転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽

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62話 隠した力は危険   ※SIDEヴィンセント

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SIDE(王太子ヴィンセント)


「失礼します」

「うん。入りなさい」

 私が入ると父上はワインをついで手で前のソファーに座るように促した。今日ここに来たのは呼ばれたからだが、この時間に呼ばれることはなかったので珍しい。

「ヴィンセントも飲むかい?」

「いえ、結構です」

 少し残念そうにしながら父上はワインを一口のんだ。飲むのはいいがまだ昼であり、仕事に支障がないか少し心配だ。

「君は未だに生まれた理由を己に問うのかい?」

「!?……」

 驚いた。昨日の話を聞いていたかのように父上は言った。気にならないと言えば嘘になるが聞いてもはぐらかされるというのにどういう風の吹き回しだろうか?

「うーん。ヴィンセントは嫁が亡くなってから笑わなくなっただろう?自身の力の制御を出来ないから」

「………それがどうしたというのでしょうか?」

 そうだったな。私はずっと前に妻を。自身の手で最愛の妻を……。

「君はその力は大事なものを奪うと思ってるんじゃないかい?」

「はい。実際なくなっていきましたから」

「そうだね。でも、大事だからこそ君に流れる血がそうさせてるんだよ」

 血……?父上の血…?思わず身を乗り出して父上の首に手をかけかけてしまった。

「もうわかってるだろうけど、ヴィンセントの力は母親譲りでな、まだ強くなるだろう」

「!?それは困ります。子供達もいますし………」

「分かってるさ。世界樹の所に行きなさい。ヴィンセントに出来るのは2つ。一つ、力の使い方を覚える。2つ、覚醒をする」

 父上は時々意味のわからないことを言うが…覚醒とはなんだろう。

「すまないが言えるのはここまでだよ。ヴィンセントの母との約束だからね。そうだね、レティシアも連れていきなさい。あの子が君を導いてくれるから」

 レティーが?父上は一体どこまで見ているのだろう。時々父上が人間離れしていると実感をしてしまう。こうゆう時の父上の言葉はハズレたことがないのだ。

「はい。私としてもどうにかなるなら……」

「それは君次第だね。……君が知りたかったことを知るチャンスでもあるし、お土産に世界樹の枝でももって帰ってくれると嬉しいなぁ~?」

 あー、ついでにもって帰れと?それは出来たらということで。

「君たちへの課題2は覚醒を終えることと、それを見届けること。ルキシアは神気が強いし連れてけないからそうだなぁ…お使いかな?」

 下がってよしの合図で私は廊下に出たが情報量がかなり多くて今夜眠れるかわからなくなってきた……。はぁ。

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