モブな令嬢は第二皇子の溺愛から逃れたい

エヌ

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ある日、森の中、王子様に出会った。
あまりの衝撃に、私は前世を思い出した。


それは5歳の頃の出来事だった。


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この世界は前世でプレイしていた乙女ゲームの世界に類似している
国の第一皇子、第二皇子、騎士、魔法使い、幼馴染、学園の先輩、双子、などなど攻略できる人間が多すぎて全員はクリアしていない。

その中でヤンデレ枠の第二皇子のヤバさったらない。
ハッピーエンドで監禁、ノーマルエンドは監禁、バッドエンドなら監禁。
いや全部監禁やないかーい

そんな好きな女は監禁しか脳のない第二皇子にばったりうっかり出くわしてしまった。びっくりしすぎて前世を思い出してしまったらしい。

フリーズした私は目をかっぴらいて皇子を見つめていたことだろう。

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5歳になると、お茶会という名の第二皇子の婚約者探し会が定期的に開催された。

幼い頃から定期的に開催し、最終的に15歳の学園入学までに皇子の婚約者候補は4人に絞られる。

そこから卒業までに妃を決める。


はじめこそ興味がなさすぎるし婚約者候補に残るなんて競争ごとに自分がうまく立ち回れるとは5歳ながらに思わなかったため
皇子ではなく、普段目にできぬであろうお茶会のお菓子達に熱心に目を向けていた。

そんな私がある日のお茶会前にうっかりお城の敷地内にある森に入り込んで、ばったり皇子と出会って前世を思い出して、自分の失態に気づいてしまった。


そう、第二皇子は『おもしれぇ女』が大好きなのである。


皇子に目もくれずお菓子へ視線を向ける私なんておもしれぇ判定の危険性しかない。

尚且つこんな男に万が一でも見初められてしまったが最後。
監禁人生まっしぐら、動けるスペースベットの周辺半径1mの鎖生活である。

そんなん怖すぎるだろうて!

そんなこんなでそこからの私の切り替えは早かった。
皇子に恋する女の子である。
そう、他の女の子と同じ、お菓子なんて興味ないし、あるのは皇子という肩書きとその顔の美貌のみ!!

「今日も素敵ですわ...絶対私が皇子妃になりますの!」

とか呟きながらうっとり見つめるようにする。他の候補から睨まれ、しかし皇子には無視される。これぞモブ。なんたるモブ。きっとゲーム画面では皇子の外見を説明するだけのためにセリフを与えられた目が描かれてない令嬢1の締めのセリフみたいになっていただろう。
澄ました顔でお茶を飲む王子の姿に惚れ惚れする女子達、に紛れて一緒に惚れ惚れする私。

グッジョブである。



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