92 / 106
落し物
しおりを挟む
カツ、カツ、カツ、カツ
先程から前を歩いている人がどうもおかしい。背はゆうに2メートルを超えており、シルクハットのような帽子をかぶり、高級そうな革靴でカツカツと音を立てながらあるいている。
その異様な佇まいからか、この世界の人間ではないように思えてしまう。
ボトッ
「ん?」
目の前の異様な人物が何やら落し物をした、本人は気づいていないようだ。
うーん、話しかけるのは少し怖いが、このまま見て見ぬ振りをするのも人としてどうかと思う。
「しゃーない、拾ってやるか」
不本意ではあるが落し物を拾ってやる。
ニュル
「うわっ!なんだこれ!?」
【それは】野球ボール程のサイズで、ニュルニュルの謎の粘液を纏っている。
それだけでは無い、色は人肌のような肌色で、ニョロニョロと動くタコの足のようなものがいくつか生えている。
「おや、私としたことが、落し物をしてしまいましたか」
異様な人物に突然話しかけられた。
「あ、あぁ、はい、どうぞ...」
見上げるほど高い位置にある顔を見ると、とても美しい顔立ちをしており、思わず見とれてしまう。
「ありがとうございます、これがないと大変なことになっていました」
声はおそらく男性だろう、だが正直いって、俺には性別が分からなかった。
「本当に助かりました、どうかお礼をさせてください」
異様な人物はポケットから同じく異様な物を取りだした、肌色のイモムシのように見えるそれは、ニョロニョロと活発に動いている。
「い、いえ、お礼なんて、俺、拾っただけですから...」
「そんなこと言わずに、ほら、全てを私に委ねて...」
異様な人物に抱擁され、体が動かなくなる、しかし決して無理やり拘束されている訳ではなく、暖かく大きな体に包まれて、頭がぼんやりとしてくる、いつまでも抱かれていたかった。
「はい、入れますね...」
ニュルり
イモムシが耳から体に入ってくるのが分かる、耳をどんどんと這っていき、耳の奥の方で感覚が消えた。
「うん、これで良し、本当にありがとうございました、またどこかで会いましょうね」
「あ...あ...」
放心する俺を置いて、異様な人物は遠くの方へ消えていった...。
先程から前を歩いている人がどうもおかしい。背はゆうに2メートルを超えており、シルクハットのような帽子をかぶり、高級そうな革靴でカツカツと音を立てながらあるいている。
その異様な佇まいからか、この世界の人間ではないように思えてしまう。
ボトッ
「ん?」
目の前の異様な人物が何やら落し物をした、本人は気づいていないようだ。
うーん、話しかけるのは少し怖いが、このまま見て見ぬ振りをするのも人としてどうかと思う。
「しゃーない、拾ってやるか」
不本意ではあるが落し物を拾ってやる。
ニュル
「うわっ!なんだこれ!?」
【それは】野球ボール程のサイズで、ニュルニュルの謎の粘液を纏っている。
それだけでは無い、色は人肌のような肌色で、ニョロニョロと動くタコの足のようなものがいくつか生えている。
「おや、私としたことが、落し物をしてしまいましたか」
異様な人物に突然話しかけられた。
「あ、あぁ、はい、どうぞ...」
見上げるほど高い位置にある顔を見ると、とても美しい顔立ちをしており、思わず見とれてしまう。
「ありがとうございます、これがないと大変なことになっていました」
声はおそらく男性だろう、だが正直いって、俺には性別が分からなかった。
「本当に助かりました、どうかお礼をさせてください」
異様な人物はポケットから同じく異様な物を取りだした、肌色のイモムシのように見えるそれは、ニョロニョロと活発に動いている。
「い、いえ、お礼なんて、俺、拾っただけですから...」
「そんなこと言わずに、ほら、全てを私に委ねて...」
異様な人物に抱擁され、体が動かなくなる、しかし決して無理やり拘束されている訳ではなく、暖かく大きな体に包まれて、頭がぼんやりとしてくる、いつまでも抱かれていたかった。
「はい、入れますね...」
ニュルり
イモムシが耳から体に入ってくるのが分かる、耳をどんどんと這っていき、耳の奥の方で感覚が消えた。
「うん、これで良し、本当にありがとうございました、またどこかで会いましょうね」
「あ...あ...」
放心する俺を置いて、異様な人物は遠くの方へ消えていった...。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
10秒で読めるちょっと怖い話。
絢郷水沙
ホラー
ほんのりと不条理な『ギャグ』が香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
女子切腹同好会
しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。
はたして、彼女の行き着く先は・・・。
この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。
また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。
マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。
世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。
アルファポリスとカクヨムってどっちが稼げるの?
無責任
エッセイ・ノンフィクション
基本的にはアルファポリスとカクヨムで執筆活動をしています。
どっちが稼げるのだろう?
いろんな方の想いがあるのかと・・・。
2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。
あくまで、僕の場合ですが、実データを元に・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる