ダンジョン経営から始める魔王討伐のすゝめ 追放された転生ダンジョンマスターが影から行う人類救済

斑目 ごたく

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ダンジョン経営の始まり

部下達は主人の考えが理解出来ず混乱する 1

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「どういう事だ、こりゃ?」

 新参者の魔物達は先に帰し、側近達だけが残ったダンジョンの入り口に、疑問に満ちた声が響く。

「なぁ爺さん、これはどういう事なんだ?あんたなら、なんか分かるんじゃねぇのか?」
「いや、悪いがセッキよ・・・今回のあの御方のお考えは、わしにも分からんのじゃよ」

 セッキは先ほどの訳の分からない話も、ダミアンならば理解出来るのではないかと期待して、彼へと問い掛ける。
 しかし返ってきた返事は、彼の望んだものとは違う答えであった。
 フィアナの腕に抱えられているダミアンはその短い首を横に振ると、謝るような口調で諦めを口にしていた。

「貴方でも分からないの、ダミアン?そうなると・・・お手上げね」

 仲間の中でも一番の知恵者であるダミアンが口にした諦めに、ヴェロニカは僅かに驚きを見せると、肩を竦めて息を漏らす。
 彼女は困ったように眉を下がらせると、主人の意図を読み解けない自分を情けなく思っていた。

「そ、そうだフィアナ!旦那とあの村に行ったんだろう?そこで何をしてたんだ?」

 頭脳労働担当の二人が見せたお手上げという態度に、セッキはカイへとついていったフィアナに彼の発言の答えを求める。
 しかしそんな彼に返ってきたのは、彼女の渋い表情であった。

「えっとね・・・護衛は主人の行動について、他の人に話しちゃ駄目なんだよ?」

 困ったように眉をへの字に曲げているフィアナは、それでもはっきりとした言葉でセッキの要求に拒絶を告げる。
 それは彼女の過去の経験からくる言葉だろうか。
 尚も食い下がろうとするセッキも、彼女のその表情を目にすれば引き下がるしかない。
 カイの下に集った仲間達は、それぞれに重い事情を抱えてここまでやってきている。
 それにお互い触れないというのは、ここの不文律のようなものであった。

「フィアナの言う通りじゃ。あの御方の行動を勝手に詮索するのは良くない。ただでさえ勝手に護衛を手配しとるのじゃ、それを利用して行動を覗き見るなど部下の領分を越えておるわ」
「ダミアンの言う通りね。私達がするべき事はあの御方の言葉や行動から意図を窺う事であって、その後ろをつけまわすような事ではないわ。フィアナ、よく黙っていてくれたわね。偉いわよ」
「えへへ、当たり前だよー」

 ダミアンに続きヴェロニカも、フィアナの態度を肯定してセッキの行動を批判する。
 彼らが密かに護衛としてフィアナをカイにつけたのは、その身の安全を願っての事であり、彼の行動を探ろうなどという意図ではない。
 図らずもその意図を全うしたフィアナに、ヴェロニカは優しげな笑顔で賞賛の言葉を送る。
 その言葉にフィアナは照れくさそうに、爪先で踵を掻いていた。
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