婚約破棄を謝っても、許す気はありません

第３３話

　ルドノは激痛から全身を震わせながらも、ザノークを眺めて叫ぶ。

「もう勘当を言い渡された平民如きが、公爵令息の私を暴行するなど――許されることではありませんよ！」

　今まで冷静だったルドノが、ザノークに激昂して叫ぶ。

　そんな中で、ザノークは冷静に話す。

「ルドノよ、それは貴様が公爵家の令息ならの話だ」

「ザノークは何を言っている？　貴方が全て悪いのですよ！！」

　陛下がいて、貴族の人達が集まっている状況でザノークは行動した。

　ルドノの叫びに対して――ザノークは、ルドノと陛下を眺めて話す。

「いや、貴様も同罪だ。陛下、俺の部屋の部屋にある本棚の２段目に、隠してある物をすぐ持ってきてください」

「なに……？」

「そこには俺の日記があります――今までの、俺とルドノが起こした悪事の記録です」

　その発言を聞いて、大広間にいる人は、全員唖然としている。

　魔法で攻撃したこと以上に驚いて……今までザノークが日記を書いていたことは、完全に予想外だった。