俺の妹は転生者〜勇者になりたくない俺が世界最強勇者になっていた。逆ハーレム(男×男)も出来ていた〜

陽七 葵

文字の大きさ
114 / 144
第七章 人間界侵略回避

警戒しすぎ? しなさすぎ?

しおりを挟む
 超特大スライムを倒した後も一息つく暇もなく戦い続けた。スライムの発生源は全て浄化し、超特大スライムも倒したが、それでもかなりの数のスライムが街中に残っていたのだ。

 ただ、エドワードや騎士団長らは魔力切れを起こしていた。俺とジェラルド、キースの三人で倒すハメに。

 領地中のスライムを一掃していたら案の定負傷者も数十名残っていた。

『あ、ここにもいた』

『お前がいなかったら、みんな死んでんだろうな』

 幸いな事に、致命傷になり得る傷も息さえあれば治癒できる。

 ちなみに、この負傷者達は冒険者だ。どこから来る自信か分からないが、自分ならこの騒動を鎮めることが出来ると思ったようだ。

 ——そんなこんなで、ローレンス伯爵領を守り抜いた俺達は、その後も二つの領地を守り抜いた。

 その二つは、先日と同様に騎士の育成が盛んな地域と魔術師が沢山いる地域だった。戦力になるかと思いきや、魔王はこれまた痛い所を突いてくる。

 騎士の育成が盛んな地域は、やはり魔法に疎い。次は飛行タイプ一色で攻めて来た。剣が届かないので何の戦力にもならない。

 そして、魔術師が多くいる地域は巨人族が送られてきた。敵は十体だったので、皆が余裕で倒せると勝った気でいると、上空から花粉のような物が降ってきた。と、思ったら声が出せなくなったのだ。

 声くらい、と思うかもしれないが、人間界で無詠唱で魔法が発動出来るのは俺とジェラルドだけだ。声が出せなくなった魔術師はただの人。しかも、魔術に特化していた為、剣どころか鍛えてすらいない。邪魔でしかなくなった。

「そういや、スライムのとこの団長、かなり広範囲に俺達の噂広めてるらしいぞ」

「そうなの?」

「最後の必殺技は、自分も力を貸したって自慢してるんだと。あいつ魔力込めただけなのに図々しいよな」

「はは……まぁ、認められたってことかな?」

 ヒューゴの弟子で、しかも子供だからと、俺達は騎士団長に邪険に扱われていた。しかし、今回の事で手の平を返すように態度も変わった。更には領地の弱点を克服すべく日々奮闘していくと意気込んでいた。

 それもこれもリアムの思惑通りになった。

 ——予告しての襲撃だったにも関わらず、全く機能しなかった騎士団。いかなる敵にも対処出来るように自分達の弱さを認める必要がある。

 馬鹿にしていた相手の力を目の当たりにすれば、悔しさ、嫉妬、憧れ、様々な感情が渦巻き今後の糧となる。そしてそれは国民を守る力となる。つまりは、国も強くなり安定した国家が築けるというわけだ。

 途中、俺とエドワードに騎士団長の元で団員の救助を命じてきたのは今後を見据えてのことだったらしい。

「単純に腹が立ってたってのもあるけどね。僕の親友……お嫁さんを泣かせるなんて許せないよね」

「リアム、俺、別に泣いてないよ。それに、わざわざ親友をお嫁さんに言い換えなくて良いから。親友にしといてよ」

「それより、オリヴァーは早く寝なよ。オリヴァーの光魔法がないと負傷者は助からないんだから」

「そうだぞ。襲撃は明後日だからな。早く魔力回復させろよ」

「分かってるけど、二人ともそんなに見ないでよ。眠れないじゃん」

 そう、今はベッドの中。リアムとジェラルドに挟まれて横になっている。

 次の襲撃は隣国のブライアーズ王国。よりにもよってアーサーの元主人であるアーネット公爵の領地。

 今回は大々的に名を残しながら戦わなければならない為、しっかりと手順を踏んで入国した。ただ、自国の王にリアムの情報はガセだと訂正されている俺達は、きっと歓迎されていない。しかし、王子の入国ともなると一応もてなす必要がある。

「一人一室用意されたんだから、わざわざ相部屋にしなくても良かったじゃん」

「お前、あいつの顔見ただろ? お前を見るなり鼻息荒くしてたぞ」

「でも今は普通に男だし、バレてはなさそうだったよ」

 アーネットに挨拶する際、俺は普段通りに。そして、ジェラルドは紺色の髪を隠し、金髪の長髪のカツラを付けて変装した。

 長髪を付けたらジェラルドも女の子になるのかと思いきや、魅力が増しただけだった。

 ちなみに、ノエルはアーサーらと共に村の小さな宿に泊まっている。変態アーネットに可愛い妹は見せたくない。俺もノエルのそばにいたかったが、ノエルに断られた。

『リアム殿下に何かあったらどうなさいますの? お兄様はリアム殿下をその命に代えても守ってみせるのでしょう?』

 結局、エドワードとキース、そしてショーンがノエルのそばにつくことに——。

「とにかく、一人部屋になんてなったらあいつに襲われるぞ」

「それに、アーサーも言ってたでしょ? 息子のチェスターまで君を狙ってるって」

「でも、あんな紳士的な人が本当に俺を狙ってんのかな?」

 アーネットの息子チェスターは、父とは反対に誠実そうな青年だった。

 この親子の会話をアーサーがスキルで聞いたところによると——。

『あの少年を利用すれば父上が国王になることも夢ではなくなりますよ』

『謀反を起こせと言うのか!?』

『父上も、ずっと現国王に不満を抱いていたではありませんか。噂程の少年でなくとも光魔法は役に立ちますし、今回がチャンスかと』

 チェスターはどうやら俺の光魔法を利用したいらしい。

 故に俺を性奴隷にしたいアーネットと光魔法を悪用したいチェスター。二人から俺は狙われているんだとか。

「だけど、警戒しすぎじゃない? 簡易だけどベッドも一人一つ用意してくれてるのに……」

「お前が警戒しなさすぎなんだよ」

「あ、そうか。俺があっち行けば良いのか……わッ」

 起き上がってベッドを移動しようとすれば、両脇からジェラルドとリアムに捕まり、再びベッドに戻された。

「お前二回も連れ去られてんだぞ。危機感ねーな。ほら、腕枕してやるから」

「そうだよ。ただでさえオリヴァーは隙だらけなのに、奴隷の首輪付けられて僕達でも見つけられない所に監禁されたらどうすんの?」

「そんなことしたら国際問題に発展して……」

「普通はね。だけど、襲撃に乗じてオリヴァーは死んだか失踪したと言い張るよ」

「確かに……」

「だから、僕らから絶対離れちゃダメだよ」

 それ以上は言い返す言葉もなく、俺はジェラルドに腕枕をされ、リアムに布団の上からトントンされながら眠りについた。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。

しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。 基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。 一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。 それでも宜しければどうぞ。

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!

ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。 ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。 これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。 ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!? ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19) 公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。 2023.04.03 閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m お待たせしています。 お待ちくださると幸いです。 2023.04.15 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m 更新頻度が遅く、申し訳ないです。 今月中には完結できたらと思っています。 2023.04.17 完結しました。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます! すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

処理中です...