ダンジョン経営から始める魔王討伐のすゝめ 追放された転生ダンジョンマスターが影から行う人類救済

斑目 ごたく

文字の大きさ
152 / 308
初めてのお客様

初めての冒険とその結末 4

しおりを挟む
「そうですなぁ・・・取り合えず、地底湖は早急にダンジョン領域として登録する必要がありますな。シーサーペントも撤収させた方がよろしいかもしれません。やはりあれは過剰戦力でありましょう」
「登録の件は当然だな。しかしシーサーペントの方はどうだろうか?彼らにもその存在ははっきりと目撃されてしまったのだし、いきなりいなくなるというのはな・・・いやそれはそれで、伝説の存在みたいになって面白いか?UMAみたいな・・・」

 カイが口にした懸念に、ダミアンが具体的な事項を挙げている。
 ヴェロニカの反対側の席へとついた彼は、その短い足をプラプラとさせながら二つの懸念を告げる。
 その一つについてはカイもすぐに同意していたが、もう一つの懸念であるシーサーペントの扱いについては違う見解を述べていた。

「まぁそれは、後で考えよう。ヴェロニカ、先ほどの件はすぐに対応出来るか?」
「はい。ご要望とあれば、すぐにでも」
「では頼む。あぁそうだ、同じような事があっては面倒だからな、他のエリアの点検も一緒に頼めるか?」
「登録漏れがないかの確認ですね?畏まりました」

 若干面倒臭い感じになってしまったシーサーペントの扱いについては、また後日考えることに決めたカイは、今すぐにでも取り掛かれる問題について行動を開始する。
 ダンジョンの領域として認識されていなかった地底湖の一部を、改めてダンジョンへと登録する仕事をヴェロニカへと任せた彼は、登録漏れがないかのチェックも同時に頼んでいた。
 彼の指示に軽く頭を下げて承ったヴェロニカは、ダンジョンコアへと近づくと操作端末を展開する。
 そこからは以前よりも明らかにすべらかになった操作音が、かちゃかちゃと響き始めていた。

「後はそうですな・・・やはりあの宝箱というのは何といいますか、怪しすぎるのでは?彼らもかなり警戒していたようですし」
「うむむ、確かにそれはそうなのだが・・・彼らのパーティには罠を解除できる技能を持った者がいなかっただろう?それがいれば反応も変わってくるんじゃないか?」

 続いて挙げる懸念事項に、ダミアンは宝箱の存在を指摘していた。
 事実、彼の言うとおりその箱は、クリス達にもかなり怪しいと警戒されてしまっていた。
 しかしダンジョンと言えば宝箱という拘りを捨てきれないカイは、何とかそれをごり押そうとクリス達のパーティにはいなかった存在を指摘する。
 確かに彼の言うような存在があのパーティに在籍していれば、彼らも普通に宝箱を漁ろうとしていたかもしれない。

「まぁ、確かにそうかもしれませんが・・・しかしですな」
「いや、ダミアンには悪いがあれは今後も続けていく。それであまりに反応が悪いようなら、その時はまた考えよう」
「はぁ・・・カイ様がそう仰るなら」

 カイの主張は、ある程度筋が通ったもののように思える。
 しかしそれはこの世界において、そもそも宝箱なんて存在が認知されていないという事実を無視してのものであった。
 それ故の欠点を指摘しようとしたのであろうダミアンの言葉を、カイは最後まで言わせることはない。
 何故ならそれを最後まで言わせてしまえば、確実に言い負かされてしまう事が分かっていたからだ。
 支配者としての権限を持って、強制的に口を噤ませたカイの振る舞いに、ダミアンは気の抜けた声を漏らしながらも了承の言葉を返していた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します

三門鉄狼
ファンタジー
目覚めると、リビングアーマーだった。 身体は鎧、中身はなし。しかもレベルは1で超弱い。 そんな状態でダンジョンに迷い込んでしまったから、なんとか生き残らないと! これは、いつか英雄になるかもしれない、さまよう鎧の冒険譚。 ※小説家になろう、カクヨム、待ラノ、ノベルアップ+、NOVEL DAYS、ラノベストリート、アルファポリス、ノベリズムで掲載しています。

女神を怒らせステータスを奪われた僕は、数値が1でも元気に過ごす。

まったりー
ファンタジー
人見知りのゲーム大好きな主人公は、5徹の影響で命を落としてしまい、そこに異世界の女神様が転生させてくれました。 しかし、主人公は人見知りで初対面の人とは話せず、女神様の声を怖いと言ってしまい怒らせてしまいました。 怒った女神様は、次の転生者に願いを託す為、主人公のステータスをその魂に譲渡し、主人公の数値は1となってしまいますが、それでも残ったスキル【穀物作成】を使い、村の仲間たちと元気に暮らすお話です。

【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
アベル・ヴィアラットは、五歳の時、ベッドから転げ落ちてその拍子に前世の記憶を思い出した。 大人気ゲーム『ヒーローズ・ジャーニー』の世界に転生したアベルは、ゲームの知識を使って全男の子の憧れである“最強”になることを決意する。 そのために努力を続け、順調に強くなっていくアベル。 しかしこの世界にはゲームには無かった知識ばかり。 戦闘もただスキルをブッパすればいいだけのゲームとはまったく違っていた。 「面白いじゃん?」 アベルはめげることなく、辺境最強の父と優しい母に見守られてすくすくと成長していくのだった。

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。 冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。 底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。 そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。  部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。 ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。 『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!

処理中です...