24 / 28
第24話
しおりを挟む
ズドラが屋敷に来てから数ヶ月後――私は、平和な日々を送ることができていた。
ゼアンがズドラとロゼスを警戒しているようだけど、あまり探らないようにして欲しいと頼んでいる。
ロゼスの毒は強力で……私がそばにいない時に毒を受けると、解毒する前に命を落とす可能性が高い。
それほどまでに強力な毒で、解毒剤がなければ数秒で命を奪うほどだ。
どうしてあんな毒を数多く用意できるのかは気になったけど……今は、パーティに集中しよう。
「ロゼス様とズドラ様もいるみたいなので、ゼアン様も気をつけてください」
「はい。私はシルフ様の傍にいようと考えています」
私は婚約者のゼアンと楽しい時間を過ごしていると――私達の前に、陛下がやって来る。
どうやら聖女の私と話をしておきたかったようで、ゼアンと一緒に緊張しながら話をしていた。
そして――私は意識が声をかけてくれた陛下に集中してたから、その隙を突いたに違いない。
何かが私の皮膚を斬って痛みを感じたと同時に、私は動く。
回復魔法で傷を一瞬で治して、解毒魔法で毒を無力化できている。
そして――反射的に手が伸びて、私は人の腕を掴む。
「なっっ……馬鹿な!?」
力を強めると透明だった人が姿を現して……そこにいたのは、ナイフを強く握るズドラだ。
「このナイフで聖女のスキルを無力化できるのは間違いない! 故に堕天のナイフと呼ばれているのだぞ!?」
ナイフを強く握るズドラは、私とナイフを交互に見ながら取り乱して叫ぶ。
ズドラは暴露していたけど……特殊な武器を用意したのに、私が助かったことが気になっていた。
ゼアンがズドラとロゼスを警戒しているようだけど、あまり探らないようにして欲しいと頼んでいる。
ロゼスの毒は強力で……私がそばにいない時に毒を受けると、解毒する前に命を落とす可能性が高い。
それほどまでに強力な毒で、解毒剤がなければ数秒で命を奪うほどだ。
どうしてあんな毒を数多く用意できるのかは気になったけど……今は、パーティに集中しよう。
「ロゼス様とズドラ様もいるみたいなので、ゼアン様も気をつけてください」
「はい。私はシルフ様の傍にいようと考えています」
私は婚約者のゼアンと楽しい時間を過ごしていると――私達の前に、陛下がやって来る。
どうやら聖女の私と話をしておきたかったようで、ゼアンと一緒に緊張しながら話をしていた。
そして――私は意識が声をかけてくれた陛下に集中してたから、その隙を突いたに違いない。
何かが私の皮膚を斬って痛みを感じたと同時に、私は動く。
回復魔法で傷を一瞬で治して、解毒魔法で毒を無力化できている。
そして――反射的に手が伸びて、私は人の腕を掴む。
「なっっ……馬鹿な!?」
力を強めると透明だった人が姿を現して……そこにいたのは、ナイフを強く握るズドラだ。
「このナイフで聖女のスキルを無力化できるのは間違いない! 故に堕天のナイフと呼ばれているのだぞ!?」
ナイフを強く握るズドラは、私とナイフを交互に見ながら取り乱して叫ぶ。
ズドラは暴露していたけど……特殊な武器を用意したのに、私が助かったことが気になっていた。
22
あなたにおすすめの小説
わたくしを追い出した王太子殿下が、一年後に謝罪に来ました
柚木ゆず
ファンタジー
より優秀な力を持つ聖女が現れたことによってお払い箱と言われ、その結果すべてを失ってしまった元聖女アンブル。そんな彼女は古い友人である男爵令息ドファールに救われ隣国で幸せに暮らしていたのですが、ある日突然祖国の王太子ザルースが――アンブルを邪険にした人間のひとりが、アンブルの目の前に現れたのでした。
「アンブル、あの時は本当にすまなかった。謝罪とお詫びをさせて欲しいんだ」
現在体調の影響でしっかりとしたお礼(お返事)ができないため、最新の投稿作以外の感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
【 完 結 】言祝ぎの聖女
しずもり
ファンタジー
聖女ミーシェは断罪された。
『言祝ぎの聖女』の座を聖女ラヴィーナから不当に奪ったとして、聖女の資格を剥奪され国外追放の罰を受けたのだ。
だが、隣国との国境へ向かう馬車は、同乗していた聖騎士ウィルと共に崖から落ちた。
誤字脱字があると思います。見つけ次第、修正を入れています。
恋愛要素は完結までほぼありませんが、ハッピーエンド予定です。
義妹が聖女を引き継ぎましたが無理だと思います
成行任世
恋愛
稀少な聖属性を持つ義妹が聖女の役も婚約者も引き継ぐ(奪う)というので聖女の祈りを義妹に託したら王都が壊滅の危機だそうですが、私はもう聖女ではないので知りません。
聖女の妹、『灰色女』の私
ルーシャオ
恋愛
オールヴァン公爵家令嬢かつ聖女アリシアを妹に持つ『私』は、魔力を持たない『灰色女(グレイッシュ)』として蔑まれていた。醜聞を避けるため仕方なく出席した妹の就任式から早々に帰宅しようとしたところ、道に座り込む老婆を見つける。その老婆は同じ『灰色女』であり、『私』の運命を変える呪文をつぶやいた。
『私』は次第にマナの流れが見えるようになり、知らなかったことをどんどんと知っていく。そして、聖女へ、オールヴァン公爵家へ、この国へ、差別する人々へ——復讐を決意した。
一方で、なぜか縁談の来なかった『私』と結婚したいという王城騎士団副団長アイメルが現れる。拒否できない結婚だと思っていたが、妙にアイメルは親身になってくれる。一体なぜ?
婚約破棄された聖女は、愛する恋人との思い出を消すことにした。
石河 翠
恋愛
婚約者である王太子に興味がないと評判の聖女ダナは、冷たい女との結婚は無理だと婚約破棄されてしまう。国外追放となった彼女を助けたのは、美貌の魔術師サリバンだった。
やがて恋人同士になった二人。ある夜、改まったサリバンに呼び出され求婚かと期待したが、彼はダナに自分の願いを叶えてほしいと言ってきた。彼は、ダナが大事な思い出と引き換えに願いを叶えることができる聖女だと知っていたのだ。
失望したダナは思い出を捨てるためにサリバンの願いを叶えることにする。ところがサリバンの願いの内容を知った彼女は彼を幸せにするため賭けに出る。
愛するひとの幸せを願ったヒロインと、世界の平和を願ったヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(写真のID:4463267)をお借りしています。
婚約破棄が私を笑顔にした
夜月翠雨
恋愛
「カトリーヌ・シャロン! 本日をもって婚約を破棄する!」
学園の教室で婚約者であるフランシスの滑稽な姿にカトリーヌは笑いをこらえるので必死だった。
そこに聖女であるアメリアがやってくる。
フランシスの瞳は彼女に釘付けだった。
彼女と出会ったことでカトリーヌの運命は大きく変わってしまう。
短編を小分けにして投稿しています。よろしくお願いします。
聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした
猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。
聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。
思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。
彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。
それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。
けれども、なにかが胸の内に燻っている。
聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。
※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる