無能だと言われ続けた聖女は、自らを封印することにしました

天宮有

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第66話

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 私達はジェノス様を居間に案内して、椅子に座りテーブル越しに対面していた。
 私の右側にはリカルドが椅子に座り、左側にはクロが床に座っている。

 リカルドとクロはジェノス様を警戒している様子だけど、城の兵士長だから仕方ない。
 私達は話を聞いて――全ての元凶が、カオスと名乗った元賢者の青年だと知る。

 大昔にモンスターと一体化することで、不老の力を得たカオスと名乗る賢者。
 数百年前にローノック国に封印されていたけど、アビリコが聖女になったせいで封印が解けている。

 悪いのは魔法協会の忠告を無視した陛下と王子で、ジェノス様が私を眺めて話す。

「この国の聖女が膨大な力を得るのは、封印したカオスを消滅させるため世界が関与した結果みたいです」

「そして……新たな聖女アビリコは何の力もないから、カオスの封印が解けたということですね」

「はい。聖女になった瞬間に、カオスを封印するための魔力を流すことになり、結果的に普通の聖女より遙かに強くなるのでしょう」

 私の魔力は聖女でなくなってもそのまま、いや聖女の時より遙かに強化されている。
 これは自ら封印された3年間もの間、ずっと魔法を扱い魔力を向上させていたからだ。

「聖女となったアビリコはかなり強くなり、間違いなく聖女の恩恵を得ていましたが……元が弱すぎたせいで封印が解けたと推測できます」

 それに関しては、選んだローノック王とマリウスの自業自得でしかない。
 王都は完全にカオスが支配していて、この国全体の負の感情を得て力を増加させつつある。

 カオスとしては月日が経つにつれて強くなるのだから、現状維持が理想的な状況に違いない。
 それなら……私はカオスを倒すため、王都に向かうことを決意していた。
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