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しおりを挟む転入生・藍野純を見た時、西連寺は直ぐに彼が問題児である事を見抜いた。
品性、敬意に欠ける点。我儘で短気な所。気に障る事があると直ぐに手が出る。
それらを資料と己の目のみで判断し、その上で西連寺は思った。
こいつは使えるな。
最近では口論そのものを龍神が避けていることもあり、西連寺と龍神の交流はクラスメイトにもかかわらず皆無。言い合いすら出来ない状況で、西連寺は最高に機嫌が悪かった。
だがここにきて問題児である藍野の転入だ。彼が問題を起こせば、風紀委員長である龍神は必然的にこちらに関わらなければならなくなる。報告書の受理や調査で向こうから生徒会に接触する必要が出てくるはずだ。
そう見越して西連寺は堂々と仕事をサボり、自分にベッタリしてくる藍野を適当にあしらった。学園人気が圧倒的に高い西連寺がちょっと藍野を特別扱いしただけで周りは勝手に盛り上がって、すぐに学園のスキャンダルになった。そして西連寺統和を含めた生徒会は色恋沙汰に夢中になり、仕事を全くしていないという悪評が流れ始める。
結果として、それは西連寺の思い通りに進んだ。そう、風紀である龍神が出動する事態になったのである。
予想通り龍神が生徒会室へ忠告に来た時は思わずニヤニヤしてしまった。目指している関係とは程遠いが、龍神と会話(一方的な煽り)が出来てひとまず西連寺は安堵したのである。
そんな俺様拗らせ系生徒会長の西連寺は今日、本当は嫌味を言いに来た訳ではなく、一言謝罪と礼を言いに来たつもりだった。一応仕事をサボった事に反省の意はあったのである。
が、当然そんなことは俺様としてのプライドが許さずいつもの如くただ龍神を苛立たせるに終わった。
西連寺は自身の発言を振り返る。
『こんなとこに長々と居られるわけねえだろ』?
大嘘である。
長々と何時間でも居たいのが本音だった。
空回りの繰り返し。
一体どこで間違えたのかと言えば、正直生徒会長になったその日から間違えたと答えるしかない。
その事に気付くまで、残念ながら西連寺は報われそうになかった。
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