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第19話
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ザノーク王子視点
カルラとの婚約を破棄した翌日の夜――俺は部屋で、ルドノと話をしている。
「まさかカルラの奴、杖まで不正をしているとはな!」
「そうですね……これからも、不正は暴かれていくでしょう」
魔法を扱う杖は魔力強化の力があって、それは学園側も認めている。
問題なのは杖が別の効力を持っていた場合で――例えば気分を高揚させる効果があるのなら、悪用される可能性があり禁止されていた。
カルラの杖は鑑定魔法に耐え切れず破裂して、それはルドノの推測通りだ。
そしてそこから――俺はルドノから受け取った、カルラの杖に似た杖を折ってみせる。
今まで不正をしてルドノより上に立っていたカルラには、徹底的に後悔させることを決意していた。
「あの時のカルラの顔は愉快だった……ルドノよ、どうした?」
カルラの無様さを2人で笑おうと、俺はルドノを城に招待している。
それなのに――思案しているルドノが気になり、俺は尋ねた。
「いえ……あれは露店で買った杖ですが、あそこまで簡単に折れることが気になってしまいました」
「そうか? 露店なんて見た目だけの粗悪品が多いと聞く、カルラの杖に似ていただけで十分だろう」
カルラの杖はシレッサ家に代々伝わる杖で魔力強化の力があるようだが、所詮は侯爵家の宝物だ。
「もし同じ効力があったとしても、侯爵家が代々伝えていた杖など、見た目がいい代物だっただけだろう」
「それも……そうですね」
俺の発言にルドノが納得して、カルラのことで笑い合う。
この時が一番幸せで――その後、俺は絶望することとなっていた。
カルラとの婚約を破棄した翌日の夜――俺は部屋で、ルドノと話をしている。
「まさかカルラの奴、杖まで不正をしているとはな!」
「そうですね……これからも、不正は暴かれていくでしょう」
魔法を扱う杖は魔力強化の力があって、それは学園側も認めている。
問題なのは杖が別の効力を持っていた場合で――例えば気分を高揚させる効果があるのなら、悪用される可能性があり禁止されていた。
カルラの杖は鑑定魔法に耐え切れず破裂して、それはルドノの推測通りだ。
そしてそこから――俺はルドノから受け取った、カルラの杖に似た杖を折ってみせる。
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それなのに――思案しているルドノが気になり、俺は尋ねた。
「いえ……あれは露店で買った杖ですが、あそこまで簡単に折れることが気になってしまいました」
「そうか? 露店なんて見た目だけの粗悪品が多いと聞く、カルラの杖に似ていただけで十分だろう」
カルラの杖はシレッサ家に代々伝わる杖で魔力強化の力があるようだが、所詮は侯爵家の宝物だ。
「もし同じ効力があったとしても、侯爵家が代々伝えていた杖など、見た目がいい代物だっただけだろう」
「それも……そうですね」
俺の発言にルドノが納得して、カルラのことで笑い合う。
この時が一番幸せで――その後、俺は絶望することとなっていた。
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