族の双子姉妹が顔を見せる。
「ウィーナちゃん、ミールちゃんも一緒なのね。今日はここに三人?」
「奥の方に他の二人もいるよ。セレナさんとテンシュ、どうしたの? ここに何か用事?」
「あぁ……物作りの依頼をちょっとな……」
店主は行動の奥を見ている。
普通なら日の射す所ではないのだが、魔力による光の術のせいか、奥の奥まで光が届いている。
坑道の壁、天井、そして地面まで掘り起こす冒険者達。
「何なんだよこいつら。どこから湧いてきた」
「俺らもそうなんだけどさ。斡旋所の依頼って、それなりに危険もあるわけよ」
店主の独り言にギースが答える。
土木作業の恰好をしているが、その下には普段の装備をしているようだ。
双子姉妹も似たような服装。三人とも頭には兜の類ではなく、ヘルメットをかぶっている。
普段手にしている剣や杖が、ツルハシやシャベルになり、まるでこっちが本職のように見える。
「私達に来る依頼って、大なり小なり命の危険ってのが必ずあるのよ。私達にとって容易い依頼はあるけど、そんな依頼は私達よりも力が劣るチームに譲るってこともあるのね」
ウィーナの説明にうんざりする店主。
「前に聞いたな、そんな話。すると今では新人たちに依頼が殺到か。新人冒険者達にけが人続出だぞ、それ」
「あ、テンシュさん、どうしたんです? あぁ、品物作りの材料集めですか?」
声をかけてきたのはミュール。やはり似たような服装をしている。
しかし手にしているのは一輪の手押し車。宝石の塊を乗せて運んでいる。
「おぅ……。お前、それ……」
店主はミュールに近寄る。実際にはミュールではなく、運ばれている物に近寄っていく。
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