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第2話
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数日が経って、中間試験は全て終わっている。
試験の結果は今日判明するようだけど、私はリオクに命令されて成績を落としていた。
今日は誰よりも早く登校しておくよう命令されて、私は授業が始まる1時間前に登校する。
誰もいないと思っていたけど、教室では1人の男子生徒が自習をしていた。
1時間前に登校すれば誰もいないと言われたけど、先に生徒が来ているとは思わない。
リオクの望み通りにはならならず、私が1時間前に登校したことは校門を通った際に学生証が記録している。
カードの学生証は魔法道具で、登下校の証明や成績を記録することができるからだ。
自習をしていた男子生徒は、教室に入った私に気づいて顔を上げる。
短い金髪の爽やかそうな美少年で、公爵家の令息ヨハンだった。
私が驚いていると、ヨハンが声をかけてくれる。
「セシリアか。登校が早いな」
「ヨハン様こそお早いですね」
「気になることがあってな……いい機会だから、セシリアに聞いておきたいことがある」
「……なんでしょうか?」
尋ねるけど、推測はできてしまう。
婚約者リオクに命令されて、私は実力を隠し成績を悪くしていたからだ。
2学期にある中間と期末試験の結果次第では、退学がありえるらしい。
そこまでは成績を落とさないけど、私の成績の悪さをヨハンは聞きたいのかもしれない。
どうやって誤魔化そうか思案していると、ヨハンの発言に私は驚くこととなる。
「どうしてセシリアは、実力を隠している?」
「……えっ?」
成績の悪さを聞かれると思っていたのに、ヨハンは実力を隠している理由を聞いている。
怪しまれないよう自然に実力を隠せていた自信があったのに、知られるとは思っていない。
私としては、どうして気づいたのかが知りたくなっていた。
入学する前からリオクに命令されて、実技の授業では魔法の性能も抑えることもできている。
筆記試験も白紙ではなく、間違えてもおかしくない回答を意識して書いてきた。
それなのにヨハンは、私が実力を隠していると考えている。
どこで気づけたのかりわからなくて、私は尋ねることにした。
「……どうして、そう思われたのでしょうか?」
「授業中の反応から察した。何も知らない者の反応ではなく、セシリアは常に余裕があり冷静だ」
「それは……何もわからないから、呆然としていただけかもしれませんよ?」
「他にも理由はある。魔法を扱う修行で、君は失敗ではなく弱い魔法を扱えていた」
「……無意味なことよりも試してみたくなり、その結果ヨハン様に知られてしまいましたか」
魔法は頭の中で魔法陣を描き、そこに魔力を流すイメージで扱える。
魔法陣が不出来だったり、扱う魔力量の明確なイメージがない場合は、魔法が発生することはないようだ。
私は実力を隠すよう言われているから、必要最低な魔力に調整して使っている。
それは完璧を魔法を使っているようなもので、ヨハンはそこから実力を隠していると察したようだ。
私は全て話すことにして、リオクに隠すつもりでいる。
実力を隠している理由を話す前に、ヨハンが私を眺めて言う。
「実力を隠しているのは、リオクに命令されているからだろう」
「そこまでわかるのですか」
「あいつの言動から推測できた……ファムと一緒に教室で暴言を吐き楽しんでいるようだが、そこまでする理由はわからないな」
その理由は推測できているから、私はヨハンに言う。
「入学前に来てくれた魔法使いの先生が、リオク様より私の方が優秀と言ったからだと思っています」
「実際にその通りだろう。自分の方が上だと思われたいから婚約者の実力を隠すとは、愚かなやつだ」
「そうですね……このことは、秘密にしてください」
教室には私とヨハンしかいないから、本心を話しながら秘密にして欲しいと頼む。
理由を話したこともあり、ヨハンは納得してくれたようで頷く。
「わかった……もし困ったことがあれば、俺は君の力になろう」
「えっと、どうしてですか?」
「セシリアの本当の実力が気になったからだ。どれほどの実力なのか、早く見たいものだ」
話していると他の生徒が来そうな時間になり、私達は話を終える。
その後は自習することにしたけど……どうして婚約者のリオクが、早く登校するよう命令したのかがわからないでいた。
その後リオクが登校してから、私との婚約を破棄することが目論見だと知る。
