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CⅩⅩⅩ 星々の格式と置換編 前編(2)
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第1章。坂道(3)
やがて、朝日が昇ってくるのだろう。空気が、一段と冷えてくる。
その清新な大気のなか、レリウス大公の目の前で、情けない容姿の若者が、
鍋に水を入れ熱してお湯をつくり、それに携帯固形食糧を溶かして、
濃厚なスープをつくっている。
人間が妖精と契約をできるようになって以来、
人間は妖精の力で、直接エーテルを取り入れることができるようになったため、
食事は10日に一度で済むようにはなっていた。
今、レリウス以外の生き残ったミカルの戦士たちは、エーテルを
使い切った状況であり、重度の疲労状態が続き、覚醒と非覚醒を繰り返している。
リリカ副宰相も、無理して不察知の魔力をレリウス大公に使用したため
その後は、非覚醒の状態に戻っていた。
ラファイアの考えで、回復魔力と同時に、スープの適時摂取を行うことになり、
流動食の当番が、アマトの役目のようになっている。
レリウス一行の9割方が亡くなった事、グゴールが氷結の魔力を選択した事、
不幸中の幸いで、数多くの使用可能な携帯固形食糧が残っていた。
レリウスは、ここ数日間で、自分の戦術感・戦略感を、突き崩されている。
例えば〖敵軍に、超上級妖精の契約者がいたら、逃げろ!〗という戦時訓は、
彼にとって、卑怯者の責任逃れの言い訳としかうつらなかった。
しかし、ミカルの精鋭100余人を引き連れていたのに、
ひとりの超上級妖精の契約者に、簡単に翻弄され、壊滅させられた。
その自分たちを軽く翻弄した超上級妖精も、リーエという同じ超上級妖精のはずの
怪物からしたら、下位妖精でしかなかった。
そして、超上級妖精でも上位者なら、伝説級の妖精とお遊びする魔力が
ある事を知る・・・。
目の前の貧相な若者は、ふたりの妖精に、契約者だからという以上に
親愛の情を持たれていて、
もうひとりの妖精にも、契約者の義兄という以上に好意を持たれている。
ほんと、驚くべきことであった。
・・・・・・・・
レリウスは、考える。
『死の女神イピスが、この世に転生を為したとすれば、彼のような人間に
生まれ変わるのかもしれないな。』
『そう、自分の前に立ちはばかる者は、本人も意識しないうちに、
死の翼に触れるるような。』
レリウスは、その自分の考えに苦い笑いがこみあげる。
『何を考えるレリウス。彼はイピスの転生した人間ではない。』
『え~い、ままよ。そう、とにかく話をしなければならない。』
レリウスは、覚悟を決めて、目の前の若者に、話かける。
☆☆☆☆☆☆☆☆
「すまないな。料理番のようなマネをさせて。」
レリウスは、なるべく穏やかに、アマトに声をかける。
アマトは、あわてて返事をしようとするが、公爵にたいする礼儀や言葉が
でてこないようだ。
レリウスは、それを察して、アマトに助け舟を入れる。
「よせやい。こんなところで、礼もなにもなかろうぜ。気楽にやろうぜ。」
「ほんとうに、すみません。」
アマトは、ホッとして、いつもの口調で答える。
「それに料理番のことは気になさらずにと思います。」
「レリウス陛下御一行は、個人的には、お客人となられる方々ですから。」
