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プロローグ
別れを告げる者達 3
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「さて、どれどれ・・・『前略、アルバロお兄様へ。山の緑も芽吹き始めるこの頃、いかがお過ごしでしょうか?』ね。中々、情緒溢れる書き出しじゃないか?」
「そこらへんは、飛ばしていい大将。最後の方・・・そう、その辺りを呼んでくれ」
能力を発動させたカイは、アルバロそっくりな姿へと変異している。
ドッペルゲンガーの力は、姿を盗んだ相手の技能をある程度模倣する。
そのため今の彼の目には、オークが使う文字がすんなりと読めるようになっていた。
「ん、ここか?どれどれ・・・『昨夜、立派な鶏冠を持った雄鶏が息を引き取りました。ですのでお兄様、ディエゴ兄とフェルナン兄も連れて至急お戻りください』って、これは・・・それほどの事か?」
「それは符丁だ。親父が死んだという、な」
アルバロの指定によって、手紙の最後の方の部分へと目線を動かしたカイは、その内容を読み上げる。
しかしそこに書かれていた内容は、日常のちょっとした出来事に過ぎなかった。
その出来事と、その後に続く帰郷を急がせる内容のギャップにカイが首を捻っていると、アルバロがポツリと言葉を呟いていた。
それは手紙の内容を補足する言葉だ、その内容に周りの者達もざわざわと騒ぎ始める。
「それは、大事だな。確かお父上は、多数のオークの一族を束ねる大族長だったのではなかったかな?」
「あぁ、親父がやっとの思いで島を統一したんだ。それが死ねば、また戦乱の時代に逆戻りしてしまうかもしれない。俺達が、それを止めねば」
彼らが故郷ホワイトホール島は、数百年間争いを続けていたオーク達の島だ。
それを彼らの父である、ヘラルド・ミラモンテスがようやく統一したばかりであった。
偉大なる彼が死ねば、統一して間もない島は再び戦乱の時代へと舞い戻るだろう。
彼の子であるアルバロ達には、それを止める義務があった。
「それは、止められないな。だが、約束してくれアルバロ。それにディエゴとフェルナンも。必ず生きて帰ると」
「あぁ、必ず。戻って来る時は、オークの一軍を引き連れていく。その時は凱旋式でもやってくれよ、大将」
「・・・その時を楽しみにしているよ」
役割の終えた手紙を折り畳んでアルバロへと返却したカイは、自らの姿を元のものへと戻す。
いつもの黒髪の男性の姿へと戻り、どこか安心したように息を吐いたカイは、足早に立ち去ろうとしていたアルバロに声を掛けていた。
それは彼の悲壮な覚悟を読み取ったものであろうか、カイの声にその表情を崩したアルバロは、冗談めかして唇を吊り上げる。
その言葉に、カイも薄く笑みを返していた。
「行くぞ、お前ら!」
「おぅ!」
「あぁ」
カイとのやり取りによってその表情から悲壮さの消えたアルバロは、強い決意を秘めて歩みを進めていく。
その後ろを、二人の弟達が付き従っていた。
(えぇ~・・・俺、そんな大事を手助け出来ると思われるの?いやいやいや、無理でしょそれは!確かにさぁ、親父さんの事は一回助けたことはあるかもしれないけど・・・それも偶々だし。もう一回やれって言われても無理だって!!良かったぁ、これから辺境に行くことになって。それなら遠くにいて手が出せなかったって、言い訳できるしな)
立ち去っていった彼らに軽く手を振っていたカイは、表情に出す事なく内心胸を撫で下ろしていた。
戦乱の終結など、彼の手に余るというどころの話ではない。
それに関わらずに済みそうな状況に、彼は今回の辞令へと密かに感謝していた。
「そこらへんは、飛ばしていい大将。最後の方・・・そう、その辺りを呼んでくれ」
能力を発動させたカイは、アルバロそっくりな姿へと変異している。
ドッペルゲンガーの力は、姿を盗んだ相手の技能をある程度模倣する。
そのため今の彼の目には、オークが使う文字がすんなりと読めるようになっていた。
「ん、ここか?どれどれ・・・『昨夜、立派な鶏冠を持った雄鶏が息を引き取りました。ですのでお兄様、ディエゴ兄とフェルナン兄も連れて至急お戻りください』って、これは・・・それほどの事か?」
「それは符丁だ。親父が死んだという、な」
アルバロの指定によって、手紙の最後の方の部分へと目線を動かしたカイは、その内容を読み上げる。
しかしそこに書かれていた内容は、日常のちょっとした出来事に過ぎなかった。
その出来事と、その後に続く帰郷を急がせる内容のギャップにカイが首を捻っていると、アルバロがポツリと言葉を呟いていた。
それは手紙の内容を補足する言葉だ、その内容に周りの者達もざわざわと騒ぎ始める。
「それは、大事だな。確かお父上は、多数のオークの一族を束ねる大族長だったのではなかったかな?」
「あぁ、親父がやっとの思いで島を統一したんだ。それが死ねば、また戦乱の時代に逆戻りしてしまうかもしれない。俺達が、それを止めねば」
彼らが故郷ホワイトホール島は、数百年間争いを続けていたオーク達の島だ。
それを彼らの父である、ヘラルド・ミラモンテスがようやく統一したばかりであった。
偉大なる彼が死ねば、統一して間もない島は再び戦乱の時代へと舞い戻るだろう。
彼の子であるアルバロ達には、それを止める義務があった。
「それは、止められないな。だが、約束してくれアルバロ。それにディエゴとフェルナンも。必ず生きて帰ると」
「あぁ、必ず。戻って来る時は、オークの一軍を引き連れていく。その時は凱旋式でもやってくれよ、大将」
「・・・その時を楽しみにしているよ」
役割の終えた手紙を折り畳んでアルバロへと返却したカイは、自らの姿を元のものへと戻す。
いつもの黒髪の男性の姿へと戻り、どこか安心したように息を吐いたカイは、足早に立ち去ろうとしていたアルバロに声を掛けていた。
それは彼の悲壮な覚悟を読み取ったものであろうか、カイの声にその表情を崩したアルバロは、冗談めかして唇を吊り上げる。
その言葉に、カイも薄く笑みを返していた。
「行くぞ、お前ら!」
「おぅ!」
「あぁ」
カイとのやり取りによってその表情から悲壮さの消えたアルバロは、強い決意を秘めて歩みを進めていく。
その後ろを、二人の弟達が付き従っていた。
(えぇ~・・・俺、そんな大事を手助け出来ると思われるの?いやいやいや、無理でしょそれは!確かにさぁ、親父さんの事は一回助けたことはあるかもしれないけど・・・それも偶々だし。もう一回やれって言われても無理だって!!良かったぁ、これから辺境に行くことになって。それなら遠くにいて手が出せなかったって、言い訳できるしな)
立ち去っていった彼らに軽く手を振っていたカイは、表情に出す事なく内心胸を撫で下ろしていた。
戦乱の終結など、彼の手に余るというどころの話ではない。
それに関わらずに済みそうな状況に、彼は今回の辞令へと密かに感謝していた。
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