妹に全てを奪われた私、実は周りから溺愛されていました

日々埋没。

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アイリス・イン・ナイトメア

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「あたしは――

 口を突いて出たのはそんなこと。
 なんてことはない、あたしはただ大好きなと喧嘩別れしたことが心残りだった。
 昔は仲のいい姉妹でいられたのに、いつからか姉に嫉妬するようになって。
 彼女もまた、両親しいくいんから甘やかされていたあたしを羨んでいたのだと思う。
 やがてそのお互いの醜い嫉妬心は埋めようのない溝となり、修復不可能なほどの確執が生まれた。
 
 でも真実を知ったあとでは馬鹿らしい。
 だってそれは、あたしたち以外の人間が意図的に仕向けたものなのだから。
 確かに人豚の儀に関わった色んな人間に復讐したい気持ちがないかと問われれば嘘になる。
 あの場であたしを笑い物にし、容赦ない仕打ちをした王家アルフレッドも貴族連中も――だったはずの存在も、みんなみんな大嫌い。
 
 でもこうなった今でも、あの時助けてくれなかったとしても、やっぱりあたしはリディアを嫌いになんてなれないのだ。
 尊敬する自慢のお姉ちゃんなのだから。
 だからたった一度きりのチャンスがあるのなら、復讐なんてくだらないことよりもあたしはあの人に謝りたい。
 謝って、もう一度あの頃のような関係に戻りたい。
 たとえそれが現実と異なる淡い夢だったとしても。
 たとえ人豚として殺されることが分かっていても。
 仲直りして、笑顔でリディアとお別れがしたい。

 ――大好きだよお姉ちゃん、って伝えたい。
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