頭の中が少々お花畑の子爵令嬢が朝から茶番を始めたようです

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「そういえば……どうしてララさんは私にあんなことをしたのでしょう?」

 ふと、疑問になる。ララさんを虐めたことなどないはずなのに、どうしてあんなに目の敵にされてしまったのか。

「うーん、可能性としてはだけど、私の婚約者がグレイスだったからかもしれないね。ララ嬢が私にグレイスと婚約破棄をして自分と付き合えとか言ってきたことがあってね」

「え……?」

「ただの逆恨みだと思うよ。少し優しくしたら勘違いしてしまってね……。何度も断ったんだけれど、最終的に君に手を出すことにしてしまったようだ。大事にならなくてよかったよ。それに、君はみんなから愛されているから羨ましかったんじゃないかな」

「そうでしたか……ララさんはリカルド様のことがお好きだったのですね」

 ……私からしっかりとお灸を据えておくべきだったかしら。

「そうだわ、ララさんが言っていたけれどどうして私が未来の王子妃なのかしら? リカルド様は婿入りするのに」

 私の言葉にまた教室内がざわつく。あれ、公表されていなかったのかしら?

「え、おい、リカルド? お前、婿入りするのか?」

「あぁ、そうだよ。言ってなかったっけ。兄が二人に、弟も二人。姉も妹もいるんだからいいだろう?」

「それはそうだけど……でもなぁ、リカルド」

「だってさ? 王子なんてやる事が多いじゃないか。私はなるべく多くの時間をグレイスと二人で過ごしたいんだ」

 リカルド様が私の手をそっと取る。

「まぁ、リカルド様ったら……嬉しい、私も同じ気持ちです。あ、そうだわ、リカルド様?」

「あぁ、なんだい?」

「ダミアンの好きな人をばらしてしまってよかったのかしら」

「え? あ……ごめん、ダミアン」

 クラスメイトが「ダミアン様の好きな人って誰だ?」「名前の挙がった子の誰かだよな?」「え、まさか……!?」と盛り上がっている。
 
「え? ……あぁっ!? リカルド、さっき変なこと言ったよね!? なんで、どうしてばらすんだよ!」
 
 ダミアンは顔を真っ赤にして怒っている。そして、名前の挙がっていた令嬢たちがソワソワしている。

 アンナさんだけは気にしていないようだけれど……。その姿を見てダミアンはショックを受けてしまったようだ。

 今のところ、アンナさんに婚約者がいるとか、想いを寄せている人がいるなどは耳にしたことがない。

 でも、アンナさんの耳が赤くなっていることに私は気が付いた。

 頑張ってくださいね、ダミアン。
 できる限り、私も応援しますからっ!


終わり。


——————


 アンナさんが毎朝早くに花壇の手入れをしていた理由が花が好きだったということはもちろんだけれど、見習い騎士であるダミアンの朝の練習をこっそり見るためだと知ったのは、もう少し先になってからなんですよ。
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