ダンジョン経営から始める魔王討伐のすゝめ 追放された転生ダンジョンマスターが影から行う人類救済

斑目 ごたく

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ダンジョン経営の始まり

動き出した主とその部下達 3

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「その通りじゃ。あのカイ様がその程度の事で、自ら動く訳がなかろう?」

 ヴェロニカの疑問に答える声が、彼女の背後から響いてくる。
 そこには地面を四本の足で歩く、ダミアンの姿があった。
 彼はゆっくりと二本の足で立ち上がると、やれやれと腰を擦る。

「爺さん、腰はもういいのか?」
「あぁ、もう心配いらんよ。カイ様に、たっぷりと休暇を貰ったからな」

 大丈夫と話しながらも、腰を労わりながら進むダミアンに、セッキは心配そうな視線を向けている。
 そんな彼の視線も、隣から飛び出した人影によって遮られてしまっていた。

「あー!おじじー!!」
「ちょ!?待つのじゃ、フィアナ!!せ、せめて優しく・・・ぐげぇ!?」

 セッキの横の席から勢いよく飛び出したフィアナの姿に、ダミアンは必死に思い留まるように呼びかける。
 それは適わないと悟った彼は、せめて優しく扱ってくれるようにフィアナに求めたが、その声が彼女に届く事はなかった。

「もう大丈夫なのー?」
「お、おぅ・・・そうじゃな、もう平気じゃよ。だからこう・・・もそっと、緩めてくれんかのう?」
「うん、分かったー!」

 大好きなダミアンを抱きかかえるフィアナの力は強く、腰を痛めて寝込んでいた彼には刺激が強かった。
 それでも可愛いフィアナを傷つけたくないダミアンは、優しい物言いでそっと力を弱めてくれるように、彼女へと頼んでいた。

「それで、ダミアン。あなたはどう考えているのかしら?」
「あ、あぁ・・・そうじゃったな。カイ様は・・・フィアナ、ここをもう少しじゃな」
「こう?」
「おおっ!そうじゃそうじゃ!」

 フィアナに抱きかかえられ、ようやく落ち着いた様子のダミアンに、ヴェロニカは早く話せと急かしたてる。
 彼もその声に早速話そうとするが、僅かに据わりの悪い抱き心地に違和感を覚え、言葉を詰まらせてしまう。
 彼はフィアナの腕をその尻尾で撫でると、抱き具合の修正を求める。
 その指示に即座に従ったフィアナに、ダミアンは声を上ずらせて喜びを示していた。

「・・・もう、いいかしら?」
「あぁ、待たせてすまんなヴェロニカよ」

 ダミアンとフィアナのやり取りに、若干苛々した様子で足を踏み鳴らしていたヴェロニカは、いい加減にしろと眉を逆立てている。
 彼女に軽く謝ったダミアンは、フィアナの腕の中で姿勢を正すと、もったいぶった動きでゆっくりと口を開く。
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