「お客人?」
アマトの意外な言葉に、レリウスは聞き返す。
「ぼくは、新双月教の禁書館で働くことが、決まっていますので。」
「陛下が猊下のお客人であれば、ぼくにとっても、お客人です。」
アマトは、レリウスに答えたあと、再び鍋の方に目を移す。
「オレが聞いたところでは、アバウト学院にいるんじゃなかったか?」
レリウスは、視線を宙にとばしながらも、自分の記憶を確認して、
アマトに質問をする。
「双月教国から避難してきた人たちにとって、
ぼくは許されざる人みたいですから。」
「新帝国立の学院にいるのは、融和を図る方針と矛盾し、無理がありました。」
「なるほどな。だがオレもそれを言うなら、自慢じゃないが、
この世界で憎まれている人物の、上から10本の指には入るぜ。」
レリウスは、目の前の若者が、後世、〖選ばれし者〗とか呼ばれるだろう人間の、
当然の負の側面にさらされている事に、どこか立腹し、また同情する。
「アマト君よ、新帝国に居場所がなくなったら、いつでもミカルに来い。」
「エリースの嬢ちゃんと、ユウイとかいったな、その義姉ちゃんもつれてな。」
アマトは、公爵位にある人物が、自分の家族を知っていることに驚いて
レリウスの顔をみつめる。
「そう、驚くなよ。伝説級の妖精の契約者と口外すれば、世界中の国の統治者が、
情報工作員を、その者のところに送り込むぜ。」
そこまで話して、レリウスは、茶目っ気のある表情に変わる。
「ま、アマト君の場合は、ラティスの姉御自体が、大声で喧伝して、
まわっているようなものだからな。」
アマトは、だれかさんの姿を思い浮かべたのか、大きなため息をつく。
「オレは、アマト君に借りをつくった。恩は倍にして返すのが、
オレの流儀でな。」
「爵位、領地だけじゃなく、なんだったら嫁さんも用意するぜ。」
おそらくは嫁さんの言葉に、赤くなったアマトに、
レリウスは言葉に刃をのせて、最も聞きたかったことにを尋ねる。
「そう、ラファイアの姐さん、
あのお方も伝説級のいずれかの妖精さんだったことは、わかったぜ。」
「その契約者が、アマト君、君だって言う事もな。」
その言葉に表情が変わる、アマト。
レリウスは、アマトに言葉をたたみ込む。
「ふたりの妖精の契約者である君が、この世界に戦乱をもたらさないという事を、
オレは信じていいのかい!?」
「・・・・・・・・・。」
第2章。坂道(5)
その日の昼、指揮官をキョウショウ、副官をフレイアとし、
旧創派の戦士達を主力とする一個師団が、
アマトたちのいる野営地に到着した。
旧創派のふつうの戦士たちの認識は、
少し前まで、アマトを含めてふたりの妖精は、
窮地に現れた、単なる扇動者だった。
今は、そのラティスが、新帝国内の荒れ野に、巨大な湖を発生させ、
それが広大な耕地の元になり、創派の人々の移住先を、
意図的に用意したと思われている。
それは、かれらを扇動者から、一気に恩人の地位へ昇格させた。
だから、創派の戦士たちのアマトとラティスへの、ご挨拶で、
アマトにとっては、大変なことになっている。
一方、自分が賞賛されることには、全くの抵抗感がない、某妖精にとっては、
ほんと、気分が良かったに違いない。
エリースは、そのめんどくさい事態を予期したのか、
レリウス大公の書状を持って、
ミカル公都のトリハ宰相のもとへ高速飛翔して
野営地を離れている。
では、もうひとりの妖精は?
