俺の妹は転生者〜勇者になりたくない俺が世界最強勇者になっていた。逆ハーレム(男×男)も出来ていた〜

陽七 葵

文字の大きさ
144 / 144
第八章 逆ハーレムまっしぐら

転生者ごっこは続く……

しおりを挟む
 季節は一巡し、翌年の寒い寒い季節。

「勇者様、この度はこんな辺境の地まで遥々ありがとうございました」

「いえいえ」

「流石SSランクの勇者様ですね」

「へへ」

「オリヴァーは良いよな。俺なんてまだS止まりだぜ?」

「でもさ、闇魔法使えなくなったのにSSのままで良いのかな? 多分これ、光と闇を同時に扱えてたからだよ」

 俺はノエルの望み通りSSランクに成り上がった。ついでに逆ハーレムも完成した。

 闇魔法……主に転移が便利なのと、みーちゃんに愛着が湧いていた。メレディスとも仲良くやっており、他の仲間も『妾』認定された事で愛を育むことが出来るようになった。この際、刻印を消さなくても良いかなと思っていた。

 しかし、メレディス以外は不服を申し立てていた。何故なら、刻印がある以上、あくまでもメレディスが本命で他は『妾』という立ち位置に成り下がってしまうから。

 なので、今の俺は刻印は綺麗さっぱり消えて闇魔法も使えなくなった。闇魔法を使えない今、再鑑定をしてもらった方が良いのではないかと思っている——。

「別に誰も困らないから再鑑定なんてしなくて良いんじゃない? 一目置かれる存在って大事だしさ」

「リアム殿下の言う通りだよ。それにオリヴァーなら闇魔法使えなくてもSSだよ。なんたって主人公なんだから」

 エドワードが一冊の本を取り出した。

「それって、まさか……って、みんな持ってんの!?」

 それはノエルが完成させたBL満載の俺の冒険記録。皆がペラペラと頁をめくりながら口々に言った。

「まさかオリヴァーは最初から俺の事好きだったなんてな。気付かなくて悪かったな」

「ジェラルド、違うから……」

「もっと早く言ってくれたら良かったのに。毎晩普通に隣で寝ちゃったじゃん」

「リアム、普通に寝て良いんだよ」

「何か僕とのシーンが少なめだよね。嫉妬しちゃうな」

「それを言うならエドワード。オレなんて途中からだから半分くらいしか書かれてないぜ」

「もう、それ恥ずかしいから捨ててよ。ノエルも何部刷ってんの」

 この調子なら、きっとメレディスと魔王にも渡しているはず。後でこっそり回収して回ろう、そう思っていたら……。

「先月、遂に百万部のベストセラー入りを果たしましたわ」

「百万部!?」

「やはり、イアン殿下を秒で倒したのが功を奏したのでしょう」

「父上も秒で倒してたもんね」

 ——他国の王らや自国の民の前でイアンを秒で倒した後、割れんばかりの拍手喝采が沸き起こった。そんな時、王家の沽券に関わると言って国王自らが前に出てきたのだ。

『息子はまだまだ未熟なのだ。そんな息子に勝ったからって良い気になるなよ。私が相手だ』

 国王もイアンも本来なら相当な魔力量を持っており、剣と魔法あらゆる訓練を受けて本来は強いのだ。しかし、俺は無詠唱で魔法が出せる。そこが一番の決め手だったかもしれない。国王も呆気なく倒れた。

