愚かな側妃と言われたので、我慢することをやめます

天宮有

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第12話

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 シェムがお茶会で問題を起こしてから、数日が経っていた。

 今日も私は城から出て、商会に向かおうとしている。
 最近シェムが嬉々としていたけど、気にしないでおこう。

 そして城の外に行こうとした時、私の前にルグドがやって来た。
 ここ最近は大変なようで、正面に立って叫びだす。

「アリザよ、もう限界だ……今すぐ元に戻れ!」
「元に戻れ? 私は愚かな側妃なのでしょう?」
「ぐっっ……それはもういい! 今まで通り俺やシェムを助けろ!!」

 宰相ノースが忙しく城にいない状況で、ルグドは私に命令した。

 お茶会の出来事から、ルグドは精神的に追い詰められている。
 助ける気はなくて、私は正面にいるルグドに言う。

「私は愚かな側妃ですから、そんなことはできません」

 今まで通り行動すれば、問題を解決できそうだ。
 それでも我慢することをやめた私は助ける気がなくて、激昂したルグドが叫ぶ。

「それならアリザよ! お前を廃妃にしてやる!」
「そうですか、わかりました」
「なんだと!? アリザは何を言っている!?」

 わかったと私が言っただけなのに、ルグドは取り乱す。
 脅せば従うと考えていたようだけど、廃妃になるのならそれで構わない。

 現状から私に廃妃と言うのは予想外だったけど、むしろこの方がいい。
 これでルグドの発言を理由に出て行き、私はロガムラ国へ行けそうだ。
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