ダンジョン経営から始める魔王討伐のすゝめ 追放された転生ダンジョンマスターが影から行う人類救済

斑目 ごたく

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初めてのお客様

三人は冒険者の来訪に備えて最終確認を行う 2

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「しかし、実際彼らがまだ来ていないのは事実。予定よりも早いというならば、カイ様は何をなさりお積りなのですかな?」
「ん?いや別に何も・・・いや、そうだな。今の内に最終確認をしておこうと思ってな、ヴェロニカ頼めるか?」

 カイに身体を触られた事で素直に納得するヴェロニカと違い、壁際に配されたベンチ状の椅子の上で佇み、その身体を起こしたダミアンはカイの行動に何らかの意味を求めていた。
 その問い掛けに、ただ気まずかっただけと答えることが出来ないカイは、適当な理由を思いつくとそれをヴェロニカに提案する。
 その言葉にヴェロニカはすっと立ち上がると、きりっとした表情でカイの横へと並んでいた。
 彼女が一瞬見せた嬉しげに緩んだだらしない笑顔を目にしたのは、きっとダミアンだけだろう。

「それでは、まず入り口から説明させていただきます。あの、カイ様・・・モニターを」

 中身が現代人であるカイの知識に応じて形成されているこのダンジョンのユーザーインターフェイスは、この世界の存在であるヴェロニカには操作が難しい。
 張り切った表情で現在のダンジョンの状況を説明しようとしたヴェロニカは、それを視覚的に示すためにモニターを操作しようとする。
 しかしそれに手間取ると、恥ずかしそうな表情でカイへと助力を求めていた。

「ん?あぁ、どこを映せばいい?この辺でいいか?」
「えっと・・・あ、そこです!ありがとうございます、カイ様」

 来訪する冒険者の姿を捉えるためにダンジョンの入り口を映していたモニターは存在したが、その角度は入り口から外側へと向いている。
 その角度が気に入らなかったのであろうヴェロニカの要請に、カイは空中に浮かんだモニターへと手を伸ばすと、それをドラッグしては映る角度をずらしていく。
 その画面をカイの肩越しで見詰めていたヴェロニカは、望んだ角度に指を伸ばすと彼に感謝の言葉を述べていた。

「え~・・・こほんっ、それでは説明させていただきます。まずダンジョンの入り口なのですが、自然の洞窟という雰囲気を残すためにほとんど手を加えていません。しかしそれではダンジョンにやってきたという期待感が薄らいでしまうため、魔力の高い場所・・・つまりダンジョンに生息する雷光虫と、ヒカリゴケの一種を配置しています」

 出鼻をくじかれた感じとなってしまったヴェロニカは、咳払いで仕切り直すと説明を再開していた。
 彼女は説明の内容に伴って、モニターの一部へと手を伸ばす。
 そこには確かに何かが映っているように見えたが、小さすぎてよく見えはしない。
 その事を察したカイが手元を操作して、そこへとカメラを寄せてやるとヴェロニカは嬉しそうに口元をふやかしていた。
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