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ピクシー系エルフ種の少年、ジーゴ=トーリュ
この世界の囲碁は日本とほぼ同じのようで
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この世界に囲碁という言葉を持ち込んだのは、馬車に一緒に乗り、隣に座っている道具屋の店主。
その言葉を広めたのは、ジーゴと店主に向かい合って座っている女性。
その知的遊戯でもあるこの競技は別の名前ではあったが、呼び方は地域や様々な団体組織によってまちまちであった。
この世界において不公平なく誰もが馴染みのない言葉であり、同じルールであるということから、店主の持ち込んだその名称が採用された。
この世界で生きる者達が誕生しそれ以来、店主が生まれ育った世界の地球よりもはるかに長い歴史を刻んできた。
その中で、知力と魔力、そしてほかの種族にはない能力を持った一族が生まれる。
それらを使い一族の行く末や未来を見通し、繁栄する結果となる道を選び進んできた。
その手段は、同等の能力を持つ二人で行う占星術。
ほかにも占星術を用いる種族や一族は存在していたが、その正確さはほかの術よりも格段に上回った。
その一族を中心とする国が生まれ、勢力を伸ばす。
その一族はやがて皇族と呼ばれるようになる。
その力にあやかろうとする者達や、その術を利用してほかの才覚を持つ者を登用し、ともに政を司ることを考えたい皇族の者達によって、占星術の存在が広まっていく。
当初はお遊びや気休めの占いの意味合いが強かった。
宇宙に見立てた盤の上に、星の意味合いを持つ二種類の色の石を交互に並べてその様子を伺うやり方だったが、その結果を読み切ることよりも、どっちの色がどの位置を占めているのかを判別するほうが簡単だったため、世界中に広まった時には、占いの手段よりも広い範囲をいかに手にするかという勝負の色が強くなっていった。
石を盤の上に並べていく占いが遊びになり勝負を決することが出来る競技に発展していったこの占星術。
陣取りや闘石、争石などといろんな名称を持つようになっていったがルールは同一。
そして店主がこの世界に来る前の世界では碁と呼ばれている知的競技と同じルール。
盤の上ならどこにでも石を置くことが出来るというわけではない。
その盤には縦横十九本の直線が格子状に描かれ、一番外側の線を辿ると、縦長の長方形となっている。
その縦横が交わる点や一番外側の角の上に重ねる様に石を二人で交互に置いていく。
その石を壁に見立てて、自分が得たい区域をその壁で囲うことで、自分の陣地とすることができる。
その陣地の広い方が勝者となる競技である。
陣地の作り方はいたってシンプル。
勝敗にこだわらなければ、囲み切れればどこでも自分の陣地とすることが出来る。
自分よりも相手の陣地が広いと感じたら、相手の陣地の中でも自分の陣地を作ることが出来る。
そうなると相手の陣地はかなり減らされてしまう。
自分の陣地のはずだった場所に敵陣が出来るのだ。境界線を作らなければ自分の陣地はゼロになってしまう。
敵陣を作ろうとする相手の石や、自分よりも広い陣地を作ろうとして壁を作り出す相手の石を取ることで、自陣の内部を強化することも出来る。その分狭くなっていくので相手も自陣が作りにくくなるためだ。
陣地同様相手の石もその周りを囲って、相手の石を壁にすることが出来なくなれば盤上から取り去ることが出来る。
取り去った相手の石は、対局と呼ばれるその試合が終わった後に、相手の陣地を埋める役割を持つ。再利用される。
だから石を取られると、相手の陣地を減らすことが出来ないばかりか自分の陣地を減らされる不利を受けてしまう。
そこで石を取られないまま敵陣の中で自陣を作る技術や、そうはさせまいと侵入してきたり広い陣地を取ろうとする相手の壁となる石を取る技術が磨かれていく。
自分の石が取られないようにするには、そんな形にする必要がある。
そして相手の石を取るには、陣地を囲おうとする壁を細かくして、そんな形に出来ないようにする。
相手の石が取れたらば、終局した後に相手の陣地をその石で埋め、減らすことが出来る。
勝敗の結果にも影響を多大に及ぼすことにもなる。
ジーゴは店主の店での対局で、終局まで打ち切ることを望んでいた。
しかし一局目は心の乱れを相手に突かれ、対局の途中で逆転できないほど不利に追い込まれた。
二局目、三局目はその逆。
互いに陣地の数を数えるまでもないほど、途中でその差が大きく表れた。
店主の言う通りなら、店主との対局でも最後まで打ち切ることは出来ないだろう。
力のすべてを出し切り、最後まで打ち切り、陣地の計算によっての決着を望んでいたジーゴ。
しかしそんな相手は都合よくは見つからない。
ところがそんな相手を探すには、ちょうどいい機会を迎えていた。
一般参加者応募の期間中の大会がある。プロ棋士も途中から参加する界王戦という、プロ棋士にとっても重要な大賞戦、タイトル戦でもある。
ジーゴの願いをかなえてくれる相手も現れるだろう。
もし力を認められるなら、不向きかどうか分からない冒険者職よりもその道のプロとして生計を立てる方が容易い場合もある。