 またもや拍手喝采の嵐だ。ただ、そこで問題が生じた。

『王家がこんなに弱くて大丈夫? 相手、子供だよ』

 自国の民から不安の声が次々と発せられ、闘技場内が一変、不安の色に染まった。

 そこでリアムが前に出た。シンと静まり返った闘技場で、堂々と言った。

『ここにいる勇者オリヴァー・ブラウンは将来、私の伴侶になる者だ。我が国も私の妃が守ってくれる』

 そこにいる皆が呆気に取られている。だって、俺は男だから。

『男が男と結婚して何が悪いの?』

 リアムがニコリと微笑めば、静まり返っていた闘技場内が沸いた。

 恋愛・結婚における概念を覆した瞬間だった。そしてそれは、リアムが王になる未来が見えた瞬間でもあった——。

 シュッ。

 目の前にメレディスが現れた。

「任務は終わったか? エドワードは次、座学の授業だろう?」

「あ、そうだった。あの講師、遅れると煩いんだよ」

 俺達は冒険を続けているが、この春からエドワードは学園に通っている。時間が空いたらこうやってメレディスに転移で送迎してもらいながら任務に参加しているのだ。

「エドワードも大変だね」

「少しでもオリヴァーと一緒にいたいからね」

「はは……みんなって言ってあげてよ」

 苦笑を浮かべていると、メレディスとエドワードの姿が消えた……と、思ったらメレディスに後ろからギュッと抱きしめられた。

「疲れただろう? 温泉に入りに行こう」

「メレディス、温泉好きだよね」

「汝が私の為に自ら脱ぐのは温泉の時くらいだからな」

「メレディスの為じゃないし」

 溜め息を吐いていると、ジェラルドがメレディスを俺から引き剥がした。

「メレディスはさっさと魔界帰れよ」

「帰るわけないだろう。有給休暇はたったの十年しかないのだ。貴重な時間を無駄には出来ない」

 そう、メレディスは有給休暇中。魔界から逃げる時に魔王とメレディスが賭けをした。無事に俺を人間界まで送り届けることが出来れば十年の有給休暇を与えると。

 なので、メレディスは自由気ままに俺の近くにいつもいる。冒険が終われば、キースと共に俺の侍従になると意気込んでいるようだ。

 ちなみに、メレディスが手伝わない分、魔王の仕事量が多い。故に魔王は俺の元にあまり現れない。ただ、会えない反動もあって、会った時の愛されっぷりは言うまでもない。

「仮に人間界では一夫多夫制になるとして、人間界と魔界の妃を同時に務めるなんて出来ないのにね」

 ポツリと呟けば、リアムが言った。

「そこはちゃんと考えてるから大丈夫だよ」

「え、どうするの?」

「それは追い追いね」

 気になる……気にはなるが、聞かない方が身の為な気もする。

 とにもかくにも、様々な異名はあるもののノエルが望んだ勇者、それも『世界最強の勇者』とまで呼ばれるようになった。そして、俺を中心としたBLの世界も現実と化した。

 これでノエルの転生者ごっこも幕を閉じる。そう思ったのも束の間、ノエルが言った。

「次は学園モノですわね」

「は?」

「既に逆ハールートコンプ致しましたので、それに引き続く何かが巻き起こるはずですわ。ふふ、楽しみですわね」

 皆様、次は学園モノらしいです。



             おしまい。
しおりを挟む
感想 22

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(22件)

青りんご
2024.11.09 青りんご

エドワード意外でした😂
でもオリヴァー死んでなくて良かったです。

2024.11.10 陽七 葵

いつもありがとうございます!
エドワード推し減ったらどうしよう……とは思いながら書きました(^^;)

ノエル「主人公なので、お兄様は死にませんわ。死んでも生き返りますわ」

と、きっとノエルなら言っているはずですw

解除
moka
2024.11.09 moka

やっとみんなの気持ちが揃ってきましたね!
キースとエドワードがどうなるのか心配でしたが、次の展開が楽しみです笑

2024.11.09 陽七 葵

感想ありがとうございます!
こんなに読んで頂けて嬉しいです✨

寂しいことに残り3話で完結予定なんです😭
最後までお付き合い頂けると幸いです🙇‍♀️

解除
青りんご
2024.11.08 青りんご

ファーストキス、甘かったんだねw
私、メレディス推しなのでちょっと嬉しかったです!

2024.11.08 陽七 葵

いつもありがとうございます!
メレディス推しなんですね😊
勘違いしやすいですが、強いし守ってくれるしで、頼りになる旦那さんですよね笑

引き続き応援宜しくお願いします🙇

解除

あなたにおすすめの小説

平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。

しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。 基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。 一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。 それでも宜しければどうぞ。

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!

ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。 ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。 これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。 ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!? ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19) 公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

悪役令息に転生したのに、ヒーローもヒロインも不在で、拾って育てた執事が最強なんだが……なんで?!

はぴねこ
BL
前世の弟が好きだったゲームの世界に、悪役令息として転生してしまった俺。 本来なら、ヒロインをいじめ、ヒーローが活躍するための踏み台になる…… そんな役割のはずなのに、ヒーローともヒロインとも出会えない。 いじめる対象すら見つけられない新米悪役令息とか、ポンコツすぎないだろうか? そんな俺に反して、子供の頃に拾って育てた執事は超優秀で、なぜか「悪役執事スキル」を着実に磨いている。 ……いや、違う! そうじゃない!! 悪役にならなきゃいけないのは俺なんだってば!!! 

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。