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第七章 人間界侵略回避
スライム大量発生
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「いよいよだね。今回も上から大量に降ってくるのかな」
俺が上空を眺めながら呟くと、エドワードも真っ青な空を眺めながら言った。
「どうだろうね。でも、既に民は避難してるから、ひたすら倒すだけだね」
「キースも無茶しないと良いけど」
今回は俺とエドワード、ジェラルドとキースの二手に分かれている。
今回もキースと組もうかと思ったが、俺とエドワードが騎士らから目の敵のように睨みつけられる。自ずと、隣にいる人も睨みつけられる。
俺とエドワードが近くにいなければ、他の二人が睨みつけられることもない。ジェラルドとキースは全くもって気にしていなさそうだが、俺が気になるので今回はこういった組み合わせになった。
「また誰か結界から出たみたい」
「オリヴァー、そんなの分かるようになったの?」
「うん。何となくね」
「領地外に逃げた人は兵士が厳重に管理してるから入って来られないけど、結界内に避難した人が厄介だね」
「だね。混乱して結界外に逃げ出さなければ良いんだけど……」
このローレンス伯爵領は辺境地に比べて領地自体は狭く、村数も少ない。しかし、街が栄えている為に人口が多いのだ。一度混乱が生じれば、民を守る為に配置された騎士が民によって踏み倒されそうで怖い。
そんな事を考えていたら、騎士らがザワつき始めた。
「どうしたんだろう?」
「ちょっと聞いてみよっか」
「エドワード……」
睨みつけられてるのに度胸あるな。と、思いながら、俺もエドワードのやや斜め後ろに付いていった。
「何かあったんですか?」
「貴様ら……団長が話してた二人か。早く避難しておけ、邪魔だ」
門前払いだが、エドワードは諦めない。
「何か想定外のことでも?」
「子供には関係のないことだ」
騎士にそっぽを向かれた。すると、若い騎士もやってきた。
「副団長! 東のサラン村の近くにもスライムが大量発生しているらしいです!」
「なんだと? こんな時に……」
「もってことは、他の所にもスライムが?」
「ああ、今ので東西南北四方から大量のスライムが発生したと報告を受けた……って、貴様らには関係ない」
ついうっかりエドワードの質問に副団長が応えた。
「だが、今回の貴様らが持ってきた襲撃の情報はデマのようだな。時間になっても何も現れんではないか」
「そうなんだよねぇ」
副団長の意見に同調していると、アーサーの声が聞こえた。
『オリヴァー聞こえるか?』
「うん。どうしたの?」
『今回の襲撃は大量のスライムだ』
「スライムが?」
『しかも、めっちゃデカいのもいて、とにかく普通のスライム発生事案とは桁が違う』
俺が一人、アーサーのスキルで交信していると副団長が怪訝な顔で俺を見てきた。笑って誤魔化しながらアーサーの言葉に耳を傾けた。
『ここの騎士は平民上がりが多くて魔法は使えない。スキルも大したことないのが多いんだろう。スライムを倒せず負傷者が続出だ』
「なるほど」
スライムは斬ったら増える。触れたら皮膚が爛れる。ギルドでもランクA相当の厄介な魔物。それを倒せる者も限られる。魔王はここの領地の特性を知って、敢えてスライム一色で埋め尽くそうと……。
「副団長さん、スライムに対抗できる騎士は何人いますか?」
「何で子供にそんな情報……」
「早く!」
俺が詰め寄ると、副団長は根負けしたように応えた。
「魔法が使えるのは、私と団長と団員に二人、騎士見習いに一人だ」
「残りの人は領地外……いや、みんな結界内に避難させて!」
「結界?」
「民が避難している教会三つあるでしょ? そこから半径百メートルくらいまで結界が張られてるから、そこならスライムは入ってこられない」
「いつの間にそんなものを。それに、騎士が避難したら示しが……」
渋っている副団長に、また別の騎士が馬を走らせ報告に来た。
「副団長! 西の隊は全滅です。南は団長がいるので大丈夫かと思われますが、他の隊も重症者続出との情報あり」
「ほら、早く避難を」
「……分かった。騎士は皆、教会に避難せよ」
「避難したら聖水があるから、早くそれ飲ませて!」
「聖水ってあの噂の聖水ですか? 『ピンクの髪の小さな勇者』って、副団長……」
「まさか」
副団長にまじまじと見られた。一気に恥ずかしくなった俺は持っていた聖水を副団長に三本渡し、エドワードの後ろに隠れた。
「重症者は三口も飲めば治るから。絶対に死者は出さないで。エドワード、西に行ってみよう」
「うん」