店主はそんな見立てをしていた。そのために、その前に参加を確実に受理してもらうために前法王である女性を呼び出していたのだ。
その言葉を広めたのは、ジーゴと店主に向かい合って座っている女性。
その知的遊戯でもあるこの競技は別の名前ではあったが、呼び方は地域や様々な団体組織によってまちまちであった。
この世界において不公平なく誰もが馴染みのない言葉であり、同じルールであるということから、店主の持ち込んだその名称が採用された。
この世界で生きる者達が誕生しそれ以来、店主が生まれ育った世界の地球よりもはるかに長い歴史を刻んできた。
その中で、知力と魔力、そしてほかの種族にはない能力を持った一族が生まれる。
それらを使い一族の行く末や未来を見通し、繁栄する結果となる道を選び進んできた。
その手段は、同等の能力を持つ二人で行う占星術。
ほかにも占星術を用いる種族や一族は存在していたが、その正確さはほかの術よりも格段に上回った。
その一族を中心とする国が生まれ、勢力を伸ばす。
その一族はやがて皇族と呼ばれるようになる。
その力にあやかろうとする者達や、その術を利用してほかの才覚を持つ者を登用し、ともに政を司ることを考えたい皇族の者達によって、占星術の存在が広まっていく。
当初はお遊びや気休めの占いの意味合いが強かった。
宇宙に見立てた盤の上に、星の意味合いを持つ二種類の色の石を交互に並べてその様子を伺うやり方だったが、その結果を読み切ることよりも、どっちの色がどの位置を占めているのかを判別するほうが簡単だったため、世界中に広まった時には、占いの手段よりも広い範囲をいかに手にするかという勝負の色が強くなっていった。
石を盤の上に並べていく占いが遊びになり勝負を決することが出来る競技に発展していったこの占星術。
陣取りや闘石、争石などといろんな名称を持つようになっていったがルールは同一。
そして店主がこの世界に来る前の世界では碁と呼ばれている知的競技と同じルール。
盤の上ならどこにでも石を置くことが出来るというわけではない。
その盤には縦横十九本の直線が格子状に描かれ、一番外側の線を辿ると、縦長の長方形となっている。
その縦横が交わる点や一番外側の角の上に重ねる様に石を二人で交互に置いていく。
その石を壁に見立てて、自分が得たい区域をその壁で囲うことで、自分の陣地とすることができる。
その陣地の広い方が勝者となる競技である。
陣地の作り方はいたってシンプル。
勝敗にこだわらなければ、囲み切れればどこでも自分の陣地とすることが出来る。
自分よりも相手の陣地が広いと感じたら、相手の陣地の中でも自分の陣地を作ることが出来る。
そうなると相手の陣地はかなり減らされてしまう。
自分の陣地のはずだった場所に敵陣が出来るのだ。境界線を作らなければ自分の陣地はゼロになってしまう。
敵陣を作ろうとする相手の石や、自分よりも広い陣地を作ろうとして壁を作り出す相手の石を取ることで、自陣の内部を強化することも出来る。その分狭くなっていくので相手も自陣が作りにくくなるためだ。
陣地同様相手の石もその周りを囲って、相手の石を壁にすることが出来なくなれば盤上から取り去ることが出来る。
取り去った相手の石は、対局と呼ばれるその試合が終わった後に、相手の陣地を埋める役割を持つ。再利用される。
だから石を取られると、相手の陣地を減らすことが出来ないばかりか自分の陣地を減らされる不利を受けてしまう。
そこで石を取られないまま敵陣の中で自陣を作る技術や、そうはさせまいと侵入してきたり広い陣地を取ろうとする相手の壁となる石を取る技術が磨かれていく。
自分の石が取られないようにするには、そんな形にする必要がある。
そして相手の石を取るには、陣地を囲おうとする壁を細かくして、そんな形に出来ないようにする。
相手の石が取れたらば、終局した後に相手の陣地をその石で埋め、減らすことが出来る。
勝敗の結果にも影響を多大に及ぼすことにもなる。
ジーゴは店主の店での対局で、終局まで打ち切ることを望んでいた。
しかし一局目は心の乱れを相手に突かれ、対局の途中で逆転できないほど不利に追い込まれた。
二局目、三局目はその逆。
互いに陣地の数を数えるまでもないほど、途中でその差が大きく表れた。
店主の言う通りなら、店主との対局でも最後まで打ち切ることは出来ないだろう。
力のすべてを出し切り、最後まで打ち切り、陣地の計算によっての決着を望んでいたジーゴ。
しかしそんな相手は都合よくは見つからない。
ところがそんな相手を探すには、ちょうどいい機会を迎えていた。
一般参加者応募の期間中の大会がある。プロ棋士も途中から参加する界王戦という、プロ棋士にとっても重要な大賞戦、タイトル戦でもある。
ジーゴの願いをかなえてくれる相手も現れるだろう。
もし力を認められるなら、不向きかどうか分からない冒険者職よりもその道のプロとして生計を立てる方が容易い場合もある。
店主はそんな見立てをしていた。そのために、その前に参加を確実に受理してもらうために前法王である女性を呼び出していたのだ。
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