婚約破棄を謝っても、許す気はありません

天宮有

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第7話

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 翌日――今日の午後は広場を使い、魔法の自習をする時間だ。

 どんな魔法を使ってもいいけど他の人とは距離をとって、人に向けて魔法を使用してはならない。

 それでも魔法が制御できず事故は何度も起きているようで、数人の先生が警戒している。

 前回この授業が起きた時、私はルドノの取り巻きから魔法による攻撃を受けていた。

「……恐らく今日も、私を狙って魔法で攻撃してきそうです」

 先生達は警戒しているけど、生徒全員を見ているから死角が存在してしまう。

 ルドノは最初から私を痛めつける目的で、数人の生徒が先生に注意を向けさせる。

 その隙に私を魔法で攻撃していて――今日はザノークが杖を振るい、私に魔法を繰り出す。

「はじめて試す魔法だから、失敗してしまうかもしれんな!」

 そう言いながら――暴風に炎を纏わせて、私に放つ。

 今までは事故にみせかける程度だったけど、昨日の件からか全力で私を狙っていた。

「そんなっ――」

 私は全方位を警戒していたから、ザノークが全力で攻撃してくることは想定していない。

 咄嗟に魔法で対処しようにも、重傷を負ってしまうと覚悟して――ザノークの魔法は、目の前の美青年が掻き消していた。

 私が目の前の人に驚いていると、ザノークも驚愕して叫ぶ。

「なっっ――リックよ! どうして貴様がここにいる!?」

 私の前に立っているのは杖を持ったリック様で、本来なら別の場所で授業を受けているはずだ。

 ザノークが叫び、様子を窺っていたルドノも唖然としている。

 そんな2人を眺めて、リック様が話す。

「教師を目指したいと提案したら、体験でこの授業を先生の立場で見守ることになりました――これは、どういうことですか?」

 今まで起きた出来事は全てリック様に話していたけど、今日は魔法の自習授業に参加していたようだ。

 リック様が守ってくれたことが嬉しくて――リック様は、ザノークを追及していた。
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