それだけではなくて――婚約者のリオクは、私を退学させたいようだ。
試験の結果は今日判明するようだけど、私はリオクに命令されて成績を落としていた。
今日は誰よりも早く登校しておくよう命令されて、私は授業が始まる1時間前に登校する。
誰もいないと思っていたけど、教室では1人の男子生徒が自習をしていた。
1時間前に登校すれば誰もいないと言われたけど、先に生徒が来ているとは思わない。
リオクの望み通りにはならならず、私が1時間前に登校したことは校門を通った際に学生証が記録している。
カードの学生証は魔法道具で、登下校の証明や成績を記録することができるからだ。
自習をしていた男子生徒は、教室に入った私に気づいて顔を上げる。
短い金髪の爽やかそうな美少年で、公爵家の令息ヨハンだった。
私が驚いていると、ヨハンが声をかけてくれる。
「セシリアか。登校が早いな」
「ヨハン様こそお早いですね」
「気になることがあってな……いい機会だから、セシリアに聞いておきたいことがある」
「……なんでしょうか?」
尋ねるけど、推測はできてしまう。
婚約者リオクに命令されて、私は実力を隠し成績を悪くしていたからだ。
2学期にある中間と期末試験の結果次第では、退学がありえるらしい。
そこまでは成績を落とさないけど、私の成績の悪さをヨハンは聞きたいのかもしれない。
どうやって誤魔化そうか思案していると、ヨハンの発言に私は驚くこととなる。
「どうしてセシリアは、実力を隠している?」
「……えっ?」
成績の悪さを聞かれると思っていたのに、ヨハンは実力を隠している理由を聞いている。
怪しまれないよう自然に実力を隠せていた自信があったのに、知られるとは思っていない。
私としては、どうして気づいたのかが知りたくなっていた。
入学する前からリオクに命令されて、実技の授業では魔法の性能も抑えることもできている。
筆記試験も白紙ではなく、間違えてもおかしくない回答を意識して書いてきた。
それなのにヨハンは、私が実力を隠していると考えている。
どこで気づけたのかりわからなくて、私は尋ねることにした。
「……どうして、そう思われたのでしょうか?」
「授業中の反応から察した。何も知らない者の反応ではなく、セシリアは常に余裕があり冷静だ」
「それは……何もわからないから、呆然としていただけかもしれませんよ?」
「他にも理由はある。魔法を扱う修行で、君は失敗ではなく弱い魔法を扱えていた」
「……無意味なことよりも試してみたくなり、その結果ヨハン様に知られてしまいましたか」
魔法は頭の中で魔法陣を描き、そこに魔力を流すイメージで扱える。
魔法陣が不出来だったり、扱う魔力量の明確なイメージがない場合は、魔法が発生することはないようだ。
私は実力を隠すよう言われているから、必要最低な魔力に調整して使っている。
それは完璧を魔法を使っているようなもので、ヨハンはそこから実力を隠していると察したようだ。
私は全て話すことにして、リオクに隠すつもりでいる。
実力を隠している理由を話す前に、ヨハンが私を眺めて言う。
「実力を隠しているのは、リオクに命令されているからだろう」
「そこまでわかるのですか」
「あいつの言動から推測できた……ファムと一緒に教室で暴言を吐き楽しんでいるようだが、そこまでする理由はわからないな」
その理由は推測できているから、私はヨハンに言う。
「入学前に来てくれた魔法使いの先生が、リオク様より私の方が優秀と言ったからだと思っています」
「実際にその通りだろう。自分の方が上だと思われたいから婚約者の実力を隠すとは、愚かなやつだ」
「そうですね……このことは、秘密にしてください」
教室には私とヨハンしかいないから、本心を話しながら秘密にして欲しいと頼む。
理由を話したこともあり、ヨハンは納得してくれたようで頷く。
「わかった……もし困ったことがあれば、俺は君の力になろう」
「えっと、どうしてですか?」
「セシリアの本当の実力が気になったからだ。どれほどの実力なのか、早く見たいものだ」
話していると他の生徒が来そうな時間になり、私達は話を終える。
その後は自習することにしたけど……どうして婚約者のリオクが、早く登校するよう命令したのかがわからないでいた。
その後リオクが登校してから、私との婚約を破棄することが目論見だと知る。
それだけではなくて――婚約者のリオクは、私を退学させたいようだ。
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