「ちょっと待……」
副団長の声を無視して、騎士の部隊が全滅したという西へとエドワードと共に転移した——。
俺が上空を眺めながら呟くと、エドワードも真っ青な空を眺めながら言った。
「どうだろうね。でも、既に民は避難してるから、ひたすら倒すだけだね」
「キースも無茶しないと良いけど」
今回は俺とエドワード、ジェラルドとキースの二手に分かれている。
今回もキースと組もうかと思ったが、俺とエドワードが騎士らから目の敵のように睨みつけられる。自ずと、隣にいる人も睨みつけられる。
俺とエドワードが近くにいなければ、他の二人が睨みつけられることもない。ジェラルドとキースは全くもって気にしていなさそうだが、俺が気になるので今回はこういった組み合わせになった。
「また誰か結界から出たみたい」
「オリヴァー、そんなの分かるようになったの?」
「うん。何となくね」
「領地外に逃げた人は兵士が厳重に管理してるから入って来られないけど、結界内に避難した人が厄介だね」
「だね。混乱して結界外に逃げ出さなければ良いんだけど……」
このローレンス伯爵領は辺境地に比べて領地自体は狭く、村数も少ない。しかし、街が栄えている為に人口が多いのだ。一度混乱が生じれば、民を守る為に配置された騎士が民によって踏み倒されそうで怖い。
そんな事を考えていたら、騎士らがザワつき始めた。
「どうしたんだろう?」
「ちょっと聞いてみよっか」
「エドワード……」
睨みつけられてるのに度胸あるな。と、思いながら、俺もエドワードのやや斜め後ろに付いていった。
「何かあったんですか?」
「貴様ら……団長が話してた二人か。早く避難しておけ、邪魔だ」
門前払いだが、エドワードは諦めない。
「何か想定外のことでも?」
「子供には関係のないことだ」
騎士にそっぽを向かれた。すると、若い騎士もやってきた。
「副団長! 東のサラン村の近くにもスライムが大量発生しているらしいです!」
「なんだと? こんな時に……」
「もってことは、他の所にもスライムが?」
「ああ、今ので東西南北四方から大量のスライムが発生したと報告を受けた……って、貴様らには関係ない」
ついうっかりエドワードの質問に副団長が応えた。
「だが、今回の貴様らが持ってきた襲撃の情報はデマのようだな。時間になっても何も現れんではないか」
「そうなんだよねぇ」
副団長の意見に同調していると、アーサーの声が聞こえた。
『オリヴァー聞こえるか?』
「うん。どうしたの?」
『今回の襲撃は大量のスライムだ』
「スライムが?」
『しかも、めっちゃデカいのもいて、とにかく普通のスライム発生事案とは桁が違う』
俺が一人、アーサーのスキルで交信していると副団長が怪訝な顔で俺を見てきた。笑って誤魔化しながらアーサーの言葉に耳を傾けた。
『ここの騎士は平民上がりが多くて魔法は使えない。スキルも大したことないのが多いんだろう。スライムを倒せず負傷者が続出だ』
「なるほど」
スライムは斬ったら増える。触れたら皮膚が爛れる。ギルドでもランクA相当の厄介な魔物。それを倒せる者も限られる。魔王はここの領地の特性を知って、敢えてスライム一色で埋め尽くそうと……。
「副団長さん、スライムに対抗できる騎士は何人いますか?」
「何で子供にそんな情報……」
「早く!」
俺が詰め寄ると、副団長は根負けしたように応えた。
「魔法が使えるのは、私と団長と団員に二人、騎士見習いに一人だ」
「残りの人は領地外……いや、みんな結界内に避難させて!」
「結界?」
「民が避難している教会三つあるでしょ? そこから半径百メートルくらいまで結界が張られてるから、そこならスライムは入ってこられない」
「いつの間にそんなものを。それに、騎士が避難したら示しが……」
渋っている副団長に、また別の騎士が馬を走らせ報告に来た。
「副団長! 西の隊は全滅です。南は団長がいるので大丈夫かと思われますが、他の隊も重症者続出との情報あり」
「ほら、早く避難を」
「……分かった。騎士は皆、教会に避難せよ」
「避難したら聖水があるから、早くそれ飲ませて!」
「聖水ってあの噂の聖水ですか? 『ピンクの髪の小さな勇者』って、副団長……」
「まさか」
副団長にまじまじと見られた。一気に恥ずかしくなった俺は持っていた聖水を副団長に三本渡し、エドワードの後ろに隠れた。
「重症者は三口も飲めば治るから。絶対に死者は出さないで。エドワード、西に行ってみよう」
「うん」
「ちょっと待……」
副団長の声を無視して、騎士の部隊が全滅したという西へとエドワードと共に転移した——。
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