ルリの淹れた香茶を、キョウショウが急速冷凍させて持参したものを、
解凍加熱してお召し上がり、
ひとりじめして、悦に入っていた。
・・・・・・・・
「なんで、アマトとレリウスが仲良くしてるのよ。」
「あれは、仲良くというより、レリウスさんが、珍しい動物を観察している
という雰囲気ですよ。」
「ラファイア、一応聞くけど、アンタ アマトと契約してるんだよね。
契約者に配慮するという、優しさは持ち合わせてないの?」
「ラティスさん、常に真実は無慈悲なものですよ。」
ラファイアは、ルリ特製の香茶を味わいながら、鉄馬車の前の席に座るラティスに
返事をしている。
「ところで、そろそろ教えていただいてもいいんじゃありませんか。」
「ふ~ん。話の流からいくと、アマトがいつルリのところに、
夜、潜んで行くかっていうこと?」
ラファイアは、冷たい目で暗黒の妖精をみつめる。
「ラティスさん、冗談だったらつまらないし、本当に起こったら面白くないことが
襲ってくるでしょうね。」
「なによ、それは?」
「まあ、エリースさんが激怒されるのは、先日の比ではないと思いますが、
ラティスさんなら、それは耐えられるでしょうけど。」
「ちょっと待って、ラファイア。なぜ、エリースが、わたしに激怒するのよ。」
「まあ当然でしょう。理由は一緒に説明しますから。」
「そうですね~、ユウイさんからも、
『ラティスさん、どういうこと。
こんな事、あなたが、手引きしなければアマトちゃんがするわけないわ。』
なんて言われて、ユウイさんの納得のいくまで、
説明責任を求められますよ。」
その状況を想像して、ラティスは、ほんの少し青くなっている。
「や~ね、ラファイア。つまらない冗談よ。」
そのラティスをあきれた目でみながら、ラファイアは考える。
『ほんと、火のないところに、大火災を起こすことを面白半分でなさる
妖精さんですから。』
『でも、その後のことを少しは考えて下さいよ。
その状況なら、わたしも香茶を飲みながら、面白がって眺めてることは
出来ないじゃありませんか。』
『ユウイさんのお怒りは、わたしにも向けられるでしょうし。』
ラファイアは、徹頭徹尾、自己保身をはかる、極めて利己的な妖精さんである。
・・・・・・・・
「・・・話をもどすわ。ラファイア、何が聞きたいのよ。」
「エメラルアさんのことですよ。本当はやり合われたんでしょう。」
「やり合った?きわめて友好的な話し合いをしただけよ。」
ラファイアは、全く信用してないまなざしで、ラティスを眺めている。
『ほんと、光の属性の妖精のくせに、妙に小さい事に拘るんだから。』
ラティスは、ブツブツ思いながらも天啓とも言うべき思いが閃く。
『そうか、わたしみたいな高貴な妖精は、ラファイアのような下賤の妖精を、
導かなければならないわ。これは選ばれた妖精の義務ね!』
それは、ラファイアが知ったら、怒りで、見渡す限りの大地が消滅するような
危険な匂いのする思考だが、偶然か必然か、
ラティスも言葉、いや精神波にものせなかったため、
この場の静謐は保たれていた。
やがて、朝日が昇ってくるのだろう。空気が、一段と冷えてくる。
その清新な大気のなか、レリウス大公の目の前で、情けない容姿の若者が、
鍋に水を入れ熱してお湯をつくり、それに携帯固形食糧を溶かして、
濃厚なスープをつくっている。
人間が妖精と契約をできるようになって以来、
人間は妖精の力で、直接エーテルを取り入れることができるようになったため、
食事は10日に一度で済むようにはなっていた。
今、レリウス以外の生き残ったミカルの戦士たちは、エーテルを
使い切った状況であり、重度の疲労状態が続き、覚醒と非覚醒を繰り返している。
リリカ副宰相も、無理して不察知の魔力をレリウス大公に使用したため
その後は、非覚醒の状態に戻っていた。
ラファイアの考えで、回復魔力と同時に、スープの適時摂取を行うことになり、
流動食の当番が、アマトの役目のようになっている。
レリウス一行の9割方が亡くなった事、グゴールが氷結の魔力を選択した事、
不幸中の幸いで、数多くの使用可能な携帯固形食糧が残っていた。
レリウスは、ここ数日間で、自分の戦術感・戦略感を、突き崩されている。
例えば〖敵軍に、超上級妖精の契約者がいたら、逃げろ!〗という戦時訓は、
彼にとって、卑怯者の責任逃れの言い訳としかうつらなかった。
しかし、ミカルの精鋭100余人を引き連れていたのに、
ひとりの超上級妖精の契約者に、簡単に翻弄され、壊滅させられた。
その自分たちを軽く翻弄した超上級妖精も、リーエという同じ超上級妖精のはずの
怪物からしたら、下位妖精でしかなかった。
そして、超上級妖精でも上位者なら、伝説級の妖精とお遊びする魔力が
ある事を知る・・・。
