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第1話
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聖女の姉――伯爵令嬢の私エステル・グーリサは、影でそう呼ばれていた。
屋敷の庭にある薬草畑に水を与えながら、聖女について考える。
私達の住むバルラサ国の人が、加護を得て聖女になれるようだ。
予言により判明したようで、来月グーリサ伯爵家の娘が聖女になるらしい。
私か妹のザリカのどちらかだけど……私は妹と違い、聖なる魔法が使えなかった。
聖なる魔法は急に扱えるようになるから、来月まで可能性はある。
それでも妹のザリカが活躍しているし、今から聖女になれるとは思っていない。
「ザリカは聖魔法が使えますし、聖女はザリカで間違いなさそうです」
思わず呟くけど、独り言ではなくて……私の目の前には、数個の光の球が飛び交っている。
薬草畑に住んでいる植物の精霊達で、私の声を聞き左右に動いていた。
励ましてくれているのだと思い、私は薬草畑の世話をしていく。
そんな時……私の元に、妹のザリカがやって来る。
薬草畑と眺めながら、私に向かって笑みを浮かべたザリカは話す。
「お姉様は私と違い聖魔法が使えないから、相変わらず薬草畑の世話をしているのですね」
「私以外の人が世話をすると、問題が発生します」
「そんなわけないじゃない! ここの薬草の効力が凄いのは聖女の私がいるからで、お姉様は何も関係ないわ!」
ザリカが叫ぶけど、実際に私が数日いない時は問題が発生していた。
それは私が屋敷に戻ってから対処できたけど……そのことを、ザリカは知らないのかもしれない。
何を言っても否定しそうだと考えて、グーリサ伯爵家では私よりもザリカの方が立場は上だから、説明しても信じることはなさそうだ。
そんなことを考えていると、ザリカの話が続く。
「来月までにお姉様が聖魔法を扱えなければ、私がバルラサ国の聖女と正式に決まります。お姉様と婚約しているランダ様は失望するでしょう」
「……そうですね」
聖魔法が何も使えない私と違い、ザリカは回復魔法や戦闘で使う光の攻撃魔法を扱い活躍していた。
私も幾つか魔法が扱えるけど……重要なのは、聖魔法が使えるかどうかになる。
聖女はザリカがなりそうで、このままだと本当に私はランダ王子に失望されそうだ。
「そのランダ様ですが、私のことが好きになったようです」
「……えっ?」
「私が聖女と決まれば、ランダ様は問題なくお姉様、いいえエステルとの婚約を破棄できる。その時はエステルを家から追い出すから、もう薬草の世話をする必要もないわ!」
そう言って、ザリカは私の元から去っていく。
――ランダ王子が私との婚約を破棄して、ザリカと婚約する?
今までザリカに婚約者がいなかった辺り、前からランダ王子と相思相愛だったのかもしれない。
呆然としてしまうと心配した精霊達が近づいてくれて、私は話す。
「聖女になれなかった私のせいだから、仕方ないですね」
割り切ることにした私を、精霊達が励ましてくれて――そういえば、ザリカは精霊が見えていなかった。
ザリカは精霊が見えないというよりも、私以外の人は精霊が見えていない。
この時の私達は、精霊が見えるのは真の聖女だけとは知らなかった。
私がそのことを知るのは、妹ザリカが聖女に決まった後のことだ。
屋敷の庭にある薬草畑に水を与えながら、聖女について考える。
私達の住むバルラサ国の人が、加護を得て聖女になれるようだ。
予言により判明したようで、来月グーリサ伯爵家の娘が聖女になるらしい。
私か妹のザリカのどちらかだけど……私は妹と違い、聖なる魔法が使えなかった。
聖なる魔法は急に扱えるようになるから、来月まで可能性はある。
それでも妹のザリカが活躍しているし、今から聖女になれるとは思っていない。
「ザリカは聖魔法が使えますし、聖女はザリカで間違いなさそうです」
思わず呟くけど、独り言ではなくて……私の目の前には、数個の光の球が飛び交っている。
薬草畑に住んでいる植物の精霊達で、私の声を聞き左右に動いていた。
励ましてくれているのだと思い、私は薬草畑の世話をしていく。
そんな時……私の元に、妹のザリカがやって来る。
薬草畑と眺めながら、私に向かって笑みを浮かべたザリカは話す。
「お姉様は私と違い聖魔法が使えないから、相変わらず薬草畑の世話をしているのですね」
「私以外の人が世話をすると、問題が発生します」
「そんなわけないじゃない! ここの薬草の効力が凄いのは聖女の私がいるからで、お姉様は何も関係ないわ!」
ザリカが叫ぶけど、実際に私が数日いない時は問題が発生していた。
それは私が屋敷に戻ってから対処できたけど……そのことを、ザリカは知らないのかもしれない。
何を言っても否定しそうだと考えて、グーリサ伯爵家では私よりもザリカの方が立場は上だから、説明しても信じることはなさそうだ。
そんなことを考えていると、ザリカの話が続く。
「来月までにお姉様が聖魔法を扱えなければ、私がバルラサ国の聖女と正式に決まります。お姉様と婚約しているランダ様は失望するでしょう」
「……そうですね」
聖魔法が何も使えない私と違い、ザリカは回復魔法や戦闘で使う光の攻撃魔法を扱い活躍していた。
私も幾つか魔法が扱えるけど……重要なのは、聖魔法が使えるかどうかになる。
聖女はザリカがなりそうで、このままだと本当に私はランダ王子に失望されそうだ。
「そのランダ様ですが、私のことが好きになったようです」
「……えっ?」
「私が聖女と決まれば、ランダ様は問題なくお姉様、いいえエステルとの婚約を破棄できる。その時はエステルを家から追い出すから、もう薬草の世話をする必要もないわ!」
そう言って、ザリカは私の元から去っていく。
――ランダ王子が私との婚約を破棄して、ザリカと婚約する?
今までザリカに婚約者がいなかった辺り、前からランダ王子と相思相愛だったのかもしれない。
呆然としてしまうと心配した精霊達が近づいてくれて、私は話す。
「聖女になれなかった私のせいだから、仕方ないですね」
割り切ることにした私を、精霊達が励ましてくれて――そういえば、ザリカは精霊が見えていなかった。
ザリカは精霊が見えないというよりも、私以外の人は精霊が見えていない。
この時の私達は、精霊が見えるのは真の聖女だけとは知らなかった。
私がそのことを知るのは、妹ザリカが聖女に決まった後のことだ。
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