婚約者が毒を使って私を消そうとするけど、聖女だから効きません

第１１話

　私は婚約者に毒で消されそうになって、人をあまり信じられなくなっている。
　幼い頃から親しかったゼアン以外の人は信じられなくて……私は、ズドラよりゼアンと婚約者になりたい。

　私を想ってくれるゼアンを見て――私は、ゼアンと婚約者になりたいと想っていた。

　そう考えてしまうと……私は、ゼアンに話す。

「あの……ゼアン様は、できることなら何でもすると言いましたよね」

「はい。私ができることなら、何でも構いません」

「そ、それなら……質問しますけど、私のことをどう想っていますか？」

　ゼアンが私を好きかどうかが重要だから――私は、緊張しながら尋ねる。

「魅力的な人で……ズドラ様が婚約者にならなければ、私が婚約したかったと想っています」

「そ、そうですか」

　凄いことを言ったけど、これはズドラがロゼスのことを好きだと話したから、気遣ってくれたのだと思う。

　好きだと言ってくれなかったのは、まだズドラが私の婚約者だからなのかもしれない。

　ズドラと話を終えて――数ヶ月後、私はズドラに婚約破棄を言い渡されていた。