目の前の貧相な若者は、ふたりの妖精に、契約者だからという以上に
親愛の情を持たれていて、
もうひとりの妖精にも、契約者の義兄という以上に好意を持たれている。
ほんと、驚くべきことであった。
・・・・・・・・
レリウスは、考える。
『死の女神イピスが、この世に転生を為したとすれば、彼のような人間に
生まれ変わるのかもしれないな。』
『そう、自分の前に立ちはばかる者は、本人も意識しないうちに、
死の翼に触れるるような。』
レリウスは、その自分の考えに苦い笑いがこみあげる。
『何を考えるレリウス。彼はイピスの転生した人間ではない。』
『え~い、ままよ。そう、とにかく話をしなければならない。』
レリウスは、覚悟を決めて、目の前の若者に、話かける。
☆☆☆☆☆☆☆☆
「すまないな。料理番のようなマネをさせて。」
レリウスは、なるべく穏やかに、アマトに声をかける。
アマトは、あわてて返事をしようとするが、公爵にたいする礼儀や言葉が
でてこないようだ。
レリウスは、それを察して、アマトに助け舟を入れる。
「よせやい。こんなところで、礼もなにもなかろうぜ。気楽にやろうぜ。」
「ほんとうに、すみません。」
アマトは、ホッとして、いつもの口調で答える。
「それに料理番のことは気になさらずにと思います。」
「レリウス陛下御一行は、個人的には、お客人となられる方々ですから。」
「お客人?」
アマトの意外な言葉に、レリウスは聞き返す。
「ぼくは、新双月教の禁書館で働くことが、決まっていますので。」
「陛下が猊下のお客人であれば、ぼくにとっても、お客人です。」
アマトは、レリウスに答えたあと、再び鍋の方に目を移す。
「オレが聞いたところでは、アバウト学院にいるんじゃなかったか?」
レリウスは、視線を宙にとばしながらも、自分の記憶を確認して、
アマトに質問をする。
「双月教国から避難してきた人たちにとって、
ぼくは許されざる人みたいですから。」
「新帝国立の学院にいるのは、融和を図る方針と矛盾し、無理がありました。」
「なるほどな。だがオレもそれを言うなら、自慢じゃないが、
この世界で憎まれている人物の、上から10本の指には入るぜ。」
レリウスは、目の前の若者が、後世、〖選ばれし者〗とか呼ばれるだろう人間の、
当然の負の側面にさらされている事に、どこか立腹し、また同情する。
「アマト君よ、新帝国に居場所がなくなったら、いつでもミカルに来い。」
「エリースの嬢ちゃんと、ユウイとかいったな、その義姉ちゃんもつれてな。」
アマトは、公爵位にある人物が、自分の家族を知っていることに驚いて
レリウスの顔をみつめる。
「そう、驚くなよ。伝説級の妖精の契約者と口外すれば、世界中の国の統治者が、
情報工作員を、その者のところに送り込むぜ。」
そこまで話して、レリウスは、茶目っ気のある表情に変わる。
「ま、アマト君の場合は、ラティスの姉御自体が、大声で喧伝して、
まわっているようなものだからな。」
アマトは、だれかさんの姿を思い浮かべたのか、大きなため息をつく。
「オレは、アマト君に借りをつくった。恩は倍にして返すのが、
オレの流儀でな。」
「爵位、領地だけじゃなく、なんだったら嫁さんも用意するぜ。」
おそらくは嫁さんの言葉に、赤くなったアマトに、
レリウスは言葉に刃をのせて、最も聞きたかったことにを尋ねる。
「そう、ラファイアの姐さん、
あのお方も伝説級のいずれかの妖精さんだったことは、わかったぜ。」
「その契約者が、アマト君、君だって言う事もな。」
その言葉に表情が変わる、アマト。
レリウスは、アマトに言葉をたたみ込む。
「ふたりの妖精の契約者である君が、この世界に戦乱をもたらさないという事を、
オレは信じていいのかい!?」
「・・・・・・・・・。」
第2章。坂道(5)
その日の昼、指揮官をキョウショウ、副官をフレイアとし、
旧創派の戦士達を主力とする一個師団が、
アマトたちのいる野営地に到着した。
旧創派のふつうの戦士たちの認識は、
少し前まで、アマトを含めてふたりの妖精は、
窮地に現れた、単なる扇動者だった。
今は、そのラティスが、新帝国内の荒れ野に、巨大な湖を発生させ、
それが広大な耕地の元になり、創派の人々の移住先を、
意図的に用意したと思われている。
それは、かれらを扇動者から、一気に恩人の地位へ昇格させた。
だから、創派の戦士たちのアマトとラティスへの、ご挨拶で、
アマトにとっては、大変なことになっている。
一方、自分が賞賛されることには、全くの抵抗感がない、某妖精にとっては、
ほんと、気分が良かったに違いない。
エリースは、そのめんどくさい事態を予期したのか、
レリウス大公の書状を持って、
ミカル公都のトリハ宰相のもとへ高速飛翔して
野営地を離れている。
では、もうひとりの妖精は?
