愛のない貴方からの婚約破棄は受け入れますが、その不貞の代償は大きいですよ?

日々埋没。

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焦燥

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「でも昼間は焦ったね。まさかあの娘にあたしの正体が気取られるとは思わなかったからさ、つい演技を忘れて素に戻っちまったよ。まあどっかの色ボケた馬鹿王子はまったく気に留めてなかったようだけど。あの時あたしに騙されていたことをさっと自覚してアズールサに誠心誠意謝りゃあ、今頃そうやって血反吐を吐いて苦しみながら死ぬ必要もなかったのにねぇ?」

 その時の光景を思い出すとよっぽど面白かったのかくつくつとミゼリアは笑う。蠱惑的でどこか色っぽい、実に麗しき女暗殺者の姿であった。

「ぞん、な……」

 一方で真実を聞かされ、急速に力が抜けていくマタトニア。
 彼の心は信じるべきだった者を違えたショックで苛まれており、その深い絶望によって気力すら削られていった。
 そうして次第にヒュー、ヒューと喘鳴ぜんめいし始め、いよいよもって最期の瞬間を迎えつつあった。
 しかしだからといってミゼリアの口撃が止まることはない。まるでここにはいないアズールサの分までマタトニアを非難するかのように、激しい言葉を浴びせる。
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