ダンジョン経営から始める魔王討伐のすゝめ 追放された転生ダンジョンマスターが影から行う人類救済

斑目 ごたく

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ダン・アダムスは夢を抱く 5

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「おいおいおい!止めとけって、ハロルド!」
「止めるな、クリス!こんな奴のために、アイリスが危険な目に遭うなんてっ!」
「そりゃそうだけどさ・・・てゆーか、あれがあっただろ?あれを使えば良くないか?」

 男へと殴り掛かろうとしていたハロルドは、彼を後ろから羽交い絞めにしたクリスによって止められていた。
 その圧倒的な身体能力の差に、ハロルドは為す術もなく取り押さえられてしまう。
 それでも止めるなと暴れる彼に、クリスは何かを思い出すとそれの存在を示唆していた。

「あれ?一体何を・・・あっ!あれの事か!!ちょっと待てよ、確かこの辺に・・・」

 クリスの意味の分からない発言に、怒りと呆れの混じった声を返そうとしていたハロルドはしかし、その途中に彼が言わんとしていた存在について思い出していた。
 クリスと同じように、彼もそれを使えばこの状況を解決できると感じたのか、慌てて自らの荷物を探り始める。
 彼がそれを探り当てるまでの時間は、そう長くはない。
 荷物から彼が取り出したそれは、小さく作りのいいガラスの小瓶であった。

「それは・・・?随分と作りのいいガラス瓶だが・・・」
「退いてください!おい、クリスそっちを押さえろ!!」
「はいはい」

 話の流れからハロルドが取り出した小瓶が、今の状況を何とかするためのものなのは分かる。
 しかし得体の知れない液体の詰まったその小瓶を目にすれば、どこか不安を感じてしまうのも無理はない話しだ。
 ハロルドに対して不審の目を向けたスタンリーはしかし、すぐに彼によって突き飛ばされてしまう。
 押さえる者がいなくなりさらに激しく暴れだした男に、ハロルドはクリスにも協力を頼むと彼を二人がかりで押さえつけていた。

「あれ?そんな使い方でいいのか?」
「問題ない!振り掛けてもちゃんと効果は・・・ほら見ろ!」

 押さえつけた男に素早く小瓶の蓋を取ったハロルドは、その中身を男へと振り掛けている。
 その使い方に疑問を抱くクリスも、目の前の男の傷がみるみる治っていくのを目にすれば、もはや文句もいう事はない。

「おおっ!凄いな、治癒のポーションか!そんなもの、一体どこで手に入れたんだ?」
「貰ったんです。その人は、ダンジョンで手に入れたとか言ってたかな・・・」
「ダンジョンで、だと・・・」

 男を癒したのは、ハロルドがかつてカイから貰った治癒のポーションであった。
 その驚くべき効き目にスタンリーはハロルドに、それをどこで手に入れたのだと尋ねていた。
 使ったアイテムが無事その効果を発揮した事に安堵していたハロルドは、男からの質問に素直に答えている。
 その内容にスタンリーは目を見開いては、驚きを口にしていた。

「なぁ、やっぱりあの宝箱も開けにいこうぜ!あの中身、絶対ポーションとかだって!勿体無いだろ?」
「はぁ・・・さっきも言っただろ、いまさら戻るのは難しいって。それに宝箱ってなんだい?勝手に変な名前つけるなよ」

 商人風の格好をした大人であるスタンリーの反応にその価値を改めて実感したのだろうか、取り忘れていた宝箱を回収しに行こうとせがむクリスを、ハロルドは冷たく突き放している。
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