ルリの淹れた香茶を、キョウショウが急速冷凍させて持参したものを、
解凍加熱してお召し上がり、
ひとりじめして、悦に入っていた。
・・・・・・・・
「なんで、アマトとレリウスが仲良くしてるのよ。」
「あれは、仲良くというより、レリウスさんが、珍しい動物を観察している
という雰囲気ですよ。」
「ラファイア、一応聞くけど、アンタ アマトと契約してるんだよね。
契約者に配慮するという、優しさは持ち合わせてないの?」
「ラティスさん、常に真実は無慈悲なものですよ。」
ラファイアは、ルリ特製の香茶を味わいながら、鉄馬車の前の席に座るラティスに
返事をしている。
「ところで、そろそろ教えていただいてもいいんじゃありませんか。」
「ふ~ん。話の流からいくと、アマトがいつルリのところに、
夜、潜んで行くかっていうこと?」
ラファイアは、冷たい目で暗黒の妖精をみつめる。
「ラティスさん、冗談だったらつまらないし、本当に起こったら面白くないことが
襲ってくるでしょうね。」
「なによ、それは?」
「まあ、エリースさんが激怒されるのは、先日の比ではないと思いますが、
ラティスさんなら、それは耐えられるでしょうけど。」
「ちょっと待って、ラファイア。なぜ、エリースが、わたしに激怒するのよ。」
「まあ当然でしょう。理由は一緒に説明しますから。」
「そうですね~、ユウイさんからも、
『ラティスさん、どういうこと。
こんな事、あなたが、手引きしなければアマトちゃんがするわけないわ。』
なんて言われて、ユウイさんの納得のいくまで、
説明責任を求められますよ。」
その状況を想像して、ラティスは、ほんの少し青くなっている。
「や~ね、ラファイア。つまらない冗談よ。」
そのラティスをあきれた目でみながら、ラファイアは考える。
『ほんと、火のないところに、大火災を起こすことを面白半分でなさる
妖精さんですから。』
『でも、その後のことを少しは考えて下さいよ。
その状況なら、わたしも香茶を飲みながら、面白がって眺めてることは
出来ないじゃありませんか。』
『ユウイさんのお怒りは、わたしにも向けられるでしょうし。』
ラファイアは、徹頭徹尾、自己保身をはかる、極めて利己的な妖精さんである。
・・・・・・・・
「・・・話をもどすわ。ラファイア、何が聞きたいのよ。」
「エメラルアさんのことですよ。本当はやり合われたんでしょう。」
「やり合った?きわめて友好的な話し合いをしただけよ。」
ラファイアは、全く信用してないまなざしで、ラティスを眺めている。
『ほんと、光の属性の妖精のくせに、妙に小さい事に拘るんだから。』
ラティスは、ブツブツ思いながらも天啓とも言うべき思いが閃く。
『そうか、わたしみたいな高貴な妖精は、ラファイアのような下賤の妖精を、
導かなければならないわ。これは選ばれた妖精の義務ね!』
それは、ラファイアが知ったら、怒りで、見渡す限りの大地が消滅するような
危険な匂いのする思考だが、偶然か必然か、
ラティスも言葉、いや精神波にものせなかったため、
この場の静謐は保たれていた。
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